和室の減少でふすまのリフォームをネット販売 大手IT企業出身の3代目が磨いた顧客提案力
BtoCが売上高の15%に成長
こうした工夫が徐々に実を結び、BtoC事業は毎年10%から20%のペースで成長。谷元フスマ工飾の売上高(2024年3月期は11億6千万円)の15%を占める規模になりました。 売上高が増えるに従い、兼任のスタッフを専従にしたり新たに採用したりして体制も拡充。現在、BtoC事業の部門は計12人を占めます。 谷元さんは17年に渡ってBtoC事業を育て上げてきました。「社長に就任してトップダウンで進めつつも、既存事業からリソースを割かずにトライアンドエラーを重ね、時間をかけて拡大したのが良かった」と振り返ります。 祖業のふすま製造は谷元さんの家業入り当時からさらに市場が縮小し、売り上げ全体に占める割合は3割ほどとなりました。 建具製造を含めたBtoB事業が一番の稼ぎ頭でありながらも、BtoC事業が育ったことでバランスが取れた事業ポートフォリオになりました。 「BtoC事業がうまくいった要因は、既存事業とリンクさせながら少し『ずらしてみた』ことだと考えます。ずらす方法は、商品を変えるか、売り先を変えるか、売り方を変えるかの三つ。『和室リフォーム本舗』では売り方を変えてみました」 「3代目として最も大切にしてきたのは、会社をつぶさず存続させること。適度にリスクを抑えながらチャレンジすることは、同じような中小企業にとって再現性が高いのではないでしょうか」 ※後編では、事業多角化の土台となった、従業員の自律性を育てる仕組みづくりに迫ります。
ライター・編集者 中村信義