「ビザがないからディズニーランドにも行けない」
その一方で、在日クルド人の中には、入管施設への収容を一時的に解かれた「仮放免」の状態で生活している者も少なくない。いつ強制送還されてもおかしくない、将来に対する漠然とした不安は、彼らの証言からも伺える。
「僕たちは中学生になったらけっこう色んなことを考えますよ。『今後もビザがなかったら将来どうなっちゃうんだろう?』とか、一人で将来について考え込んでしまって、ナーバスな気持ちになることもあります。
ビザがないとスマホも一括払いでしか買えないし、もし病気になっても保険証がないから病院にも行けない。それに(無許可で)県外に出かけたら捕まるから、ディズニーランドにも行けないんです」(16歳・クルド人少年)
「周りの子も含めて、中学校に上がるタイミングで親から『ビザを取れるように勉強して、ここ(日本)に残れるように頑張りなさい』とか言われるようになるよ。僕も『弁護士になれ』とか『医者になれ』とか毎日のように言われてる。
たしかに優秀な大学に行けば、もしかしたら入管もビザを発行してくれるかもしれない。だから同世代のクルド人の中には、そういう仕事を目指してめちゃくちゃ勉強している子もいるよ。その反対にグレて、ヤンキーの日本人とつるんでいる子もいる」(15歳・クルド人少年)
以降も、彼らと話していて感じたのは、周囲に対する「不信感」だ。近年、SNSではクルド人に対し「奴らを国外追放しろ!」といった批判が殺到しているが、それはリアルの世界でも例外ではない。高校1年生のクルド人少年は、昨年以降、学校でクラスメイトから過度な「イジり」を受けるようになったという。