原動力は人事・組織コンサルのおもしろさ。フロント・バックオフィス両方を経験

article image 1

新卒でコンサルティングファームに入社し、以来一貫して人事・組織領域の課題解決に携わり、幅広い知見を培ってきた青柳。キャリアの原体験は大学3年生のインターンシップでした。

「次世代の経営人材育成というテーマに2週間かけて取り組み、そのおもしろさに魅了されました。加えて、メンターとして付いてくれた今の上司でもある横山との出会いも大きかったですね。すべてがフィットするような、とても良い経験ができたので、そのまま就職を決めました」

入社後は、人事制度の設計や組織デザインといったハード面から、人材育成や風土改革、採用ブランディングなどのソフト面まで多様な案件をこなし、さまざまな経験を重ねた青柳。人事・組織領域の魅力をこう語ります。

「ロジカルな組み立てや綺麗に整ったストーリー作りというイメージのあるコンサルティングに“人”が加わると、ウェットでノンロジカルで感情的な側面が現れます。『仕組みとしては完璧だけど、これを受け取った人はどう思うか?』を考えることが、人事・組織コンサルの醍醐味だと感じたんです。

そんなロジカルとエモーショナルの絶妙なバランスのおもしろさが、仕事を続ける原動力でしたね」

その背景には、幼少期からの2つの経験があったのではないかと自ら分析します。

「1つは、幼少期に海外を転々として多様なナショナリティーの人々と接することが多かったため、新しい環境に馴染み、関係性をつくっていくEQ(Emotional Intelligence Quotient:心の知能指数)的な能力が自然と鍛えられたこと。

もう1つは学生時代にチームスポーツに打ち込んだ経験から、メンバーとのコミュニケーションやチームの中での立ち位置の取り方を学んできたこと。そうした人と接する力が、人事・組織領域で強みとして発揮できたのかもしれません」

約6年間で人事・組織コンサルタントとしての土台を築いた青柳。次の舞台として選んだのは、外資系戦略コンサルティングファームのバックオフィス部門でした。

「フロントに立つコンサルタントではなくプロジェクト管理やキャリアコーチを担う立場になりました。組織を内側から支える立場ことで、新しい気づきを得ることができましたね」

とくに学びとなったのが、現場で仕組みを浸透させる難しさでした。

「コンサルタントは新しい仕組みを考えて実行までサポートはするものの、最終的な責任は負いません。対してバックオフィスでは、仕組みを実行し切る責任を負います。

たとえば労働時間管理の仕組みを作っても、現場に根付かせるのは容易ではない。仕組みやルールだけでなく、文化的な側面からのアプローチも必要なんです。コンサルタント時代の視点も活かしながら、どうしたら定着するかを考えられたのは、大きな経験になりました」

そんな中、かつてのコーチ・横山から、三井物産 総合力推進部 ビジネスコンサルティング+室(以降、ビジコン+室)への誘いを受けます。人事・組織領域について専門性や知見を持ち、大手コンサルファームでマネージャー経験もある青柳を見込んでのオファーでした。

これまで経験してきたコンサルティング業務の、フロント側でもバックオフィス側でもないポジションで新たな経験ができること、コンサルファーム経験者が集まり独自のチーム文化がある部署でフラットに働けること、リモートワークなどの柔軟な働き方ができること。何より恩師からの誘いということが決め手となり、青柳は新天地へ進むことを決心します。

立ち上げ期の会社の制度作りを通して、経営層の成長に貢献できる喜び

三井物産に入社した青柳が最初に携わったのは、個社の経営改善を支援する案件でした。

「事業本部やグループ会社などから寄せられる経営上の相談に対して、一つひとつ解決策を考えていくコンサルティング業務がメインです。最初は横山と人事関連の案件を担当し、徐々に1人で対応できる範囲を広げていきました。

今では人事・組織系の案件はすべて私が受け持っています。相談が来たら初期対応を行い、必要に応じてプロジェクト化に向けた検討を進めるのが主な流れです」

中でも印象的だったのは、立ち上げ期にあるベンチャー企業からの相談だったと言います。

「三井物産の投資先で、まだ社員数が10〜30人程の会社から、規模の拡大に伴って人事制度を整えたいという依頼がいくつかあったんです。コンサル時代は、大企業の既存の制度を改善する案件が多かったので、非常に新鮮でしたね。

事業が柔軟に変化し得る段階の会社は、細かすぎるルールを課すと、それが足枷になってしまう恐れがあります。かといって社員にとって納得感の低い仕組みでは定着しません。会社の成長を阻害せず、社員にも受け入れられる制度設計のバランスを取るのは、なかなか難しくて……。

でも、これからどんどん会社を大きくしていきたいというワクワク感とともに、一緒に前向きな議論ができるのはすごく楽しいですね」

グループ内部の組織の支援を通して感じた、新たな喜びもありました。

「小規模な会社では人事のプロフェッショナルがいないことが多いんです。一緒にプロジェクトを進めていく中で、トップの方から『人事の意義や重要性がわかった気がします』『めざすべき人材像や組織の方向性が見えてきました』といった声を直接聞くと、すごく嬉しくなりますね。

自分の関わりで誰かの成長を促せるのは新鮮な体験で、ビジコン+室に来たからこそ得られたフィードバックだと思います」

さらに、三井物産グループにおける人材育成の重要性も、あらためて認識したと言います。

「出向先のグループ会社で就いた人事や経営の重要なポジションで、人事課題に直面する社員は少なくありません。そんな時に道しるべになるような、人事や組織作りの勘所を持った社員を育てていくサポートができればと思っています。

いろいろなフェーズや業界の会社の実情が見られるのはおもしろいですし、頼りにしてもらえることがやりがいにつながっています」

三井物産グループのコンサル部隊だからこそかなう、柔軟さと実行力

article image 3

コンサルティングファームを経験してきた青柳が、ビジコン+室で感じる違い。まず強調するのは、その絶妙な立ち位置です。

「この部署のおもしろさは、会社の外部でも内部でもない、中間的な立場にあるところです。外部コンサルのように客観的な視点は保ちつつも、クライアントはグループ内の会社なので、費用面を気にせずに、本当に支援すべき相手のために尽力できる。そこが自分には心地良いんです」

グループ会社が相手だからこそ、納得いくまで支援先に入り込める環境も大きな魅力だと青柳は話します。

「組織に踏み込んで、クライアントと共に実行していけることがやりがいです。たとえば人事制度を設計した後の社員向け説明会に同席したり、質疑応答まで対応したりと、現場の生の声に寄り添いながら実務担当者の方をサポートすることができます。

制度を作って終わりではなく、うまく機能するところまで見届けられるのは嬉しいですね」

自身の立ち位置が変わることによって、時間に余裕のある働き方も可能になりました。

「コンサル的な働き方、つまり相談してきてくれた相手にとって最善の選択肢を常に考え抜くという姿勢は変わりません。でも時間軸はもう少しゆったりしているんです。たとえば、身内だからこそ『判断に迷う部分はいったん残しておいて、時が来たらあらためて検討しましょう』という余裕もあります。

外部コンサルだと避けられない、予算とスケジュールのプレッシャーから解放されるのはすごく大きいですね。子育てとの両立など、自分の時間も大切にしながら、持続的にパフォーマンスを発揮できる環境だと思います」

そして、この部署の存在が三井物産の魅力にもつながると語る青柳。

「社内にインハウスコンサル部隊のような部署を持っていること自体、日本では珍しいですよね。それだけ三井物産という会社がユニークで先進的だということだと思うし、そこが魅力だと感じます。

事業の幅という点では、他の総合商社も同じかもしれません。でも三井物産の場合は、人を何より大切にする文化があるんです。トップダウン的な部分もありつつ、現場の声にもしっかり耳を傾けながら一緒に作っていこうというボトムアップ的な側面も持ち合わせています。この『人の三井』という理念は自分の価値観にも合っていますね」

すべては事業に貢献するために。人事・組織の専門家として知識を深める

article image 4

ビジコン+室に来て1年余り。青柳は自身の展望についてこう話します。

「私は人事・組織の専門家としてやっていきたいと思っています。ITや財務会計など領域を広げていくよりも、人事・組織という自分の領域の知識をさらに深めていきたいんです。コンサルファーム時代から、いろいろなテーマを柔軟に扱いながらも、常に『事業に貢献する』ことを意識してきました。その想いは変わらず、引き続きキャリアを作っていけたらと。

ただ、明確なゴールやポジションのイメージはないんです。私にとって仕事はライフを実現するための手段。家庭のことも大事にしながら、自分の力を活かしてこの仕事を続けていきたいですね」

三井物産という組織に対しても、自身をはじめビジコン+室が担える役割は大きいのではないかと青柳は考えています。

「たとえば、ビジコン+室の戦略策定の経験豊富なメンバーが事業戦略を描き、人材面でそれをどう実現するかを私が考えるといった、戦略面と人事・組織面がセットになったプロジェクトを進めて、三井物産が取るべき方向性づくりにも貢献していけたら。実際にいくつかのプロジェクトが立ち上がっています」

そんな青柳が考える、ビジコン+室に向いている人材とは。

「コンサルタントという仕事が好きだけれど、コンサルファームではない別の舞台でその働き方を続けたい人に向いていると思います。

ただしコンサルファームのように、プロジェクトマネージャーやメンバー、さらにその上の立場という明確な階層や役割分担がある中でプロジェクトが進むわけではありません。そのため、フラットで柔軟な立ち回りができるかどうかが重要です。

また、事業部側の人とコミュニケーションを取る際には、数字やロジカルな側面だけでなく、大企業特有のノンロジカルな部分も出てきます。ある程度割り切りながら対応ができる、コミュニケーションに長けている方に、ぜひ仲間になってほしいですね」

外の視点を持ちながら、内なる当事者として、グループのあるべき姿を模索する。持ち前の柔軟さやバランス感覚を武器に、青柳は人事・組織領域の専門家として、さらなるキャリアを歩んでいきます。

※ 記載内容は2024年4月時点のものです