「スミソニアン博物館が歴史を歪曲」トランプ大統領、展示排除を命令

ワシントン=高野遼
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 トランプ米大統領は27日、首都ワシントンなどにあるスミソニアン博物館の展示が、米国や西洋の価値観は本質的に有害で抑圧的なものとして描かれているとし、「不適切なイデオロギー」の排除を命じる大統領令に署名した。人種差別の歴史や、白人文化の表現などをめぐる歴史観の不一致が原因だとしている。

 大統領令は、スミソニアン博物館の展示がバイデン前政権によって「虚偽の歴史観で汚染された」と指摘し、こうした不適切なイデオロギーを博物館から排除するように命じた。また、過去4年間に「歴史の歪曲(わいきょく)やイデオロギー的な影響」によって撤去された記念碑や銅像などの復元にも取り組むという。

 トランプ氏はかねて、人種差別などの過去を反省すべきものとして批判的に捉える近年のリベラルな歴史観に、反発を示してきた。

 今回の大統領令でも具体例として、▽米国が「人種を利用して権力システムを確立してきた」とする説明▽女性スポーツに参加した男性の功績をたたえること――などが問題だと批判している。ここでの「男性」は、性自認が女性のトランスジェンダーを指すとみられる。

 スミソニアン博物館のあるべき姿については、「人々が学ぶために訪れる場所であるべきであり、イデオロギー的な洗脳や、人々を分断する物語によって歴史がゆがめられる場であってはならない」と述べた。

 スミソニアン協会は連邦政府からも資金を受け取り、ワシントンを中心に、21の美術館や博物館と、国立動物園を運営している。来場者は年間1500万人を超える。理事会のメンバーには副大統領が名を連ねており、トランプ氏はバンス副大統領らに対し、大統領令の履行を求めている。

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この記事を書いた人
高野遼
アメリカ総局
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国際ニュース
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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2025年3月29日13時50分 投稿
    【視点】

    強固なトランプ支持を支える1つの核が、スミソニアン博物館の事例に顕著に示された「反DEI(多様性、公平性、包摂性)」政策だ。トランプは、「アメリカに製造業を取り戻す」というノスタルジーに駆られた無謀な関税政策を遂行し、庶民の生活を痛めつけて

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