至高の供物
3ヶ月。
あの日からぴったり3ヶ月後、シュヴァインはヘクターの前に現れた。
「おまえにお客だぞ」
厨房に続く扉から顔を出したこの酒場兼宿屋の主人・ザムジーニが庭先で建物を背に日課の芋の皮むきをしていた小さな使用人に意味ありげに笑って見せ、作業を止めて顔を上げたヘクター少年の表情はみるみる綻んでいった。
名前を告げられなくても客とは誰なのかわかったからだ。彼を訪れる者も他には思い付かなかった。
シュヴァインが交換条件で呑んだ外出禁止期間の終了を指折り数えていたのはなにもシュヴァインだけではないのだ。
壮年の大男の後ろからひょいと姿を見せた者は、見間違いようはないーーー髪が少し延びた所為か、前より綺麗になったと思わせるーーーシュヴァインはとても嬉しそうに笑っていたから自分もきっと恥ずかしいほどにでれでれな顔をしていたのだろう、とヘクターは思った。

「だって、かなり下手だもん、おまえ」
くくくっとヘクターは笑う。
通りを並んで歩きながらシュヴァインは心底悔しそうに唇を噛む。
「・・・簡単そうに剥いているから・・・あんなに上手く行かないとは思わなかった・・・」
「あ?俺は前から料理とかしていたよ。父さんが身体壊して母さんが畑で働くようになってから夕ご飯の支度は俺の仕事だったもん。・・・だけどその頃だっておまえよりかずっと上手かったぞ?」
芋の皮むきの話だった。
宿屋兼食堂で働くヘクターの仕事は昼間の店内の掃除や料理の材料の下ごしらえ、店が忙しくなれば料理運びが主だった。手間のかかる芋や玉葱などの野菜を洗い皮を剥き、刻むーーー事は一家族の食事分ではない大鍋で作られる料理に使われる材料は桶何杯分という分量だった。
「今日は特別だな。芋一杯済ませれば遊びに行っていいぞ」
ザムジーニの配慮に、二人でかかればさらに短時間で終わると考えるのは当然のことで、シュヴァインもヘクターに並んで座り手伝うことにした。
しかしその結果、仕上がりを確認したザムジーニは角張って一回りサイズの小さい芋をつまみ上げて重々しくシュヴァインに告げたのだ。
「練習してからおいで。でなけりゃあ、手伝いだろうとうちの売りもんにゃあ触るのは禁止だ」
不器用だと決めつけられて腹が立つが、いくら否定の言葉を並べても意味のないことをわかっているシュヴァインは反駁することはせず、口を閉ざした。
「芋の皮むきなんて、誰の経験の中にもないよ・・・モンスターの“みじん切り”はあってもね・・・」
ザムジーニが去って、一人ごちた言葉を聞きつけて
「そりゃあ、そうだろうけどさ、じゃあ、気にすんなよっ!」
と言いながら、ヘクターは側で面白そうに笑い続けてーーー。
これからも時々、会ってヘクターと遊ぶためにシュヴァインにとって芋の皮むきは新たな課題となった。

芋の皮むきを終えて、それでも約束通りザムジーニはヘクターを自由時間にしてくれていた。
今日はこれから、夕方店の忙しくなる時間までゆっくり遊ぶことが出来る。
酒場で住み込みで働くようになって部屋代、食事代を差し引かれ決して多くはなかったがきちっと手当を貰っていたヘクターはほとんどを使うことなく残してきたため懐は以前よりずっと暖かかった。
だから今日はにぎやかな屋台や出店が所狭しと並ぶ市外に近い新興街地区まで足を伸ばそうと決めた。
新しい街は活気に満ちていた。
小さな店がひしめき合いさまざまな商品が並び、品物の産地に応じて各地の民族服を纏った者が往来し、ときには異種族モール達の姿もあった。手先の器用な彼らの作った装飾品は決まってどこでも大人気だった。
人混みを歩き、店店を見物して廻った疲れを感じる頃になるとちょうど昼食時だった。空腹を覚えたヘクターは通りの端に手頃な串肉の屋台を見つけると、行こう、と指を差した。
しかし、その腕は強い力で引っ張り下ろされることになる。
シュヴァインだった。そのまま腕を掴んでシュヴァインは歩き出していた。
「おい・・・どうしたんだよ?」
どんどん屋台は遠ざかって人の流れの向こうに消えた。引きずられるように歩きながらヘクターは小さく訊ねていた。
シュヴァインが顔を会わして問題になりそうな貴族などは、勿論、アバロンの役人風の者の姿もどこにもなかったはずだ。屋台の近くに居た者といえば、若いカップルと、揃って似たような質素な服を着た痩せた男たちの4、5人の集団だけだった。
精彩のない表情の中で目つきだけはとても鋭く独特な雰囲気を持つ者たちだったが、シュヴァインに顔色を無くさせるほどの存在にも思えなかった。
「男たちの腕を見ませんでしたか?」
歩を休めることなく、シュヴァインは早口に言う。
「あんなに堂々と市内の中にいて、腕輪を晒すなんて見上げた精神だ・・・」
男たちの腕、腕輪を見たかと問われれば、返事は“はい”だった。
男たちは揃いの黒い腕輪を巻いていた。細い輪っかを何連か束ねるデザインのものだ。
はじめて目にしたその腕輪も、強い焦燥感を秘めるシュヴァインの声音の意味もヘクターにはわけがわからなかった。しかし、シュヴァインが嫌がるものなら、今すべきことは少しでも離れることだろう。
立ち止まってしまった友人を訝しげに振り返ったシュヴァインの手をヘクターは掴みなおすと今度は二人で走り出した。

「聞いてもいいか?・・・さっきの腕輪の男たちだけどなに、そんなにヤバイのか?」
いつもの川岸に出ていた。
途中、食べ慣れた焼き菓子を二つ買って二人は慣れた静かな場所に落ち着いていた。
もう少し土手を下りると、釣り糸を緩い流れを湛える川面に垂れる老人が一人背を丸めている。辺りの人影はそれだけだった。
「ヤバイって言うか・・・」
少し言いよどんだ後
「思想が異なる人たちなんです。でも間違っているわけではない、ただ今では少数派で、かつて主流だった信念を今でも貫いて生きている、というか・・・」
「俺にもわかりやすくさ、簡単に言ってよ」
唇を歪めたヘクターに、シュヴァインははぁと息を一つ吐いた。

「ひっそり続いている七英雄信仰徒の中でも特に過激な一派“イーラ”の印がさっきの黒い七連の腕輪です」
「邪教徒っ!」
驚きと嫌悪感の激しい言葉になぜかシュヴァインは慌てた。
「七英雄信仰徒は異教徒ですが、今のバレンヌでは邪教扱いはしていませんよ。彼らの思想の自由を認めている、表だった派手な祭典などはさすがに禁じていますが・・・」
「なんでおまえが、肩持つの?」
不思議そうに言われてシュヴァインは考えた後、わかりませんと答えた。
「で、邪教・・・じゃなくて七英雄信仰徒のなかでもさっきの奴らは過激でアブナイんでしょ、逃げるほど?やっぱり邪教じゃん・・・」
「・・・一般の人には無害です」
意味深な言葉でシュヴァインの説明が止まった。
こういうときはシュヴァインは根底にある何かを隠そうとしていることをヘクターは過去の経験で学んでいた。
それをどうやって引きずり出すか、思案を巡らすヘクターにシュヴァインは、穏やかに笑顔を見せた。
「そんな難しい顔をして考え込まなくても話しますよ」

イーラは七英雄信仰徒のなかでもより敬虔な一派と言ってもいい。
そうシュヴァインは口火を切った。
かつて人々を、世界を護った七人の英雄、しかし再び世界に現れた彼らはまったく別の存在になっていた。再びの救済を求めた人々の願いは聞き入れられないどころか、彼ら自身がモンスターを操り、世界を苦しめる脅威になってしまった。
裏切られた人々は悲しみ傷ついて、また激しい怒りと共に七英雄信仰の時代は終焉を迎えたのだが、一部の者はそれでも信じ続けた、今なお信じ続けているのだ。
「無理だよ、そんなの。どう信じるんだよ?」
ヘクターの疑問は尤もだった。
ヘクターより頭半分小さいシュヴァインが、教師のような穏やかな口調で質問の答えを出す。
「だから、ねーーー」
一見非道な七英雄の態度には、知らされないだけで理由があるはず、そう考える者が現れても不思議はない。
ああ、もしかして人は、世界は、自覚のないまま何らかの罪を犯しているのかもしれない。
愚かな悪を孕む世界に、七英雄は怒りを覚え、否、怒りではなく深い慈愛の心で罰を与えているのではないか!?
大人が悪戯を働いた子供に反省を促すために食事抜きなどの、罰を与えるように。
でも己の過ちに一向に気付かない世界、愚かな人々。だから、罰は終わることなく今なお続いているーーー。
自分で気づけないのなら、その愚かしさを含めて許しを求めるしかないのだろう。
「“怒りを収めていただき、昔のような慈悲と庇護の御心を取り戻していただくためにはそれなりの困難が待ち受けようとも私達は決して諦めはしない”ーーーだから、お願いです、どうか私達をお許しください・・・という考え方、理解は出来るでしょ?」
困った顔をしたヘクターに、くすりとシュヴァインは笑った。
「でもここから先に、少し問題があるかもしれない。彼ら、イーラは祈りを捧げるだけではなく、もっと行動力のある集団だった。具体的に怒りを抑えてもらうために、機嫌を取るためにどうすればいいか考える。すると、“贈り物をしよう”となる」
七英雄たちに、数千年と続いてしまった負の時間をも埋めるような素晴らしい贈り物を!
悔い改めるどころか、罪を重ねて六人の英雄たちに傷を負わしてしまった今、もうこの時を逃したら許される機会は永遠に失われるだろう。
復活の時までに許されなかったら、今度こそ本当の鉄槌が下されてしまうことになるだろう。
イーラは人々の罪を贖うに相応しいモノの目星をつけている。
「それをね、彼らは“至高の供物”って言っている。クモツーーー“お供え物”ね。でも、アバロンはそれを供えることは許さない」
「なんで?」
シュヴァインは悪戯っ子のようににんまりとして、声は一段と潜められた。
「向こうが“至高の供物”だったら、アバロンは“至高の宝物”って呼んでいるの。“それ”はさ、バレンヌ帝国の中枢アバロンが管理しているモノだから勝手にお供えに、と言われてもアバロンも困るわけ。砂の海から一粒を探すような望みの薄い希望にすがって、提供してみた結果、無駄に失った・・・そんなことになるのを嫌がっているのーーー」
内緒話が終わってシュヴァインはゆっくりと身体を起こすと背を正した。「・・・ねえ、ヘクターはこれ、どう思う?」

アバロンの考え方、ダメなのかな?
とシュヴァインが聞く。
それまで何一つ断定することなく、ふわふわと話をしてきて、ここにきて執拗にヘクターの意見を求めていた。
今聞きかじっただけの帝国の方針に意見を述べるのはヘクターにとって、シュヴァインの話以上に現実味のないことだった。
「ダメって・・・いうか」
一生懸命考えて、思ったことだった。
「そんな宝物を普通、はいはいって差し出さないよ・・・。勿体ないっていうか、違うな・・・そうじゃなくて、言いたいことはわかっても無理なだから、今更その凄い宝物をお供えしても七英雄は変わらない気がする・・・そんな簡単に世界も変わらないよ」
子供っぽいと笑わないかとそっと顔色を窺いながら
「だから俺も、それが俺のモノだったら渡さないと思うよ。っていうか、渡せない俺のモノだったら、死守するね!」
「良かった!同じ意見だ!!」
びっくりするほど弾んだ声と、首に飛び付かれるように抱きすくめられての喜ばれように、ヘクターはどぎまきと色々な意味で動揺することになった。
過剰なほどの反応は、実は己の幼稚な言葉に対する皮肉なのだろうか、とはじめは硬直していたし、そのうちぎゅうぎゅう存外に強い力に抱きしめられているとシュヴァインの髪とすべすべな肌の感触を頬に感じるとなぜか切なさが込み上げて、なにがなんだかわからなくなったからだ。

このとき自分はどうしてもう少し注意深く在れなかったのか。
ヘクター少年のなかで深い後悔の念と共に思い出さなくてはならない甘酸っぱい出来事の一つになった。

それから、しばらく老人の釣りを二人で眺めていた。
大物が食いつくんじゃないか、という期待はすぐに飽きて無くなり、時々水面から跳ねる生意気魚を直接捕まえてやれ、という意見にシュヴァインも盛り上がった。
川に入って水遊びをして二人は、子供を満喫した。
すぐ側で川に入り騒ぎだした子供に魚を追い払われて老人は渋い顔をしていたが何も言わずに、釣りを切り上げて去っていった。
シュヴァインは浅瀬で下衣を腿まで捲りあげて足を晒しただけだったが、ヘクターは下着姿になり泳いで遊んだため、時間になりシュヴァインと別れて宿屋にもどり夕食の稼ぎ時を終えたときにはへとへとに疲れ込んでいた。

ベッドに入るなり眠りにおち、喉が渇いて起きあがったのはしっとりと冷え込んだ夜更けだった。
水を飲もうと向かった厨房にはまだ明かりが灯されていた。
部屋からは明かりと共に聞き慣れた男の声も零れていた。
ヴァラン、アバロンに籍を置くフリーファイターで、唯一のシュヴァインと共通の知人だった。
“おやっさん”とザムジーニを慕う戦士はときどき遊びに来ては一緒に遅くまで酒を呑んでいた。
「・・・特に最近だ。奴らの行動が活発化してきてる。ったくなにが“至高の供物”だ、こんなことじゃあそのうち、俺は街中で“バーサカー”(狂戦士化)するぜ。そんときはおやっさんよろしく。そんじょそこらの奴には俺は手に余るからさ?」
カラカラと陽気に笑う男の言葉の中に、今日知ったばかりの言葉があった。
開けっ放しだった扉を潜ったヘクターは一眠りして、少し考えが変わった事柄を彼らに話していた。
確かに凄い宝かもしれないけれど、それでもしかして世界が救われる可能性があるのなら、限りなくゼロに近くてもゼロではないのだったら賭けてみてもいいのかもしれない。
お供えで七英雄の怒りがおさまって平和がやってきたら、それはもうシュヴァインが戦わなくても良いっていうことなのだから。
それは宝物を賭けるに値する素晴らしい事態ではないか!
「“至高の供物”、お供えしてみるのもいいよね、それでもしかして平和になったらさ、シュヴァーーー」
ヴァランはくるりと振り返りざまに拳を振るって自分は殴られたのだとヘクターが理解したのは、吹っ飛び棚にぶつかり、棚の上から落ちてきた物の中に埋まってからだった。
背中と顎が痺れるように痛い。口の中は濃い血の味した。
頭がぐらぐらして動けないヘクターをザムジーニは立たせて様子を視た後、ヴァランを一喝した。
「子供相手に拳を握るような真似をするような半人前は二度と酒を呑むな。ここにも顔を出すなっ!」
「・・・すまねえ、ザムジーニ・・・気をつける、もうしないよう努力する。・・・だが、そいつがあんまり巫山戯たこというからっーーー」
叱られて子供のように言い募ろうとした戦士を
「謝る相手が違うだろ」
ザムジーニは冷ややかに遮った。
「・・・小僧、すまなかったな。俺はパワーだけじゃなくスピードも売りのタイプでな」
謝りながらヴァランは胸を聳やかせた。
ズキズキと熱を増した痛みに顔を顰めながら壮絶に睨みつけるヘクターがそれでは納得できないことは明らかだった。
「なんで殴ったのか言えよ!!」
「断る。口に出しているとさらに切れるぞ。・・・おやっさん、頼むよ・・・」
頭を冷やしてくると勝手口からヴァランはさっさと外に出ていってしまった。
ザムジーニはヘクターを椅子に座らせると、濡れタオルを手渡し、自分もテーブルに着いた。
「“至高の供物”。えらい言葉を知っていたな」
男は正面からヘクターを見つめた。
「今日、聞いたんだ、シュヴァインからね」
不機嫌なままぶっきらぼうに答えた。
「それがどういう物なのか聞かなかったみたいだな」
「アバロンが管理する宝物だって聞いたよ」
「具体的にどういったものだとおまえは想像した?」
「・・・そんなの知らないよ!とにかく凄い俺なんか絶対一生見ることないようなお宝なんだろ!?」
飲みかけで注いであった酒を一口呑んだあとに、ザムジーニは静かに言った。
「半分合ってるが、半分が違う。奴らが“至高の供物”といい、供えようと躍起になっているのはおまえの知っているものだーーーあの小さな皇帝陛下さまさ」

驚いていた。
なんだって・・・供える、シュヴァインを?
イーラは、許しを請い怒りを収めてもらうためにシュヴァインを捧げる?
彼らが狙っているのは・・・シュヴァインの、命ーーー。

「俺・・・聞かれたよ、どう思うかって。俺ずっと宝石いっぱいの宝だと思っていたし・・・良かった・・・ヴァランで。シュヴァインに“賭けて供えてみるといい”って言わなくて・・・」
声だけでなく、ヘクターの身体はがたがたと震えていた。
知らなかったらからでは、すまないだろう。
知らないことを知っていて、シュヴァインはヘクターに意見を求めていたのだから。
怖いと思った。
イーラ、邪教徒という言葉は違うとシュヴァインは言ったが間違いなく、邪教徒だと思った。
皇帝の命を七英雄に捧げようとする集団。
はじめて会ったとき、シュヴァインは抜き身の剣を持った歪んだ笑いを刻む物騒な男に追いつめられていた。
アバロンの中で彼らは平気で歩き回っていて、シュヴァインを狙っている!
冗談じゃなかった。
「ミルクだ。飲んでもう寝ろ」
温かいミルクを喉に流し込んで、ヘクターはふらふらと屋根裏の彼の部屋に戻っていった。
「冗談じゃないよ・・・そんな」
真っ暗な部屋のベッドに潜り込んでヘクターは呟いていた。
「あいつも、冗談じゃないよぉ!!」
イーラも怖いと思ったが、それと同じほどシュヴァインのことが怖いと思った。
シュヴァインはヘクターが知らないことを良いことに、色々試すようなことをする。公平で一般的な意見が聞きたいのかもしれないが、意見を間違えたなら自分はあいつを酷く傷つけることになるのだ。シュヴァインが持ち出してくる疑問は彼にとってせっぱ詰まって一人悩み倦ねているものだという気がするから。
今回、あいつは“自分は本当は供物になったほうがいいのだろうか”と聞きたかったのだ。
馬鹿だ。
そんなこと聞く必要ない。悩む必要さえない。生きていたいから供物はご免だ、それでいいのに、シュヴァインは馬鹿で優しすぎる、責任感が強すぎて、皇帝にならなくいけないのに、狙われてーーーそんなの悲しすぎて!!
もし、なったほうが良いよ、なんて言ったなら、きっと生け贄になることを真剣に考えて・・・あいつだったら身を投じてしまうような気がしてヘクターは身震いした。

今度会うときは自分も密かに武器を持って、彼を敵から護ろうと思った。
そして、もう一つもう馬鹿なこと考えるな、と叱りつけてやるとヘクターは強く心に決めた。
20130716改
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