国債売却、1.5億円の損失確定 宗像市「全体では利益」
福岡県宗像市が基金で購入した国債をめぐり、市が2020~21年に一部を購入額より低い価格で売却し、計約1億5300万円の損失を確定させていたことがわかった。伊豆美沙子市長は2月の定例会見で「満期保有を前提にしている」「損切りはしていない」と説明していた。
市の債券運用基準では、額面が保証される満期保有を前提に購入することを原則としている。会計管理者が認めた場合は売却できるが、「投資元本を上回る価格で売却しなければならない」と定めている。
同市会計課によると、利率のより高いものに載せ替えるため、黒字になるほかの国債と同時に売却したといい、「全体では利益を出している。市の債券運用基準には反していない」としている。
市は現在、2019~21年度に約152億円かけて購入した長期国債を保有。日銀の金利政策転換により時価が下落し、今月初旬時点で約46億円の「含み損」が生じている。市は朝日新聞の取材に、保有する国債の購入額を約157億円と回答していたが、152億円に修正した。
地方自治法は自治体の基金について「確実かつ効率的に運用しなければならない」と定めている。総務省の担当者は、運用や公表方法は各自治体の判断によるとした上で、「既存の財産を損ねる場合は、説明責任を果たす必要があるのではないか」としている。
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