Taj 多事
Taj 多事
2008
今日は、ここ27JBGHで過ごす最後の日だ。明日の朝9時半に迎えがくるはずなので、今日中に荷造りをしなおさないといけない。まだクーラーが直っていないので少々暑いのであるが、こんな快適な部屋で過ごすこともそうはできないだろうから、今日は一日ここで本を読んだり仕事をしたりしよう。
月曜には、FRROに行って外国人登録をしてこよう。TERIに新たに出してもらった書類以外はファイルで持っているので、Defence Colonyに移ってから持参したプリンタで印刷すれば準備OKと思っていたが、紙がないことに気づく。Munnaにお願いして、A4用紙を3枚もらう。あってよかった。Munnaが、”I’m sorry for this inconvenience”といってクーラーのカバーを開ける。フィルターが埃だらけ。これが原因じゃないの?フィルターをはずして誰かに洗うように指示している。でもちがった...
Munnaが部屋の掃除にきたときに、ここで昼食を取れるか聞いてみた。”Why not!” マーケットのレストランから買ってくるらしい。300Rs(¥675、10/3の為替レートで¥2.25/1Rs)よこせという、お使い代を含めてもえらく高いのだが、ホテルで食べることを考えたらそうでもないだろう。しかし、買ってきた量を見て唖然。これなら駄賃を含めて300Rsはするかもしれない。写真上の上段右は、チャジャと言っていたが豆のカレー。左は、プラーオ(Pulao)で、インド風チャーハンだ。このプラーオの器は、直径が15cmほどで深さが8cmぐらいある。結構な量だ。カレーの器も、直径10cm程度で深さは5cmぐらいだ。下段左は、タンドリーチキンで、5、6かけ盛ってある。右は、生野菜で、見えにくいが、した方にビニール袋にはいった赤と緑のドレッシング、いやはっきり言って唐辛子のソース。野菜の中には、青唐辛子もそのまま入っている。上段一番左に見えるのは、好みでプラーオやチキンにつける青唐辛子ベースのソース。写真下は、プーリー(Puri)という油で揚げたパン。1個の直径は20cmちかくある。
味はどれも美味い。お世辞ではなく、どこで食べてもインド料理は、美味いと思う。カレーの味は、どこでたべても違うし、よくこれだけ多様性があると感心する。ただプーリーは1個で十分だ。インド料理は、総じて油っこいのであるが、直に油で揚げてあるプーリーはなおさらだ。タンドリーチキンは、逆にさっぱりしていて、全部たいらげた。こちらに来て、少々控えめな食事をしていたせいで、胃が小さくなったのか、さすがに全部を食べきることはできなかった。プラーオ1/3ぐらいとプーリー1個を残してしまった。久しぶりにお腹パンパンだ。こういう食事を昼夜繰り返していれば、間違いなくDiabetesまっしぐらだろうな。
食べている途中に、セナさんから電話がった。夕方に会いに来てくれるという。
夕方5時前に、ようやくクーラーの技術者が二人やってきた。リモコンで不調であることを確認して、外へ出て行った。おそらく室外機に原因があったのだろう。15分ほどの作業でクーラーは復活した。涼しい、涼しい。この部屋のクーラの風量は、最小でも相当に強く、20分をつけっぱなしにしておくと寒くなってくる。こんなとき、クーラーを切って、天上の扇風機だけにしておくと丁度よい。Munnaは、今年は異常だと言っていた。この時期には、流石のNew Delhiでもこんなに暑くないらしい。セナさんも小生が来る前までは、クーラーがいらないほど涼しかったけど、急にぶり返したと言っていた。世界中で異常気象が生じているようだ。
6時過ぎにセナさんがやって来た。部屋に入ってもらって30分ほど話をした。前回お会いしたことは忘れていたらしいけど、慶應のWebを見て小生の情報を仕入れてきたそうだ。明日で日本に帰るものと思っていたらしく、あと1年いることを告げるとさすがに驚いていた。家族が来印したときに北インドを旅行したいので、そのときもよろしくお願いしますと言っておいた。セナさんの年齢は、なんと小生のひつ上だそうな。時間があればいつでも付き合うので、飲みに行きましょうと言っていただいた。インドで飲みに行くというのはどういうのか、大変興味がある。
テーブルの上に置いてあった『地球の歩き方』を見て大変憤っておられた。情報がいいかげんだし、セナさんの携帯電話の番号まで許可なく載せられてしまって大いに迷惑したそうである。日本の旅行者にとっては、貴重な情報源であることにちがいないのだが、少々がっかりである。『Lonely Planet』の日本語版が出ていることは、ご存知なかったようだったが、こちらの方が明らかに信頼度は高いとのこと。ただ日本語版は、情報が遅れるので、原本を買っておこうか。確かに現地の人間は、旅行書を読まないものだと思う。こうして現地の方に情報をもらえるとありがたい。
それはそうとセナさんは、自宅でB & Bをやっているそうだ。1年居るのなら安くできますよと、誘惑されそうなことをおしゃっていた。ただTERIまでRickshawで30分はかかるとのことで、ちょっと遠い。とりあえず1、2ヶ月は、Defence Colonyで過ごしてみて、場合によってはセナさんに相談してみよう。
今日は、昨日届いた段ボールから本をごそごそと取り出して、一日中読書。こんなことができるなんて、本当に贅沢だ。感謝、感謝。何冊かを拾い読みしていたが、藤谷 健『資源の科学的理解』(渓水社、平成10年2月1日)を読了。水資源、大気資源、化石エネルギー資源、核エネルギー資源、森林資源、植物・動物資源が現在の生活に供される生産物を生産するためにどのようなプロセスで変換されていくのかを化学の視点から書かれた書物である。すべての化学式が理解できたわけではないが、その内容は化学の素養がないものでも十分に理解できる。産業連関のことばでいうならば、経済財の素原材料系統を資源にまで遡って網羅的にかつ科学的に解説されているので、インドの環境分析用産業連関表を作成する前に読んでおいて頭の整理になった。いくらインドでも錬金術士はいないはずなので、この書物に書かれている素原材料系統は、経済データの中でも成り立っていなければならない。過去の経験によると、インドの産業連関表は、このあたりが少々怪しい。
たとえ文科系の学生であろうとも、資源問題、環境問題を扱うからには最低でもこの書物に書かれている程度の科学的理解を持ってほしいと、 筆者も序文でいっておられるが、まったくその通りだと思う。物質や生産工程の科学的理解なくして、いくら高度な数学を駆使して経済モデルなるものを描いてみても、本質には辿り着けないのは間違いない。大学受験のために高校時代の科目を選択するのではなく、どの分野に進もうが、高校生までに学習するあらゆる科目の知識が、これからの世界を考えるために必要であることを、きちんと示していかないといけない。
27JBGHでランチ
08/10/04