東洋大学「年内入試」見直しへ 学力試験に調査書など追加
東洋大学は28日、入試に関する報道機関向けの説明会を開き、2024年12月に初めて実施した「学校推薦入試基礎学力テスト型」について26年度入学者向けの入試から形式を一部見直す方針を明らかにした。2教科のテストに加えて、調査書の提出を求めるなどし、多面的に評価する。
学校推薦型は総合型とともに「年内入試」と呼ばれ、人物重視で評価することを主眼とする。東洋大の入試に対しては、高校側が「一般選抜の事実上の前倒しではないか」と反発。文部科学省から見直しを指導されていた。
東洋大によると、24年に初実施した基礎学力テスト型は英語と国語または数学の2教科の試験を実施。校長の推薦書は必要だが、生徒と校長の氏名を書くのみで成績評価は不要。小論文や面接も不要で、約2万人の志願者を集めた。
26年度からは学校推薦型から総合型に変更する。2教科の学力試験と、調査書やその他の方法を組み合わせて評価する方向で検討しているとした。
加藤建二入試部長は説明会で、24年の入試について「年内入試でも基礎学力をきちんと担保したいという考えだった」とも説明した。具体的な評価方法は6月ごろに公表を予定する。
東洋大の入試を契機の一つとして、高校と大学の関係者からなる「大学入学者選抜協議会」は年内入試のルール見直しに向けた協議を始めている。
同協議会が毎年まとめる「大学入学者選抜実施要項」は現在、年内入試で学力をみる場合、1月の大学入学共通テストを利用するか、2月1日以降に個別学力試験を実施するよう定めている。
協議会は「多面的・総合的に評価する」との原則に立ち戻り、面接や小論文など2種類以上の評価方法を組み合わせて丁寧に選抜するとしたうえで、評価方法の一つとして年内に学力試験を実施することも認める方向だ。