「遅くなってすいません神ニョルズ様」
「いや別に構わないよアイク」
ニョルズは手慣れた様子でお茶を入れるとアイクの前に出す
「どうだいアイクお茶の味は?」
「美味しいですニョルズ様」
アイクはニョルズの方を向くと真剣な表情をする
「一つ相談がある……アイク……ウチのファミリアの団員についてだ」
ニョルズファミリアは主に漁師達で結成されたファミリアでオラリアの大半は魚はニョルズファミリアで占めているその為豊穣の女主人も良く購入している
「実はなウチのファミリアにクロエ•ロロ猫人が居るんだがその娘を裏家業から足を洗わせたい」
ニョルズの相談にアイクは眉が動く
「何故……それを私に?」
「あぁクロエは少し特殊でね幼少期の頃から暗殺ファミリアで育てられたせいか友人が愚か親しい仲間も居ないんだ……だからかな……どうも見捨てられない……それに」
「それに?」
「クロエに会うたび疲れているようだった……それに会うたびに魂がやつれているのを見ると放って置けなくてな、だから助けてやってくれないか?」
神ニョルズは密輸をしている事は知っているが特に気にしていない下手に介入すると新たな密輸が増え品質がいい魚とは言えないそれにそれに密輸品はオラリアも守る事だった為にアイクは静観を決めたそれに密輸品は貧民の手に伸びて人々を助ける事に繋がると確信していた
「分かりましたではさっそく、クロエさんの特徴を教えてくれませんか?」
「あぁ」
神ニョルズから黒猫クロエ•ロロの話と特徴を聞そして【黒猫】の名前を聞き少し悩むがその後店をニョルズ様と扉を出ると
「ニャ?話終わったかニャ?」
「はいアーニャさんちょとした依頼でしたので」
「ならミャーもその依頼手伝うニャ」
神ニョルズ様とアイクはアーニャの発言に困り始める
「だ…大丈夫ですよアーニャさん神ニョルズ様から私のクエストですし……」
「遠慮する必要無いニャ♪ミャーに任せておくニャ」
アーニャの自信満々な顔にアイクは神ニョルズにしか聞こえない声で会話する
「…………何かすいません」
「いや別に構わないが……何とかできるのか?」
「…………何とかするしか無いですよニョルズ様」
アイクは身体の疲れが出ると
「では神ニョルズ様依頼のクエストはこちらで何とかしてみます」
「あぁ頼むぜ俺の所の子供達だとクロエを救う事が出来ないからな」
「分かりましたニョルズ様できる限り何とかして見ますよ」
「頼むぜアイク」
アイクは頭を下げアーニャを連れ神ニョルズの元から去るとアイクの背中を見る
「アルテミスが残したオラリア最後の天秤……か」
神ニョルズはアイクの生い立ちを知っている数少ない神そして
「それとも闇派閥が…………」
ニョルズは何かを言おうとするが止める
「いや違うなアイクはアイクだ他の誰でも無い」
神ニョルズはそう言うと1人自分のホームに向かう
ーーーーーーーーーーーーーー
「次はどこ行くのニャアイク?」
「次は神デメテル様の所ですアーニャさん」
「んにゃ……ちょと疲れたニャ……少しお茶するニャ」
アーニャはそう言うと近場の喫茶店を見つけるとアイクの手を引っ張り喫茶店に入る
「ちょとアーニャさん引っ張らないで下さいそして勝手に店に入らないで下さい!」
アイクは突然店の中に入ると乱れた服装を整えていると1人の女神が近づく
「あらアイク集合場所じゃあ無いのに会うなんて凄い偶然ね」
「神デメテル様!」
「神デメテル様ニャ」
アイクは場所と時間が違うのに神デメテルに会いお互いに驚く
「まぁいいわ少し速いけど良いかしら?ちょと相談があるのだけど」
「分かりました……アーニャさん少し良いですか?」
「何にゃ?」
「これから神デメテル様と話をします」
「ならミャーも聞くニャ♪」
「いえアーニャさんには『サイジュウヨウニンム』があります」
「ウッニャ!?……『サイジュウヨウニンム?』……それって何ニャ?」
アーニャは聞き慣れない言葉だがアイクの話方でとても重要な物だとは理解した
「はい『サイジュウヨウニンム』は選ばれた人間つまり最高ランク級冒険者で無ければ出来ないクエストです」
「選ばれた……最高ランクの冒険者……ニャ」
「つまりレベル4以上の冒険者で無ければつけないクエストです」
「オオー良く分からないけど凄そうニャ」
「はいそのクエストの内容は秘密の話をする時周囲の人間に絶対に聞かれては行けません今それが出来るのはアーニャしか居ません……この場にはアーニャさんだけなのですお願い出来ませんか?」
「任せるニャその『サイジュウヨウニンム』を完璧にこなして見せるニャ!」
アーニャはそう言うと神デメテル様から少し距離を取り空いてる席に座り周囲を監視するとアイクは少し安堵する
「アイク何だか大変そうね」
「絶対面白がってますよね神デメテル様」
「フフそんな事無いわ」
(絶対面白がってる)
アイクは何故面白がっているのか良く分からなかったがこのままだとまずいと考え話を切り替える
「所で神デメテル様用件は何ですか?」
「あら露骨に話題をそらすのね」
神デメテル様は少し残念そうにするが真剣な表情をする
「アイク貴方に私の子供を救って欲しいのよ」
神デメテルは似顔絵を書いてある羊皮紙を見せる
「彼女がどうかしたのですか?」
「この子の名前はルノア・ファウストあとはそうね……【黒拳】て言えば良いかしら」
その言葉にアイクは止まるまさか神様達の依頼で助けて欲しい人間が【黒猫】に続き【黒拳】1人は暗殺ほぼ100パーセントと賞金稼ぎで有名な人間どちらも第2級冒険者と言われる程の実力者だった
「…………」
アイクは黙り込んでしまう
「どうしたのアイク?」
神デメテルはアイクの黙り込んで不思議そうにする
「もしかして無理だったかしら?」
「えっいや無理じゃあ無いです……出来なくないです……ただ少し……いえ結構大変ですけど何とか出来ると思います」
アイクは正直に答えつつ考える
「そう……もし無理だと思ったら直ぐに手を引いて構わないから」
「分かりましたその際はすいませんが直ぐに手を引かせて貰います神デメテル様」
「じゃあちょとしたお礼の代わりにここの支払い私がしておくね彼女の分も」
神デメテルは指を指しその方向を見ると
「アーニャさん……」
そこには明らかに高そうなデザートを食べているアーニャの姿だった
「…………ありがとうございます神デメテル様」
「じゃあアイク後はお願いね」
神デメテルはそう言うと席を立ち会計をする
「…………」
アイクは席を立ちアーニャの後ろに立つ
「アーニャさん?」
その言葉を聞いたアーニャは後ろを振り向く
「ニャ!……まっ……待つニャアイク……これには訳が」
アーニャはアイクの顔を見ると慌て始め目を反らしたながら
「訳が……」
アイクはアーニャの言い訳を聞かず自身の身長より高いアーニャの頭を拳骨した
「痛いニャーー!」
アーニャは頭を抑えアイクは笑顔のまま
「アーニャさん……別に食べるなとは言いませんですが値段を見てから食べて下さい……このアホ猫」
「ゴメンニャ」
アーニャは謝るとアイクはため息をした
「アーニャさん……少し速いですが酒場に戻りましょ」
「なっ何でニャ!!」
「少し調べたい事がありますので、あまり時間を取られたくないのでちょとした伝を使いので少し下準備をします」
「えっじゃあ買い物はどうするニャ!」
「行きませんアーニャさん諦めて下さいそれに……」
「?」
「少し嫌な味がしますので真っ直ぐ帰りましょ……」
「…………わかったニャ真っ直ぐ帰るニャ」
アーニャは知っているシルが良く人を助ける為に酒場に連れてくる時よくアイクが治療をするがそのせいか分からないがアイクの舌が嫌な味がする時いつも嫌なトラブルが起きる時だった
「全くオミャーの舌が嫌な味がした時は大抵ろくなことにならないニャちなみにどれぐらいニャ?」
「……少し苦味がある位ですね強いて言えばミアさんがアーニャさんを本気で拳骨される位ですね」
「んにゃ!?ミア母さんがミャーが本気で殴られるニャ!?」
「はい……」
「そんなの嫌ニャー!!アイクどうにかするニャ!」
「…………アーニャさんしいて言えばです絶対とは言いませんので必ずしも拳骨される…………いえダメですねアーニャさん諦めて下さい」
「何でニャー!?」
「簡単ですよアーニャさん……仕事をサボってミアさんから怒られますので結局拳骨されますそれともアーニャさん仕事サボりませんか?」
「さっ……サボらないニャ!」
(…………これは神様が言う【3日坊主】だな)