浦和高校の校歌指導問題を考える
はじめに
浦和高校の校歌指導に関する記事が出てから1か月ちょっと。
そうなんだよ、あれはなかなか地獄の時間だった。
でも、あれを乗り越えてしまった、「洗脳」された私にとっては、「地獄の時間だったよあれは(笑)」と、むしろ武勇伝だと言わんばかりの語感になってしまうけれど。
令和の時代にはそぐわないかもしれない。
いや、平成にも昭和にも、多数派になることがなかっただけで、異を唱える意見があったり、異を唱えるほどに言葉にならなくても、悔しい・おかしい・違和感ありというのは感じていた人は実は多かったのではないだろうか。
暗幕のかかった体育館でスポットライトが自分や同級生を照らし、こちらからは見えない天の声より「浦高生としての自覚」を問われ、声がちいせぇよ!と怒鳴られる。
もしかしたら、恐怖や焦りが、違和感を塗りつぶしていたかもしれない。
また、違和感を忘れさせる(洗脳させる笑)ポイントとして、校歌指導の後に手のひらを返されてのショートコントや、申し開きがある。
緊張からの弛緩。
さっきまで大声で怒鳴っていた応援団が、やはり大声だけども、ド真面目に、本気で取り組むショートコント。
突然の切り替えに、感情の整理が追いつかないほどだけど、ショートコントは次々と繰り出されていき、笑ってもよいのだという雰囲気に包まれる。
そして、演舞にて、ピリッとした姿も見せる。
一年生はこれにやられてしまうのだ。浦高生すげぇ! となってしまうのだ。
問題は、恐怖などの精神的ストレスが閾値を超えて、戻れなくなる可能性があること。
問題は、閾値は人によって違うし、同じ人でもイベントの唐突感や選択可能かどうか、などによっても違うこと。
ただ、精神的ストレスの一切を排除することは、できない。
浦高特有の新歓マラソン・50km強歩大会はもちろん、他の高校にもある文化祭やスポーツ大会、定期テストさえも、そこには精神的ストレスが大なり小なり発生する。
どういった精神ストレスを是とするのか。
何%の少数派が求める基準まで採用すべきか。
これらを明確に説明できる言葉を我々は持っていない。
だから、
「伝統だからOK」の声も「令和だからNG」の声も、感情のぶつけ合いになってしまう。
ここに校歌指導問題をどう考えるかの難しさがあると思う。
Generative PolyNarr Approach
問題を一足飛びに解決する特効薬にはならないが、相互理解の促進に生成AIでの物語生成が使えるのではないだろうか。
物語ゆえに読者はエモーショナルにこれを受容し、多様な価値観、多様な世界線が、存在しうることを知る。
バーチャルながらも説得力を感じてしまう厚い記述を複数読むことで、対話を土壌を作る。
そんなアプローチを作ってみた。
GPNアプローチ
Generative(生成)
PolyNarr(多元的な物語)
Approach(アプローチ)
生成AIに物語をいろいろと書かせてみる。
・ショートストーリー
・主人公や登場人物を設定
・具体的なシチュエーションやセリフ
をプロンプトとして投げれば、なかなかいい感じに物語は生成される。
一つの物語を人が書くのは大変だけれども、生成AIを使えば複数の物語を次々と生み出すことができる。
これ、浦高で倫理の時間にやればいいんじゃないだろうか。
最近だと「探求学習」か。
クラス全員それぞれが物語を作り、回し読みして、そこで思いついたアイデアで物語をまた作る、というのを2,3サイクル回すだけで、いろんな世界を知ることができる。
たくさんの物語ができたら、生成AIを使って、複数の視点を分類して! 集団的な傾向を教えて! 足りない発想で物語作って! 全部を一つの物語にまとめて! 絵にして! 動画にして! 歌にして! などすればよい。
また、浦高だけでなく一女や先生にもやってもらって、価値観の多様さを味わったらいい。
そして、まとめて、自分たちの文章も載せて、『雄飛せん with生成AI』を作るのだ!
作例をいくつか
GPNアプローチの詳細
効果について
物語には、
・この問題には、こういう背景を抱えた人もいる
・あえて賛成しづらい側に立ってみるとこう感じる
といった、通常の議論では見えにくい、感情や動機に自然と想像力を働かせやすくなる効果がある。
賛否や意見が分かれる社会問題ほど、当事者や立場、利害の入り組み方は多種多様。
彼らを登場人物においた複数の物語を並行して提示することで、従来の「A対B」の単純図式を超えた“隠れた当事者”や“中間的な視点”なども浮き彫りになり、参加者の視野や考慮すべき要素についてが広がる。
もちろん、実際の意思決定(政策や方針の採択、計画の進行)では、すべての声を完璧に取り入れることは難しい。
しかし、一度“多様な声”を認識しておくことができれば、無視されがちだった立場や、決断後に起こりそうな反発・困難を事前に想定しやすくなる。
結果として、意思決定に至る判断プロセスの質を高め、少なくとも「想像しないまま決めてしまった」という事態を避けやすくなる。
GPNアプローチは、対立が生まれる“間”に橋をかける一助となり、意思決定を行う際の想像力を補完する大きな力となる。
こんなときに使える
・対立しがちな問題を検討したいとき
・社会問題、組織内の意見衝突、教育改革などで、当事者が複数の異なる立場や感情をもっているとき
・ 一方的な結論に偏りたくないとき
・多面的な見方を取り入れたいが、通常のディスカッションでは声の大きな人だけが注目されてしまいがちなとき
・対話を通じて創造的なアイデアを得たいとき
・未来予測や新規プロジェクトの立案など、想像力と多様な視点が必要とされるとき
GPNアプローチの手順
1. テーマ設定
例:「浦和高校の共学化」や「新規プロジェクトの導入」など、話し合いたい・検討したいテーマを明確化する。
<テーマが具体的であるほど、生成AIから得られる物語も鮮明になる>
2. 視点・登場人物の洗い出し
• テーマに関わるステークホルダーや、重要な立場を列挙する。
例:生徒、教師、保護者、教育委員会、OB、メディアなど。
<賛成・反対・中立、伝統・保守・革新、怒り・悲しみなどなど、立ち位置を設定することで、物語に視点が生まれる>
3. 生成AIへの依頼
• ChatGPTなどの生成AIに対し、「各登場人物の物語を、それぞれの視点・背景・感情を盛り込みながら書いてください」などとプロンプトを入力する。
例:
[登場人物]は、共学化に対して[アイデア・意見・立ち位置]を感じている。そうなると、[物語の展開の方向性]というようになるかもしれない。これに[対立する・共感する]人物を設定し、彼らの間で起こるショートストーリーを作ってください。
<必要に応じて「一話あたり300~500字程度で」「4章構成で」「トーンはドラマチックに」「結末は曖昧に」など追加指示を出して、チューニングをする>
4. 物語の読み合わせ・共有
• 生成された複数の物語を、参加者全員で読み合う。
• 感想や気づきをメモしたり、オンラインであればコメントを付け合ったりする。
5. 対話と内省
• 物語を起点に「自分ならどう考えるか」「どのキャラクターに共感したか」「新たに浮かんだ疑問は?」などを自由に議論。
• 単なる是非の議論ではなく、「もしこういう背景を持っていたら?」「こういう立場の人は何を感じているのか?」という“想像の幅”を広げることを重視する。
6. 必要なら追加生成や別視点の補完
• 議論していくうちに「こういう立場の物語が欲しい」というリクエストが出ることがある。その都度ChatGPTで新たなストーリーを生成し、リアルタイムに補完していくと、より深い議論ができる。
7. 結論やアクションにつなげる(任意)
• プロジェクトや政策など現実的な決定が必要な場合は、「多様な視点を踏まえて、今後どう進めるか?」という形で最終的な方針を検討する。
<ただしGPNアプローチの主な目的は“相互理解の深化”であるため、無理に結論を出さず、継続的な対話の入り口として使ってもよい。>
活用のコツ
1. 過度な正解探しより、“登場人物の人生”を大切に。AIが生み出す物語の正確性よりも、「その物語がどんな思考・感情を引き出してくれるか」を重視。
2. 柔軟にプロンプト調整を。生成AIはプロンプト次第で出力が大きく変わる。必要に応じて修正や追加質問を行い、イメージに合ったストーリーを得る。
3. 感情移入のバランス。あまりに感情面を強調しすぎると、議論が感情的になる可能性も。論点を整理しながら、ストーリーを楽しむのがポイント。


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