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中1の息子の中間テストを解いてみたら、全教科ボロボロだった。

息子が中学1年生になり、彼も定期テストという戦いのリングに定期的に登ることになった。
1学期の初定期テスト。結果が戻ってきた後、「中学校のテストってものがどんなものかわかったわ。中学校ってやっぱり大変やな。」と、ちょっとドヤ顔で報告してきた。妹に「小学校とは違うわー」となんならちょっと自慢げに言っていた。自慢するような点数ではなかったが、親としては短期的な結果にあまり関心がないため「伸び代しかないな!」とCreepy Nutsで終わらせた。

二回目の定期テストのリングは夏休み明けに用意されていた。
普段は穏やかでゆるい村の中学校だが、夏休み最終日、始業式前に課題テストがある。

そんなことお構いなしに、テスト前日までの一週間、息子は徳島県の川で魚やうなぎをとって捌いて食べ、河原で寝るというサバイバルキャンプに参加していた。
つまり、ほぼノー勉強でテストに挑んだのだ。
もちろん驚くほどできなかった。

彼自身もかなり落ち込んでいたので、「点数はどうでも良いよ。わからないことをあぶり出すのが試験やから、間違った部分を理解することに時間をかけよう」と伝えて、「縄文弥生時代の生活から急に令和に戻ってきたら、高低差ありすぎて、クラクラするよな。」と一緒に笑った。

さて、三回目は10月の中間テスト。
テスト期間に入るや否や、勉強モードに切り替え、ずっと机に向かっていた。
私は「何かわからないことがあったら聞いて」と伝えて、それ以外は特に試験範囲を確認もせず、勉強の様子を見るわけでもなく、放置していた。

そして、先日、結果が戻ってきて、点数のみ報告を受けた。
「なるほど。努力がきちんと結果に出ていないね。ちょっと内容を確認させてほしい」と伝えて、初めて息子のテストを見ることにした。

しかし、せっかくやから、私も答えを見る前に解いてみようかな、と息子に問題用紙だけもらい、チャレンジしてみた。

「方程式なんて大人になって使わないやろ?」と息子が言うので、「いやいや、社会でめちゃくちゃ使うよ。経営も方程式よ。方程式を学んだから、論理的に考えることができるんよ。やから、自信ある。」と答えて、スタート。

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まず数学を開始!

「ん??」文字式って何やっけ??
「半径✖︎半径✖️3.14って、面積?周の長さ?」
「道のりってなんのこと?」
パニック。尾崎パニック。

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やばい、最初からつまづく。。どうしたら良いかわからない。

「え?!えっ!!どういうことなん?」「びっくりするくらいわからないんやけど」と息子に聞いて教えてもらう。

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え?➖(➖5)はプラスなん?!と驚きの顔
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優しく公式を教えてくれる息子。
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すぐに鳥取の本屋に参考書を買いに行って、テレビをみている息子の横で勉強。
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寝ている息子の隣で、解き続ける尾崎
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次の日は、他の教科も解いてみる。

やばい。。数学だけじゃない。英語もわからない。。
自分で引くくらいわからない。
このレベルで中1か。高校受験なんて信じられないくらい難しいよな。

ということで、全ての教科、息子より低い点数でフィニッシュ。

どの口が「わからなかったら聞いて」と言ったんだろう。
どの口で「経営は方程式よ」と言ったんだろう。

私はわざわざ上がらなくても良いリングに自らあがり、ボロボロになって中1・2学期中間テストというリングを降りた。
「俺らまだ、のびしろしかないわ」とCreepy Nutsを歌いながら、私がこの戦いから得たものは何だったのか?を考えてみた。

息子の頭の中が良く分かった。

息子は私のわからない部分を全部教えられた。
つまり、間違った部分も含め、復習を終え、理解にいたっていることがわかった。
なぜ点数が取れないのか?息子の間違いの傾向が「ミス」に多いことに気がついたこと。
それを私が伝える前に、「俺、問題解くのに時間かかって見返す時間がないから、ミスに気がつけないのよ。だから、早く解けるようになりたい」という課題を自分で分析して、次なる目標を自ら決めていることは安心できた。

教える側のスタンス

このリングに立ったことで得た最も大きな収穫は「教える時は寄り添う」という基本中の基本スタンスだ。
総じて、息子は優しかった。
「大人なのにわからないの?」「バカなの?」「面倒臭い」という空気を出さず、「そうなんよ。難しいんよ」と丁寧に事例を用いながら説明してくれた。

「どうして、って考えちゃダメなんよ。もう、そういうそういうもんなんよ。
俺も習った時は色々理解しようとしたけど、時間が足りんから、もう一旦受け入れたんよ。難しいよねー。」

私はそんなことができているだろうか。
頭ごなしに「なんでわからないと?」と言っていないだろうか。

サボっているわけでも、ふざけているわけでもなく「わからない」ということがある。
言葉や前提がわからないから、「何がわからない」か説明できないこともある。
「わからない」のに次々説明されるとパニックになることがある。
そんな時、ちゃんと寄り添えているだろうか。

「マジでわからない」という体験によって、「教える」という行為について良い振り返りができた。

教育の仕事をしている私が、こんな結果で良いのか?これを発信して良いのか?と思ったが、色々な人が学校にいる方が子どもたちに寄り添える。
私は中1の数学がわからないという子に、英語がわからないという子に「いや、マジでこれは、ほんまに難しいわ」と言える。そして「分かったら、私に教えてほしい」と言える。今度本当に教えてもらおうと思う。

教えることで、学びが定着することを考えると、それも学習になる。
という正当化する理由をしっかり持って、この結果を公表したい。

追伸:息子は国語の点数がずば抜けて良かった。本人曰く、「(株)百森のインターンで記事を書くという仕事をしているからかも。資料を読んだり、データから読み取れることをまとめたりしてるからかも」とのこと。働くことを通して学びの意欲とスキルが上がっているのだとしたら、こんなに面白いことはない。



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コメント

3
夢すずみ
夢すずみ

初めまして。
夢すずみと申します。
テスト勉強に対しての、息子さんの目線になって深い理解を学ぶ姿勢、
また息子さんのテストを受ける際の分析力と着眼点は素晴らしいと思います。
私も勉強する際には、一つ一つを理解したいと思うのですが、制限時間という壁を打ち破るのは困難です。
ちなみに、夏目漱石の有名な小説『坊っちゃん』の中で、
印象に残るシーンがあります。
主人公の教師が、生徒の質問に対して、正直に
『分からない!後で分かった時教える』
と言う場面です。
実際、彼は後で学習して、生徒に説明していたと記憶しています。
癖のある先生だけど、潔さと素直さに感動した覚えがありました。
何はともあれ、学校の勉強以外にも学びと気づきはあるものですね。
長文失礼致しました。

青石 系
青石 系

息子のテストへの向き合い方が完璧すぎる。すげー。

ヒコ@work
ヒコ@work

面白い!

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中1の息子の中間テストを解いてみたら、全教科ボロボロだった。|尾崎えり子
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