桁数が多い掛け算は、暗算しづらいもの。しかし、ある種の工夫をすることで効率的に答えが出せるケースもあります。
今回は「×5」をするときの計算の工夫についてみていきましょう。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
688×5
※制限時間は5秒です。
解答
正解は、「3440」です。
繰上りが多いので、ふつうに5を掛ける方法では、少し暗算しづらく感じるかもしれません。
そこで、次の「ポイント」で紹介する計算方法を使ってみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「×5を×10÷2にして計算する」ことです。
688×5
=688×10÷2
「×5」を「×10÷2」にすると、一つの計算が二つになってしまうので、かえってややこしいと思うかもしれません。
しかし、「×10」という計算は、掛けられる数の桁を一つ上げるだけなので簡単です。掛けられる数が整数であれば、末尾に0を付けるだけで終わります。
688×10÷2
=6880÷2 ←688の末尾に0を付けるだけ
また、6880の各桁は偶数なので、各桁の数を半分にすれば「÷2」の計算もすぐに終わります。
6880÷2
=3440
これで答えが出ましたね。
【おまけ】「×5」と「×10÷2」は本当に同じ?
最後に「×5」と「×10÷2」は本当に同じ計算を表しているのかを確認しておきましょう。
掛けられる数を■と置いて計算をしていきます。
■×10÷2
=■×10/1÷2/1 ←分数形式で表す
=■×10/1×1/2 ←「÷2/1」は「×1/2」と同じ(分数の割り算では分子分母を逆にしたものを掛ける)
=(■×10)/2 ←分子10と分母2をともに2で割って約分
=(■×5)/1
=■×5
これで、「×10÷2」が「×5」と同じであることが分かりました。
まとめ
今回は、「×5」を「×10÷2」にし、計算を効率化する方法を紹介しました。
「10の倍数を掛ける形にすること」は、計算の工夫をするうえでよく使われる手法です。掛けられる数が整数であれば、末尾に0を付けるだけで答えが出るからです。
他にも計算の工夫がポイントになる問題を用意していますので、引き続き挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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