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パナソニックグループの意欲的な変革をITインフラの先端技術と専門性で支援する パナソニックグループの意欲的な変革をITインフラの先端技術と専門性で支援する

パナソニックグループは大規模な変革を推進している。
PX(Panasonic Transformation)と呼ばれる取り組みだ。
パナソニックグループのITインフラを長年にわたってサポートしてきたキンドリルは、
同社のパートナーの一社としてPXに伴走している。
今回は、そのPXをグループCIO(最高情報責任者)として
リードする玉置肇氏をゲストに迎えた。

事業戦略と
ポートフォリオ最適化を
PXが支える

パナソニックグループが推進しているPXについて、概要を教えてください。

玉置氏パナソニックグループには多くの事業があり、従来は事業ごとにDXを進めていましたが、グループ全体で足並みをそろえるために2021年7月にスタートしたのがPXです。その柱は3つです。第1に、情報システムを近代化する。第2に、ITだけでなく、業務や意思決定のプロセスを変える。第3に、働き方やマインドセット、企業カルチャーを変える、です。

PXの目的は、グループ全体の事業戦略とポートフォリオの最適化を支えることです。この取り組みが加速したきっかけは、23年3月に実施した役員合宿でした。グループの役員クラス20人ほどが集まり、2日間にわたって徹底的に議論しました。その背景にあったのは、ITだけを変えても効果は限定的であるという認識です。合宿では役員クラスのコミットメントと業務のやり方を変えるという方向性を確認し、「PX:7つの原則」にまとめました。

玉置 肇氏

パナソニックホールディングス
執行役員
グループ・チーフ・インフォメーション・オフィサー(グループCIO)
サイバーセキュリティ担当

玉置 肇

1993年大阪大学大学院卒。プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク(現P&Gジャパン)入社。2014年ファーストリテイリングでグループ執行役員CIO(最高情報責任者)。17年アクサ生命保険執行役員。21年5月パナソニック執行役員兼CIO。22年4月から現職。パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社社長も兼任

PX:7つの原則の内容について、簡単にご紹介ください。

玉置氏例えば、経営者がデータの利活用や業務プロセスに責任を持つ、標準化の定義や範囲を明確にするといった7項目があります。日本企業がERP(統合基幹業務システム)などの標準パッケージを導入する際、過剰なアドオン開発を追加することがよくあります。当社もかつてはそうでしたが、PXの過程でこれを大幅に減らしました。日本では追加機能を96%削減している事例も出てきていますし、米国などの海外拠点では標準機能をほぼそのまま導入しています。

PX:7つの原則

(1)
グループの重要な経営資源であるデータを、
ステークホルダーの「幸せの、チカラに。」つなぐ
(2)
経営者がデータの利活用と業務プロセスに責任を持つ
  • 経営者自らが「プロセスオーナー」を任命し、プロセスの選択と集中、簡素化・標準化を推移する
(3)
「お客様を誰よりも理解する会社」になるために、顧客接点の多様性を活かし、データを徹底利活用する
  • B2C:くらしを軸に、グループ横串の共通資産として顧客データ基盤の構築をする
  • B2B:各事業会社に紐づくデータを、グループとして戦略的に活用する
(4)
業務プロセスを絶えず進化させ競争力の源泉とする
(5)
システム化の前に、現場の業務プロセスの現状を把握し、標準化の範囲を明確にする
  • ステークホルダーにとって無くても困らないプロセスを特定し、廃止する
  • 差別化できないが必要なプロセスは、簡素化・標準化する。標準化しない場合はその理由を明確にする
(6)
標準化の定義を明確にし、経営者がコミットする
  • 業界の標準プロセスが存在し、差別化の意味の無いプロセスは、業界標準とその進化に委ねる
  • 差別化がグループ競争力に繋がるプロセスは、事業会社の枠を超えた衆知を結集し、進化し続ける仕組みを構築し標準化する
  • 全体最適や変化対応力向上のためにプロセスを変更する際は、経営者が全体俯瞰した上で、ステークホルダーと整合する
(7)
現場も含めたグループ内で、データ・テクノロジーを利活用できる人材を増やし支援する

キンドリルは長期にわたって、パナソニックグループのITを支援してきたと聞いています。

浅田氏当社がIBMから独立する前の1960年代からなので、お付き合いは60年以上になります。先ほど情報システムの近代化に言及がありましたが、最近はレガシーマイグレーション(古いシステムを新しいシステムに移行すること)の検討に際して提案を行っています。PXにおいて、ITインフラ運用における自動化、高度化も大きなテーマです。AI(人工知能)を活用してIT全体を可視化するオープン統合運用プラットフォーム「Kyndryl Bridge」など、さまざまな技術やソリューションを駆使してパナソニックグループのPXをITインフラ運用面からサポートしています。また、技術支援だけでなく、運用の現場の働き方やカルチャー変革についてもサポートさせていただいています。

浅田 千織氏

キンドリルジャパン
パナソニックグループ事業本部 事業本部長
執行役員

浅田 千織

東京大学大学院卒。2006年に日本IBM入社。IBM大和開発研究所でのソフトウェア開発、IBMにおけるシステム・ソフトウェア開発コンサルタント、ソフトウェアサービス責任者を経て、キンドリルの分社化に伴い、21年に転籍。同年ソリューションセールス・テクニカルセールス事業部 事業部長。23年4月より現職

ジョナサン・イングラム氏

キンドリルジャパン
代表取締役 社長執行役員

ジョナサン・イングラム

英国出身。1986年英国オックスフォード大学卒。メインフレームの開発やコンサルタントを経て、IBMイギリス入社。IBMオランダ、キンドリル オランダを経て、2023年7月キンドリルジャパン副社長執行役員、24年1月キンドリルジャパン取締役副社長執行役員、同年4月より現職

イングラム氏キンドリルの最大の役割は、パナソニックグループのPXをはじめ、さまざまなお客様の情報システムの安定的かつセキュアな運用をサポートすることです。そして、お客様のIT戦略を確実に支えることです。その際、TCO(システムを導入してから廃棄するまでにかかるすべてのコスト)の最適化と提供価値の向上、リスクマネジメントは極めて重要です。近年、多くの企業がクラウドシフトを加速しており、オンプレミス環境と併存する形のハイブリッドクラウドが広がっています。また、マルチクラウドを活用する企業も多いです。このようにIT環境が複雑化する中で、いかに効率化するかが大きな課題です。私たちはKyndryl Bridgeを進化させながら、運用の自動化、高度化に向けた幅広いソリューションを拡充しています。

Kyndryl Bridgeによって
ビジネスの成功と変革を実現

Kyndryl Bridge

統合
オープンなアーキテクチャーでIT投資からより多くのものを得るために、新しいテクノロジーと既存のテクノロジーを統合
可観測性
テクノロジー資産の全体像と
前例のない制御と洞察を提供
オーケストレーション
各部署、テクノロジー、プロセスをオーケストレーションし、イノベーションとデジタルビジネスの成果を促進

Kyndryl Bridge

デジタルビジネスを運営し変革する新しい方法を可能にする、
AIを活用したオープンな統合プラットフォーム

1200社以上のお客様が導入

新型コロナウイルス禍を機に
ゼロトラストの
セキュリティー対策に移行

パナソニックグループは世界で事業を展開しています。グローバルなIT戦略の方針についてうかがいます。

玉置氏方向性としては大きく4つあります。第1に、聖域なきレガシーモダナイゼーション。第2に、ITの更新に当たっては基本的にクラウドを採用すること。国内では一定のオンプレミス環境が残るのでハイブリッドクラウドとし、海外事業については原則としてすべてクラウド化したいと考えています。北米拠点ではほぼクラウド化が完了しており、そのITインフラ運用でもキンドリルの支援を受けています。IT全般について、アセットライトを目指します。第3に、マスターデータの統一です。既存システムが多いので、これらを完全に統合するのは現実的ではありません。そこで、データのレイヤーで世界中の事業に横串を通します。第4に、サプライチェーンの整流化です。

セキュリティーについては、どのような考え方で対策を講じているのでしょうか。

玉置氏グループのCIOとして私が最も時間を割いているのが、セキュリティー対策です。数年前から、セキュリティー対策のギアを数段上げて体制を強化しました。対策エリアは大きく3つあります。「製品セキュリティー」「情報セキュリティー」「工場のセキュリティー」です。これらを統合的に管理するため、私のもとにサイバーセキュリティ統括室を設置しました。また、コロナ禍の時期のテレワーク全面導入を機に、多様な執務環境においては、従来の境界防御では「守り切ることはできない」との前提で、ゼロトラストセキュリティー(※)にシフトしました。もちろん、だからといって従来型の防御を軽視するのではなく、ゼロトラストのコンセプトにおいて肝要な監視と検知、検知した後の迅速な対応の強化に注力しています。

※ゼロトラストセキュリティー
ネットワークの内部と外部を区別せず、安全性を高めるセキュリティーのアプローチ方法

イングラム氏すべての企業にとって、セキュリティーは重要課題です。24年12月から今年にかけて、多くの企業が大量の通信でサーバーなどの機能をダウンさせるDDoS攻撃などを受けました。今後、こうした状況は常態化すると考えるべきでしょう。企業にもよりますが、総じていえば日本における脅威認識レベルは十分高まっていないように見えます。特に、中堅・中小企業は大手企業のサプライチェーンを構成しているケースも多いだけに、インシデントの影響は予想以上に広がる可能性があります。これまで以上の対策が必要です。

また、パナソニックグループのようなゼロトラストの対策も、これからの時代には欠かせません。キンドリルとしても、定期的な訓練を実施するなど、攻撃を想定して常に準備を整えています。

求められるサプライチェーンの
セキュリティー対策

セキュリティー対策として、特に重視すべきエリアはありますか。

イングラム氏すべての領域が重要ですが、最近ではサプライチェーン対策が最大のチャレンジだと考えています。

玉置氏当社のビジネスにおいて、サプライヤー企業の存在は欠かせません。サプライヤーの工場が止まれば、パナソニックグループの工場での生産もストップする可能性があります。グループ内はもちろんですが、サプライチェーン全体でセキュリティー強化に取り組みたいと考えています。

イングラム氏セキュリティーの分野も日進月歩です。例えば、暗号通信であっても、量子コンピューターを使えば復号は容易です。将来的には、量子コンピューターへの備えも必要になるでしょう。そんな時代の到来を前提に、キンドリルは技術開発に取り組んでいます。

浅田氏複雑な関連性の高いシステム環境において、システムをモダナイズさせ、セキュアな環境を構築・運用することは非常に困難です。しかし、長きにわたりミッションクリティカルなシステムの運用を担ってきたキンドリルはその知見・実績があるからこそ、ITインフラのモダナイゼーションやセキュリティーへの対応が可能であると考えています。また、私たちの運用プラットフォームKyndryl Bridgeは、全世界1200社以上のお客様に採用いただいています。ITインフラ運用などを通じて集まる膨大なデータはリアルタイムで分析され、得られた知見は世界中のお客様と共有します。どこかの国でインシデントが起きたときも同様で、攻撃の特徴や注意すべき点などの情報はインサイトとして他のお客様とも共有され、運用リスクの回避や改善に活用されます。

サプライチェーン全体でセキュリティー強化に取り組みたいです(玉置氏)キンドリルの強みは、インフラ運用における豊富な知見と実績です(浅田氏)

最後に、キンドリルに対する期待についてお話しください。

玉置氏当社はITインフラを高度化しつつ、アセットライトを一層進めていきます。DXを語る上であまり触れられていませんが、重要で変革が大変難しいのがITのインフラ運用だと考えています。この領域で多くの実績を持つキンドリルの専門的な知見をお借りしたいですね。ITインフラのエンジニアの働き方改革に役立つ提案にも期待しています。

イングラム氏企業によって、DXの形はさまざまです。私たちはその企業にとって最適なITインフラを提案しつつ、パナソニックグループや日本企業のDXをセキュアかつ強力に支えていきたいと考えています。