スーダン、国軍が首都の「解放」宣言 西部では準軍事組織の支配続く

ナイロビ=今泉奏
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 アフリカ北東部スーダンにおける国軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)との紛争で、国軍を率いるブルハン将軍は26日、首都ハルツームが「解放された」と宣言した。地元メディア「スーダン・トリビューン」などが報じた。

 スーダンでは2023年4月、国軍とRSFの統合に向けた主導権争いなどをきっかけに、国内各地で武力衝突が始まった。この直後から、RSFが首都の主要な軍事拠点や政府関係施設、空港などを掌握。国連によると、RSFの戦闘員による住民の殺害や性暴力の被害も相次いだ。

 国軍は昨年10月ごろから首都周辺で攻勢を強め、RSFを後退させていった。民間の監視団体「スーダン戦争モニター」によると、激しい市街戦や空爆などの結果、首都の町は「廃虚」となっている。SNSには、破壊された大統領官邸や、兵舎となったハルツーム大学の映像が投稿された。

 国軍による首都の奪還は、約2年続く戦闘の大きな転換点となる。一方、西部のダルフールはRSFが支配しており、国軍が奪い返すめどは全く立っていない。家を追われた人々は1千万人を超え、15万人が死亡したとみられる紛争は、なおも出口が見えない。

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この記事を書いた人
今泉奏
ヨハネスブルク支局長|サハラ以南アフリカ担当
専門・関心分野
アフリカ、植民地主義、グローバルサウス