京都中部総合医療センター(京都府南丹市八木町)は27日、放射線治療・検査を同センターで受けた延べ7千人超に医療費を過大請求していたと発表した。現在判明分だけで総額6800万円にのぼり、受診者や保険者に返金する。
センターによると、がんなどに用いられる放射線治療では、放射線治療医が不在時、技師が患者の体調を確認し、別の医師がチェックする運用を10年前から続けてきた。この場合、放射線治療料などを請求できないのに、延べ690人に支払いを求めていた。
2020年4月以降だけで延べ383人、計5870万円に上る。それ以前については精査中という。
CTやMRIの放射線検査では20年3月以降、検査のみの患者にも外来診療料を誤って請求していた。延べ6487人を対象に、判明分だけで940万円になる。
いずれも昨年8月の事務点検で発覚した。対象の受診者には4月末までに文書で通知し、返金する。
運営する組合管理者の西村良平・南丹市長や辰巳哲也院長が同センターで記者会見し、謝罪した。辰巳院長は「確認が不十分だった。過大請求分はすべて返金する。4月以降は、放射線治療医の不在日をなくすなど対策を徹底したい」とした