という終わった性癖持ちなのだがこれには理由があるから聞いて欲しい。
理由も何も実際に起きたエピソードから性癖が歪んでしまっただけだからその時の話を綴るだけだ。
前提条件含めての文章になってしまう為、長くなってしまうのは許して欲しい。
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小学1年生の10月頃、親の都合で突然学童に放り込まれそこで仲良くなった女の子がいた。(以下Aちゃん)
どうやって仲良くなったのかは覚えていない。ドラゴンボールの漫画を読んだりポケモンの絵を描いたりするのが好きな自分にとって、彼女とは趣味が微塵も合っていなかったような気がする。
小学3年生の頃、彼女が住むアパートに呼ばれたことがある。彼女は以前に自身の口で「母親しかいない」と言っていた。
そうして扉が開かれ眼前に広がるのは荒れに荒れまくった室内。放置されたゴミや衣服、靴でさえも碌に整えられていない。独特の匂い。
――ああ、虐待児か。そう思った。悲しくも自分もそういう家庭なせいで思ったより冷静に目の前のことを受け止めていた。
似た者同士が惹かれ合うというのは本当にあると思う。自分はこの日そう思った。
彼女が虐待児であろうという確信めいた思いを抱きながら、それなら自分は彼女の良い友人であろうと思った。
勿論自分が友達でいて楽しいからというのもあったし、彼女が学校では嫌われ者であることを知っていたからだ。Aちゃんに自分以外の友人はいなかったように思う。
小学生の女子の陰口なんて大した意味はないだろうと思っていたが、何となくの雰囲気で皆が毛嫌いしていたのかもしれない。
一人が寂しく辛いことは自分も家庭で感じていたし、道徳の授業でも散々人に優しくしましょうという話を聞かされていたのでAちゃんと仲良くすることに何も抵抗はなかった。
ところが、ある日。
いつものように公園で遊び門限の18時近くになったから帰ろうと話しているとAちゃんが怒り始めた。
今思えばこの日以外ももうちょっと遊ぼうよと誘われることはあったが、怒られたことは無かったので相当驚いた。
この台詞、現実で言われることあるんだ……と大人になってから思う。紛うことなくAちゃんはメンヘラ女子だった。
しかし小学3年生の自分はメンヘラという存在を知らない。そしてノンデリだった。
「門限」
言い訳となってしまうが門限を守らないと暴力暴言が1時間以上は飛んでくる家庭だったので、この返答になってしまうのは仕方のないことなのだ。
結局Aちゃんに腕を鷲掴みにされた自分は18時を回った真っ暗な公園に佇むしかなく、探しに来た親が回収してくれたものの上記のようなことになってしまったのは言うまでもない。
ここで異変に気付けば良かったがノンデリ天然だった自分は「まあ、無限に遊びたいよな」と納得し翌日からも普通に遊んでいた。
但し、ちゃんと「18時に帰らないと次からAちゃんと遊べなくなる」とは伝えた気がする。
気がする……のだが
この日記の冒頭を思い出してほしい。
事件も同年に起きた。
いつかと同じようにAちゃんは「今日母親いないから家で遊べるよ」と嬉しそうに誘ってきた。
あの荒れた家で遊ぶのかと内心乗り気ではなかったが、彼女の笑顔を見ると断る訳にも行かない。
あと、この時既に察していたが断ると無理矢理連れていかれるか機嫌を損ねるかの二択だった。力では勝てるが自分を好いてくれている可愛い女の子の友人に手荒な真似はしたいと思わなかった。
扉を開けると相変わらずゴミ屋敷手前のような部屋が見える。それでも誘う為に綺麗にしてあったのか以前訪れた時よりもリビングは綺麗にされていた。
部屋を見ながらどこに座ろうかと突っ立っているとAちゃんが声を掛けてきた。
「鞄は私が持っとくね」
Aちゃんとおままごとをする時はいつも決まって自分が夫役だった。
学童でもこのやり取りは何度か行ったことがある。そんなことを思い出しながら鞄を渡した。
……?
何か返す間も無く、Aちゃんはそう言って鞄を持って機嫌よくキッチンへ姿を消した。
これって、門限までに家に帰してくれるのか?
いつものおままごとであれば何の問題も無い。しかし彼女は「ここで暮らすの」と言ったのだ。
以前の公園で腕を掴まれ、逃げられずにいた時を思い出し嫌な予感がした。
また門限を破れば自分が家でどういう仕打ちを受けるのか分からない。最悪殺されるところまで見据えた。
逃げるか留まるか、どうしようかと悩む時間も短くはなかったと思う。
だがAちゃんは”用意”に時間をかけていたようだし、こちらへ来る前にお手洗いを利用するのが確認できた。
玄関にはチェーンが掛けられていた。防犯の点で見ればとても偉いのだが、以前来た際はわざわざチェーンを掛けておらずこんなに些細なことでさえ動揺したのを覚えている。
そして何より玄関前のゴミ袋が倒され、出させないという意志をひしひしと感じた。
挙句には靴が無い。
流石に目の前のこれらを見て焦らずにはいられない。
門限までには帰りたいという考えから明確に”Aちゃんが怖い”に移り変わっていた。
小学3年生の監禁はあっさりと突破出来た。ゴミ袋は別の所に移動して、チェーンは外して、鞄と靴は放置したまま裸足で逃げた。
幸いにもこの日、学童から直接向かったのではなくキックボードに乗って来ていた為、走って逃げるより随分と足への負担は無くて済んだ。
ただ、やっぱり怖くてちょっと泣いた。
後日、「何で何も言わずに帰ったの?」と詰め寄られた。
何と返したかもう覚えていない。
鞄と靴は学校で返してもらった。
さらにその後、流石に危機感を習得した自分は家に呼ばれる度にやんわりと断った。
また閉じ込められたら今度こそ逃げられないかもしれないと思ったからだ。
このおかしな関係は、Aちゃんが突然引っ越したことで幕を閉じた。
引っ越したことを知った時はほっとしたような、友人がいなくなって寂しくなったような妙な感情だった。
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そしてこの件を終えて大人になった自分は無事性癖が歪み、年上お姉さんに監禁されたいなと思うようになってしまった。※同い年だが自分が早生まれだったからかAちゃんはお姉さんらしく見えていた。
この時は門限という縛りがあったから逃げることを選択したが、正直多少後悔している。今同じ状況になったら全然喜んで一緒に暮らしたい。
増田は男?
あー羨ましい 寂しい成人男性の元にこれだけ素敵な女性が降ってくればなあ なんて呑気なこと言えるのは当事者じゃないからなのかな