雇い止め撤回 教員の女性「女性のキャリア考えるきっかけに」

宮崎産業経営大学を相手に裁判を起こし、同僚との結婚をきっかけとした雇い止めを撤回させた教員の女性が26日、会見し、「今回の件で女性のキャリアを改めて考えてもらうきっかけになれば」と語りました。

会見を行ったのは、宮崎市にある宮崎産業経営大学の法学部に助教として勤務していた30代の女性です。

女性は去年、同じ学部の教授だった夫との結婚を大学に報告したところ、年度末で雇い止めにすると通告され、事務職員に配置転換されたため、地位の確認などを求める訴えを宮崎地方裁判所に起こしました。

教え子たちが大学側に対応の撤回を求める署名活動を行うなか、今月21日に和解が成立して雇い止めなどが撤回され、女性が来月以降、教員として働き続けることが決まりました。

今の心境について、女性は会見で「今回の一件がこんなに反響を呼ぶとは思わず驚いた。皆さんに感謝を申し上げたい。本当にうれしいし、幸せなことなので、かみしめながら仕事をしたい」と話しました。

そのうえで、「これは氷山の一角だと思う。今回の件で女性のキャリアについて考えてもらうきっかけになってほしい。すべての方の人権が保障され、個人が個人として尊重される社会になることを期待している。『これくらいのことで訴訟をするのか』といった意見が周囲から聞こえてきた。“このようなこと”と言われない社会になればいいと思います」と述べました。

宮崎のニュース