作:生まれてきてくれてありがとう
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ギルド本部、北棟の一室。
灰色の石壁が四方を囲む、簡素で無機質な空間。
灯りは高窓から差し込む柔らかな朝光と、壁に掛けられた魔石灯の微かな揺らめきのみ。
磨りガラスをはめ込んだ重厚な木扉が、室内と喧騒を遮断し、息苦しいほどの静寂を刻んでいた。
その密やかな空間に、向かい合って座す二つの影がある。
一人は、深紅のマントを静かに翻す、名もなき剣士。
その瞳は沈黙を湛え、微動だにせぬ表情は、まるで異邦から現れた彫像のようだった。
対するもう一人は、ギルドの濃紺制服に身を包んだ若き職員。
茶色の髪の隙間から、ふにりとした犬耳が覗く。
──
眼鏡の奥の瞳が、手元の書類と、無言の剣士を交互に行き来しながら、眉間にしわを寄せた。
重なる視線も、交わされる言葉もない。ただ、時だけが静かに、張り詰めた糸のように流れていく。
椅子が軋む、ほんの小さな音すら──この静寂を壊すことをためらっているようだった。
無言の時間が、重く、じわじわと積もる。
その空気をようやく破ったのは、誰かの咳払いでも、警告でもなく──
「……正直、どう処理すればいいのか、頭を抱えていましたよ」
ため息と共に、それは落とされた。
声の主は、レーメルと名乗った青年職員。
茶髪の間から覗く犬耳が、困ったようにぴくぴくと動いている。
眼鏡の奥の瞳は真面目そのものなのに、感情だけは耳にダダ漏れだ。
資料から顔を上げ、彼は眼鏡のブリッジを指先で軽く押し上げた──癖のように、慎重さの裏返しのように。
対するは、深紅のマントを纏った無言の剣士。
その瞳は濁りなく、底知れぬ静謐を湛えている。
言葉も、感情も、気配すらも──まるで息を潜めるように沈黙を守り続けていた。
まるで──この世界の色に、混ざりきれない存在が、ただそこに座しているように。
「……まず、結論から申し上げます」
青年の声音は、極めて静かだった。だがその一語一語は、鋭く磨かれた氷の刃のように、室内の温度を確実に下げてゆく。
「あなたは冒険者登録のない状態で、ダンジョンに侵入。しかも複数階層にわたり戦闘行動を継続し──更に、魔石および資源の採取、並びに換金を行いました。これは明白にして重大な、ギルド規約違反です」
声には怒気も侮蔑もない。ただ事実のみを突きつける、冷ややかな確認作業。
だが、それゆえに重かった。
情け容赦のない現実という名の枷が、静かに、しかし確実に男の身に降り落ちる。
──にもかかわらず、当の本人は何も語らない。
眉ひとつ動かさず、ただその場に座し、告げられる罪状を淡々と受け入れている。
人間の温度を感じさせないその姿に、レーメルの耳がわずかに伏せた。
あまりに無反応で、逆に不気味ですらあったから。
「……本来であればこれは、都市の秩序維持を司る【ガネーシャ・ファミリア】への通報──即ち、拘束案件に該当します」
低く、張りのある声。
けれどその中に、ほんのわずかに揺れる迷いが混じるのを、誰かが聞き取ったかもしれない。
レーメルの眼差しは真剣だった。
その茶色の瞳は、眼鏡のレンズ越しにわずかな葛藤と誠意を宿している。
「……というか、実際には一度、通報は上がっています」
小さく咳払いをして、言葉を整える。
その仕草に、緊張の色がほんのり滲んだ。
「しかし今回は──人的被害なし。むしろ、突発的に発生したモンスターの異常な群れを、たった一人で鎮圧した事実が確認されており……」
一呼吸置いて、静かに告げる。
「……結果、処分は【罰金および厳重警告】。これに留めるという判断が下されました」
柔らかな沈黙が室内を包む。
レーメルの表情には、安堵と困惑──相反する二つの感情が、複雑に滲んでいた。
その視線の先。
男は、やはり何も言わない。ただ、そこにいるだけだった。
ちなみに、科せられた罰金額は
先日、換金された魔石とドロップアイテムによる収益──その大半が、この一文で煙の如く消えたことになる。
それでも、男は動じなかった。
驚きも、怒りも、落胆すらも、どこにもなく。
無表情の奥に燃えるものもなければ、冷たく凍りついたものすら感じられない。
彼はただ、感情の輪郭ごと失われた存在のように、静かにそこに座していた。
それが逆に、レーメルの心をざわつかせる。
(……一体、何者なんだ……この男は)
職務としての理性が問いかける。だが、それに対する答えは、どこにもなかった。
彼は重いため息をひとつ落とし、手元の書類をトントンと整える。
「……まったく。新人職員が確認を怠ったんですよ。ラトロー氏の登録だけ見て、同行者も当然冒険者だろうと……思い込んだようでしてね」
茶色の瞳がかすかに伏せられる。
犬耳が僅かに動き、申し訳なさと疲労が入り混じった感情を隠しきれず揺れていた。
「……二重のチェックは基本中の基本だと、あれほど言ってるのに……」
レーメルが静かに肩をすくめ、小さく息を吐く。
口調はぼやきめいていたが、滲む疲労は本物。
「……まあ、その装備と立ち居振る舞いじゃ、誰が見たって“冒険者”にしか見えませんけどね」
そう言って、苦笑まじりに手元の書類を一枚すっと引き抜く。
羊皮紙の束の中から丁寧に抜き取られたそれを、慎重に、長机の中央へと滑らせた。
「──こちらが、正式な冒険者登録申請書になります」
ぴたりと止まった紙の端から、確かな空気の重みが広がる。
「以後は、必ずギルド規定に則って行動してください。……次、同じことがあれば、本当に拘束処分です。冗談では済みません」
その一言とともに、茶色の瞳が眼鏡越しに細められる。
鋭い光を宿したその眼差しに、職務に就く者としての覚悟がにじんでいた。
警告とも、忠告とも取れる鋭い眼差しを、男は真正面から──まるで、微動だにしない水面のように受け止め。
そして、無言のまま差し出された羊皮紙を手に取る。
……だが。
その指先が、ほんの一瞬、止まった。
硬直にも似た間。
眉が、ごくわずかに寄る。視線が、紙面の上を彷徨う。
──読めない。
並ぶはずの言葉は、彼にとってまるで知らぬ国の記号だった。
意味を持たぬ線と点の連なり。そこには、彼の記憶にも知識にも存在しない、言語という壁がそびえ立っていた。
その沈黙の違和感に、誰よりも早く気づいたのは──長椅子の後方で腕を組んでいた、黒髪の男。
モルドだった。
彼は静かに目を細め、床板がわずかにきしむ音を残して、一歩前へと足を進める。
「……おい、あんた。悪いが、こいつ……読み書き、できねぇみてぇだ」
低く抑えた声だったが、その言葉の端々には、どこか仲間としての責任感が滲んでいた。
レーメルは思わず目を丸くし、すぐに咳払いでそれをごまかす。
「……そ、そうでしたか。ええ、本人の了承があるなら──代筆で問題ありません」
職務的にはそれだけの返答だったが、その声にはどこか柔らかさが混じっていた。
モルドは頷きもせず、ただ無言のまま椅子のひとつに腰を落とす。
そして、手にした書類とペンを見下ろし、ついでにぼさついた短髪をかきあげて、深く小さく息を吐いた。
「ったく、手がかかる奴だぜ……」
そうぼやきながらも、どこか嬉しそうで──ペン先が紙面を滑る、静かな音が響く。
淡々と、しかしどこか儀式めいた緊張を纏いながら、一つの名がそこには刻まれていく。
「……いいな。この名前で、これからずっと登録される。文句は……ねぇな?」
隣に座る赤の剣士は、わずかに瞳を伏せ、そして──こくりと頷いた。
言葉はいらない。その沈黙には、確かな意志が宿っていたから。
モルドはその反応を確認すると、再び手元に視線を落とし、筆を走らせる。
──『ユー』。
たった二文字。だが、それはこの無名の剣士にとって、初めて世界に刻まれた確かな輪郭だった。
この街に、この時代に、初めて存在を示す印。
「よし……っと」
続けて、項目を埋めていく。が、書き込む手は幾度も止まる。
年齢、不明。出身、不明。その他全てが空白。
しかし、
──空っぽ、というよりは。
“これから満たしていく余白”。
モルドは一度だけペンを止め、横目で男を見た。
剣士は依然、無表情のまま。ただその姿が、妙に頼もしく見えた。
「……まぁ、いいさ。これからひとつずつ埋めていけばいいだけだ」
冒険者の事も、街の歩き方も、そして──文字の読み書きも。
「今度、時間があったら教えてやるよ。めんどくさくねぇ程度にな」
軽く言い放ったその声には、不思議とあたたかみがあった。
ひとりごとのようで、でもどこか、強く願うような響きを持って。
「……よし、完了っと」
ペンを置いて、書類を軽く持ち上げて見せる。
達成感というよりは、肩の力が抜けたような安堵と、微かな誇らしさ。
「これで、お前は晴れて正式な冒険者だ。……ま、『レベル1』の、ひよっことして、だけどな」
肩をすくめて笑う。からかいのように見せかけて、その実、精一杯の歓迎の意だった。
その言葉に、ユーはわずかに目を細め──そして、静かに頷いた。
強くも、ゆっくりでもない。けれど確かに、その首は縦に動いた。
──それは、きっと彼なりの“ありがとう”だったのだろう。
沈黙の中で交わされた、それはあまりにも静かで、けれど確かな意思の灯火。
その刹那。
重たく閉ざされていた扉が、ゆっくりと、軋むような音を立てて開いた。
わずかに流れ込む空気が、室内の静寂をやさしく揺らす。
まるで、未来の気配を運ぶ風のように。
ひとつの名。ひとつの選択。
それはまだ小さな芽かもしれない。
けれど、確かにそこから──物語は、動き出した。
そして、二人が扉の向こうへと歩み去ったあと。
残された静けさのなかで、ギルド職員の青年は、そっと視線を落とした。
彼の手元には、登録を終えた一枚の羊皮紙。
そこには、たった数行──けれど確かな重みを持った文字が刻まれていた。
冒険者『ユー』
所属──【オグマ・ファミリア】
茶色の瞳を細め、犬耳がわずかに揺れる。
青年の唇から、ため息混じりの言葉がひとつ、零れた。
「……これだから、オラリオというものは……」
驚きと困惑と、そしてほんの少しの期待を滲ませて。
誰に向けるでもなく放たれた呟きは、冷たい石壁に優しく吸い込まれていった。
=====
──時は、少し遡る。
朝の空気は、やけに澄んでいた。
まるで昨夜の喧騒すらも、どこか遠くに押し流してしまったかのように。ひんやりとした風が軒先をすり抜け、木々の葉を優しく撫で、露を帯びた芝が静かに揺れていた。
ここは、オラリオ南西──第六区画。
都市の果てに近い、小高い坂の上にひっそりと建つ一軒家。軋む階段、風に鳴く窓、年月の染み込んだ木の香り。決して豪奢でもなければ、便利でもない。けれどその古びた二階建ての家には、不思議と“帰ってきた”と感じさせる空気があった。
そして、その裏庭。
朝の陽光が木々の隙間からこぼれ、まだらに地面を照らしていた。揺れる葉の影が、芝に淡く映り込み、静謐な空気にわずかな生命の鼓動を添えている。
その小さな空間に、三つの影が並んでいた。
一人は、無造作な黒髪に鋭い眼光を宿す剣士。
一人は、中性的な顔立ちと柔らかな仕草を併せ持つ斥候。
そしてもう一人は、金髪と筋骨隆々の巨体を誇り、盾を片時も手放さぬ護者。
──モルド、スコット、ガイル。
彼らは【オグマ・ファミリア】に所属する、若き三人の冒険者。そして──このファミリアに名を連ねる、唯一の構成員たちでもある。
小さな、小さなチームだ。
けれど、その絆は揺るがず、誇りは揺らがない。数など関係ないと、背中で語れる連中だった。
しかし、その朝の空気は、どこか妙に重く。
まるで、昨夜見た異物の余韻が、家の隅々にまで染み渡っているかのように。
「……俺たちは、どうすりゃいいんだろうな」
ぽつりと、モルドが呟いた。
その声は、呆れでも投げやりでもなく──静かな問いだった。
長く胸の奥に引っかかっていた棘を、ようやく吐き出すように。
口調こそいつも通りの軽さを装っていたが、その背は、どこか迷いの色を帯びていた。
隣では、スコットが腕を組み、遠くの空を見つめながらゆるく首を振った。
「昨日の背中……忘れられるわけないじゃない」
その呟きには、苦笑も皮肉もなかった。ただ滲むのは、率直な驚きと戸惑いだけ。
「刻まれてるはずの証が、なにひとつなかったのよ。戦えるだけの力を持っていながら、まるで空っぽ。真っ白で、無垢で……それじゃまるで……」
言葉を探すように、スコットは一度、息を止めた。
それは、簡単には口にできないものを飲み込むような沈黙で。
その横顔には、怯えにも似た驚愕と、底知れぬ敬意がないまぜになって浮かんでいて。
やがて、長く吐いた息に乗せるように、ぽつりと──
「……あれじゃまるで、本当に“おとぎ話の人”みたいじゃない」
「おとぎ話の……人?」
隣で聞いていたガイルが、怪訝そうに眉をひそめた。
その低く響く声は、大きな身体に反して意外なほど真面目で、静か。
スコットはわずかに視線を上げ、ゆっくりと頷く。
「あるでしょ、そういう話。──神が地上に降りる前、【ステイタス】も【スキル】も存在しなかった時代。ただ剣を握り、槍を振るい、人が人として魔を断ったっていう……最初の、“英雄たち”の物語」
語りながら、スコットの瞳がかすかに揺れた。
その言葉を境に、朝の庭にふわりと静寂が降り立つ。
現実離れした昔話のはずなのに──いや、だからこそ。
昨日、あの光景を目にしてしまった彼らには、それがただの幻想だとは、もう言えなかった。
「……作り話、だろ。そんなの」
そう口にしたのは、モルドだった。
けれど、その声音はあまりに乾いていて。
否定というより、自分自身に言い聞かせるような、曖昧な響きを帯びていた。
──赤いマントの男。
無名の剣士。
神の恩恵を一切持たぬ、その空白の背中。
あれがただの幻想だなんて、もう思えない。
否定するには、あの姿はあまりにも“確か”すぎた。
静かで、揺るぎなく、まるで戦場そのものを沈黙させるような、あの剣。
その背に刻まれたはずの何かが──何もないという事実が。
何よりも、強く、深く、胸に焼き付いていた。
三人は、見てしまったのだ。
ただの人間では届かない、何かを背負った者の背中を。
「でも──」
重たく垂れ込めた空気を、そっと割るように。
ガイルが、ぽつりと呟いた。
その声は、あまりにも静かで、けれど否応なく場の重心を引き寄せる確かな質量を持っていて。
「あいつがいなきゃ……俺たち、今ここにいなかったかもしれない」
それは、どんな言葉よりも重く、確かな事実だった。
飾りも誇張もない、ただの現実。
だからこそ、胸の奥にずしりと沈んでいく。
「あのとき、ダンジョンで……キラーアントの群れに囲まれて……」
ガイルは言葉を探すように天を仰ぎ、ひとつ息を吐く。
そして、唇の端をかすかに歪めた。
「……間違いなく、俺たち、全滅してた。完全に終わってた」
それは、自嘲にも似た笑み。けれど、笑ってなどいなかった。
声はわずかに震えて。
思い出したくもない。けれど忘れられるはずもない──死の気配が肌を焼いた、あの瞬間を。
あれは冗談でもなければ、脚色でもない。
本物の死線。
そして──確かに彼らは、救われたのだ。あの、名もなき剣士によって。
誰もが、言葉を失っていた。
朝露をまとった木々の葉が、風にさらさらと揺れる音だけが──静かに、確かに、その場を包んでいた。
まるで、誰かがそっと心の扉をノックするような。
沈黙が問いかける、覚悟と選択の刻限。
──ユー。名もなき剣士。
昨夜、突きつけられたのは、信じ難い真実で。
その背に、神の恩恵はなく。
【ステイタス】という、オラリオに生きる冒険者としての証明すらもが、どこにも存在していなかったのだ。
スキルも、魔法も、加護すらない。
彼は何ひとつ持たず、ただ一振りの剣だけで、あの地獄に身を投じていた。
誰かに認められたわけでもなく、守られることもなく、ただ一人で。
──その意味を、彼らは痛いほど知っていた。
冒険者という名の下に生きる者たちにとって、それがどれほど異質で、どれほど無謀で、どれほど過酷なことなのかを。
「……だからこそ、だ」
朝の静寂を割るように、低く、けれどどこか熱を孕んだ声音で。
モルドは、ゆっくりと顔を上げる。視線の先にあるのは、昨日と変わらぬ、しかし確かに心を揺さぶった赤い影。
「あいつに……俺たちなんか、必要ねぇのは分かってるさ」
吐き捨てるように言ったその声に、滲むのは劣等感か、羨望か。
否、たぶんその両方。
「一人で、あの強さ。俺たちが加わったところで、足手まといにしかならねぇ。……そんなの、昨日の一撃で嫌ってほど分かった」
拳を、きつく握りしめる。
骨がきしみ、指先が白くなるほどに。
「だけど、それでも──俺は、放っとけねぇんだよ」
それは、叫びにも似た本音だった。
感情が言葉に先走り、胸の奥で燻っていたものが溢れ出す。
「あいつは、きっと何かを探してる。……記憶もねぇのに、それでも前に進もうとしてる。その背中を、俺は……見ちまったんだ」
だから。
「その旅の途中くらい、肩を貸したっていいだろ。道を歩く手助けくらい、俺たちにだって──きっと、できるはずなんだよ」
声が、少し震えていた。
それは決して弱さではない。
名もなき剣士の在り方に触れた者だけが抱く、確かな敬意と、願い。
その言葉に、スコットとガイルは思わず目を見開いた。
モルドの声音には、いつもの乱暴さではない──確かな熱がこもっていたから。
「……俺たちが助けられただけで終わっちまうなら、それはただの借りだ。過去の話だ」
ゆっくりと、拳を握る。
「でもよ。もし、これからも隣で戦っていける存在になれるなら──ちゃんとした仲間になれるなら」
言葉の端々に宿るのは、強い意志。
「……誰よりも、あいつと正面から向き合わなきゃならねぇ。強さの差とか、過去のこととか、そういうのを抜きにして」
視線を遠くへ投げる。
思い浮かべているのは、静かに剣を構えるあの背中。
「……ステイタスなんざ、関係ねぇんだよ」
その呟きは、朝の空気に溶けていくようだった。
「伝説だとか、神話だとか……そりゃ格好いいかもしれねぇけどさ。俺たちにとって大事なのは、もっと単純だろ」
言いながら、モルドは肩越しにスコットとガイルを見る。
「命を預けられるかどうか。戦場で背中を預けられる“仲間”かどうか──それだけだ」
淡く射し込む朝陽が、彼の乱雑に跳ねた黒髪を照らしていた。
微かな風が庭を撫で、若葉の匂いを運びながら、静かに草を揺らす。
──理由なんて、言葉にできない。
納得させるつもりも、理解を求める気もない。
ただ、そうするしかないと思った。それだけだ。
だから、やる。迷いは捨てた。
「だから──もう一度、あいつと向き合う」
その声は、握りしめた拳と同じだけの覚悟を帯びていた。
己の弱さも、悔しさも、恐れすらも──すべて引き受けた上で踏み出す、一歩。
そしてその時──
きぃ、と。
木造の家特有の、年季の入った蝶番が軋む音が、風に紛れて微かに響いた。
朝陽が差し込む玄関口。
ゆっくりと開いた扉の先に、ひとりの男が立っていた。
──赤いマントの剣士。
静かに、佇む。
声を発することもなく、ただ黙って、そこに在った。
いつから立っていたのかも、何を思っていたのかも分からない。
だが、モルドたちは確かに見た。彼の目が、こちらを見ていたことを。
交わる視線。その一瞬に、言葉はいらなかった。
問いかけも、応えも、そして……これから始まる全てがそこには在ったから。
=====
──風が、静かに庭を撫でた。
いつもは笑い声と訓練の音が交じるはずのこの場所が、今はまるで戦場のよう。
木の塀が軋む音すら遠ざかり、朝露に濡れた草の匂いが、喉奥に鋭く刺さる。
空気が張り詰め、陽光でさえ、どこか冷たく感じた。
そして、向かい合う。
──赤きマントの剣士、ユー。
その背に、神の印はなかった。
恩恵も、スキルも、魔法すら──何ひとつ宿していないはずの男。けれど。
……それでも。
いや──だからこそ、なのかもしれねぇ。
あいつの背は空白だ。
けれど、その佇まいは、俺の目に確かに焼きついていた。
漂う気配、鋭く削ぎ落とされた静寂、その一挙手一投足に宿る重み。
──まるで、“剣”そのものが歩いているみてぇだ。
「……本気でいく。殺し合いじゃねぇ、戦いとしてな」
宣言というより、誓いだった。
感情をぶつける術なんて、俺にはこれしかねぇ。言葉じゃ足りない。伝えられない。
だから、剣に込めるしかなかった。
ゆっくりと構える。
手の中の柄が、汗でぬめる。
けれど、離さない。握ったまま、呼吸を静かに整える。
胸の奥が──灼けつくように熱い。
それが何かなんて、知らない。名前も意味も知らない。
ただひとつ、確かにわかる。
これは、“俺の核”だ。
あの背中に追いつきたいと願った瞬間に、生まれたもの。
──きっと、これが“誇り”ってやつなんだろう。
剣を交える理由なんざ、いくらでも並べられた。
力試し、経験値稼ぎ、技の研鑽──口実なんて掃いて捨てるほどある。
だけど、それじゃ意味がねぇ。
俺が、今この瞬間、あいつにぶつけたいもんは──そんな薄っぺらなもんじゃない。
羨望。憧憬。悔しさ。
そして、ほんの少しの……救われたかったっていう、情けない想い。
その全部を、まるごと込めて。
──俺の全部を、叩きつける。
あいつは、何も言わなかった。
まるで言葉なんて──いや、感情すらも不要だとでも言うように。
ただ、静かに。凪いだ湖面のような動きで、剣を抜いた。
銀色の刃が、朝陽を斬り裂くように輝く。
それはもはや動作じゃない。儀式だった。
戦うために生まれた者が、本能のままに刃を振るう……ただそれだけの、完璧な動作。
……いい。
言葉なんていらねぇ。
こいつはちゃんと、“俺”を見てる。
だったら、やるしかねぇだろ。
右足を引き、腰を沈める。長剣を握る手に、自然と力がこもる。
空気が変わった。世界が、張り詰める。
余計なことは考えるな。
過去も、未来も、あいつの正体も……今は全部、置いていけ。
──ただ一瞬、この一刹那だけ。
“敵”として。
命を預け合う“戦士”として。
真正面から、ぶつかる。
これは遊びじゃねぇ。試し合いでもねぇ。
これは──俺の決意だ。俺の、覚悟そのものだ。
だから見せてやる。
俺の、生き様を。
「────ッらぁッ!!」
咆哮と共に、地を蹴った。
風が爆ぜ、土が跳ね、視界が一瞬で狭まる。狙うはただ一点、真正面。迷いも躊躇もない、渾身の剣撃を叩き込む。
だが──
刹那、耳に届いたのは金属が擦れる鈍い音。
衝撃は……ない。
いや、違う。あるはずの手応えが、どこにもなかった。
剣が弾かれたのではない。受けられたのでもない。ただ、ふわりと──吸い込まれるように、逸らされた。
……そんな馬鹿な。
あいつは、ただ軽く剣を動かしただけだった。真正面からの一撃を、まるで日常の一部のように、無造作に流した。
力も、角度も、技術も。俺の目から見ても完璧とはほど遠い、なのに──
“通じない”。
俺の全力が、あいつの“自然”にすら届かねぇ。
「っ、ちっ……!」
舌打ちと共に、すぐさま次の手を打つ。止まれねぇ。止まっちゃいけねぇ。
だから。
二撃目──体幹をひねり、軸足を回転させて放つ横蹴り。剣から足技へ、一瞬の変化。勢いを殺さず、重心と遠心を融合させた一撃。
狙いは胴。側面の、甘くなりがちな防御の隙間。
そして──届いた。
蹴りは、確かに命中した。
……と、思った。
「っ──ぐ、あ……っ!!?」
だが、吹き飛ばされたのは、俺の方だった。
理由が分からなかった。接触した感触が、重すぎた。異常すぎた。まるで、“壁”を蹴ったみてぇだった。
いや、違う。ただの壁じゃねぇ。あいつの肉体に刻まれた、鉄より硬ぇ“存在”そのものを蹴りつけたような。
「──ごっ……はっ……ぁがっ!?」
空気がねじれ、俺の身体は無様に地を転がる。肩が地面を擦り、肘に鈍い痛みが走った。
……なんだ、今のは……!?
何が起こったのか、頭じゃ処理しきれねぇ。
確かに蹴った。俺の脚は、踏み込みも、回転も、重さも……何もかも完璧だった。けれど──それなのに。
“通らなかった”。
肉を砕く実感がなかった。骨の一本でも粉砕するはずの感覚が、虚無に吸い込まれたように消えていた。
「……どうなってんだ、その体はよォ!!」
怒鳴った。叫ばずにはいられなかった。
でも、目の前の“それ”は──ただ静かに、そこに立っていた。
無表情。無言。呼吸さえ乱さず、微動だにせず。
それが、怖ぇんだよ。
人間味の欠片も感じさせない沈黙。あいつの存在が、現実の輪郭を曖昧にする。まるで、こっちが夢を見てるんじゃねぇかって錯覚するほどに。
だが──その右手の剣は、すでに。
天へと、静かに、掲げられていた。
「まっ、じかっ……!?」
瞬間、脳が警鐘を鳴らす。
──逃げろ。
理屈も、判断もない。ただ、本能が叫んでいた。
赤き影は、ほんの一歩、足を引いただけ。それだけだった。けれど──それだけで、全身の毛穴が総毛立つ。心臓が凍るような冷気に包まれ、背筋を滝のような汗が駆け抜けた。
動け。動け。動けッ!
身体が、自分の意志を超えて飛び退く。まるで、死の匂いに反応する獣のように。
──そして、刹那。
視界が、白く弾け飛んだ。
爆ぜる音。裂ける地面。軋む空気。
世界が一瞬、裏返ったような錯覚。地鳴りが響き、庭の一角がまるで神の一撃を受けたかのようにえぐれ飛んだ。
まるで、天地を裂く雷鳴。
ただ、大地を切り裂く一撃が、俺を現実ごと打ち砕いていた。
「なっ──……!」
離れた位置で見守っていたスコットとガイルまでもが、反射的に反応した。
スコットは瞳を見開き、土を跳ねて尻もちをつく。ガイルは反射で盾を構え、そのまま後退。音もなく舞い上がった砂塵が、二人の頬をなぞった。
そして──俺は、顔を上げた。
そこにいたのは、刃を振るった“あと”の男。
……いや、違う。
その剣は、振り抜かれてなどいなかった。
ただ、“横に”。ゆっくりと、地面へと叩きつけられていた。
俺を斬るためじゃない。力を誇示するためでもない。
──止めていた。
“俺に届かないように”。
殺せた。間違いなく。斬り裂けた。容易く。それでも。
この男は、俺を傷つけないことを選んだのだ。
……それが、どれほどの意味を持つかなんて、馬鹿な俺にだってわかった。
「……っ、くそ……!」
歯が軋む。まるで砕けるほどに、噛みしめる。
喉の奥が焼けつくように乾き、握る剣の柄が、汗で滑りかけていた。
──わかってる。嫌ってほどに、理解してる。
これは模擬戦だ。命を奪い合う殺し合いじゃない。俺がそう言ったんだ。そう言ったのに──
それでも、これが俺の全力だった。
踏み込みも、剣筋も、気迫すらも。全部詰め込んで、全部ぶつけた。
なのに──届かねぇ。
届かせてもらえないんじゃない。俺の刃は、あいつの領域に踏み込むことすら許されていない。
その現実が、胸を殴られるよりも痛ぇ。
心臓が締めつけられる。何もかも振り絞っても、その背すら見えねぇ。
あいつの剣は、俺の動きなんて──まるで、眼中にないと言わんばかりだった。
一太刀、一歩、一息さえも、興味を示すことなく。ただ静かに、まるで風でも受けるような動作で──捌いてくる。
軌道を読むことすらしねぇ。癖を見切ることもない。いや、そんなもん、見る必要すらねぇとでも言うように。
全力で振るった俺の剣が、空気を裂いても──誰にも届かない、無意味な風圧でしかないみたいだった。
いや、それ以下だ。まるで……蚊でも払うみたいなもんだ。俺の存在そのものが、あいつの世界からすれば、そんな程度でしかねぇ。
──悔しい。
──惨めだ。
──遠い。
伸ばした手が空を掴むたびに、心の奥が冷え込んでいく。凍えるような虚無が、胸を刺す。
だけど、それでも。
足は止まらない。止めねぇ。止めてたまるか。
ここで膝を折ったら、俺が今まで握ってきたこの剣が──
俺が、俺であるために刻んできたこの道が──
なんのためだったのか、わからなくなっちまう。
誰にも、勝てなかった。
泣く暇も惜しんで歯を食いしばり、拳を握って地面を叩いた。擦りむいた膝を庇わず、倒れても倒れても立ち上がって──
それでも、ようやく、ここまで来たんだ。
……なのに。
これほどの絶望が、他にあるかよ。
くそっ……くそが……!
息が荒れる。視界が揺れる。血の味が口の中に広がっても、まだ、足は止めない。
それでも──それでもッ!
「──やめねぇって、決めたんだよッッ!!」
叫ぶように、吼えるように。
魂の叫びを刃に込めて、全力の踏み込み。一太刀に想いを乗せて、振り抜く!
振るって、叫んで、祈るように踏み込んで。
──それでも、刃は届かない。
たしかに“当たっている”。剣は掠め、斬撃は敵を捕らえているはずだった。
──なのに、通じない。
通らない。
まるでその身体が、重さも切っ先もすべて無効化する壁のようで。
刃の軌道を伝って跳ね返ってくるのは、手応えじゃない。絶望だ。俺の無力そのものだ。
強い──強すぎる。
もう腕は鉛のように鈍く、足は石のように硬直していた。肺は焼けつき、心臓は鉄槌のように重くのしかかる。
それでも、ただ前へ──ただ、それだけを信じて進んできた。
……なのに。
「……っ、ぐ……!」
視界が滲む。酸素が足りない。呼吸が喉の奥で詰まり、うまく吸えない。
意識が遠のく。どこかで心の折れる音がして。
膝が、崩れた。
土を叩いた音とともに、砂埃がわずかに舞い上がる。
「……やっぱ……勝てねぇわ……」
声はかすれて、情けなく、地面に吸い込まれていく。
……悔しい。情けねぇ。
喉が焼けるように熱いのに、涙ひとつこぼせなかった。
本当は……わかってたんだ。
あいつと剣を交えた、最初の一撃で。
次元が違う──そんなの、痛いほど思い知らされてた。
でも、それでも。
心のどこかで願ってた。
【ステイタス】も、スキルもない奴に──俺が、負けるはずがないって。
……そんな、バカみてぇな希望に、すがってた。
じゃなきゃ、これまでの俺が──これまでの冒険が、まるで全部、無意味だったって言われるみたいで。
でも今、先に折れたのは身体だった。
筋肉が軋み、骨が悲鳴を上げてる。もう、限界だと叫んでる。
──ああ、わかったよ。
認めるしかねぇ。
こいつは、俺なんかじゃ届かねぇ。
手を伸ばしても、叫んでも、全力で追いすがっても──その背中は、どこまでも遠くて。
高くて。鋭くて。
俺なんかより、ずっと──強く、誇り高く、生きてる奴だ。
それが、否応なしに、胸の奥へと突き刺さってくる。
痛くて、苦しくて、でも不思議と……悔しさだけじゃなかった。
荒くなった息を無理やり整えて、俺は顔を上げた。
その視線の先。
赤いマントが、風に舞い。朝陽を背に、男はただ静かにそこに立っていた。
影となったその輪郭が、俺の視界に焼き付いて離れない。
汗は、一滴も流れていない。呼吸も、乱れていない。
まるで最初から最後まで、戦いとすら思っていなかったかのような静けさで。
だけど──違った。
たった一箇所だけ。僅かな綻びがあった。
……眉だ。
その鋭く整えられた眉が、ほんの一瞬だけ、揺れた。
微細な動きだった。けれど、確かに見えた。
──迷っていた。躊躇っていた。何かに。何かを。
その違和感が、胸の奥に雷みたいに響いた。
どくん、と。
心臓が、内側から叫ぶように脈打った。
(ああ……そうか)
ようやく、腑に落ちた。ようやく、自覚できた。
ずっと胸の奥で燻っていたものが、輪郭を持って言葉になった。
──惹かれてたんだ。最初から。
あのとき、ダンジョンで振り返ったその横顔に。
群れを断ち切る一閃に。
そして──誰にも縋らず、ひとりで立ち続ける、あの孤独な佇まいに。
……憧れてたんだ。どうしようもなく。
泥を啜って、傷を誇るほどの強さもない。
最下層の下級冒険者。誤魔化しながら、笑って、立ち止まって。
そんな俺にとって、こいつは──眩しすぎた。
圧倒的な強さ。静かで、揺るがなくて、ただ一本の剣として在ること。
それでいて、どこか壊れそうなほど儚くて。誰よりも、生きていることが伝わる背中だった。
羨ましかった。悔しかった。妬ましかった。
……けど、それ以上に。
──救われた気がしたんだ。
ようやく言葉にできる、その想いを抱いて。
「……なぁ、ユー……」
俺は、静かに、けれど確かにその名を呼んだ。
「……お前が、俺たちなんか必要としてなくても……それで構わねぇ」
吐き出すように言葉を繋ぎながら、拳を、ぐっと握りしめる。
強さも、誇りも、器の広さも、全部あいつには届かねぇ。
それでも、俺の中でだけは、もう決まってた。
「……俺は、決めたんだ」
膝が崩れるままに地に落ちても、両手を土に添え、頭を深く垂れる。
言葉じゃ足りねぇとわかってても、それでも言わずにはいられなかった。
「勝てねぇ。力も足りねぇ。足を引っ張ることの方が多いかもしれねぇ。……それでも」
喉が焼ける。けど、言わなきゃならなかった。
「一緒に、戦いたいんだ。仲間でいたい。背中を預けて、命を賭けて、帰ってきたらバカみてぇにメシ食って、笑って……」
途切れそうになる声。けれど、それでも絞り出すように言った。
「それだけが、今の俺の──本当の、願いなんだよ……」
一拍の間。
風すら息を潜めるような静寂が、場を支配する。
張り詰めた空気が、肌を刺した。
拒絶されたら終わり。
わかってる。わかってた。それでも──
「……無茶な頼みだってのは分かってる。だけど……それでも、言わせてくれ」
声が震えるのを、必死で押し殺す。
俯いていた顔を、ゆっくりと上げる。
視線の先──その男がいる。
赤いマントを揺らし、朝陽を背に受けて、ただ静かに佇む剣士。
気配は微動だにせず、表情も変わらない。まるで、石像みてぇだ。
だけど、
「……俺と、いや──俺たちと。一緒に居ては、くれねぇか」
言葉が、風に乗った瞬間──
世界の時間が、ふっと止まった気がした。
草を撫でる風が、鳥の囀りが、遠のいていく。
周囲のすべてが音を失い、ただ、彼の返事だけを待っていた。
剣士は、無言だった。
顔も変えず、声も出さず、感情すら読み取れない。
ただそこに在るだけ。まるで、拒絶を静かに突きつけられているようで。
(……やっぱ、ダメだったか)
胸の奥が、きしり、と鈍い音を立てた。
届かなかったのか──俺の声も、この想いも。
どれだけ叫んでも、どれだけ曝け出しても、やっぱり届かねぇのか──
そう思った、その刹那。
……ごく僅かに。
ほんの、ほんの僅かに。
あいつの首が──縦に、動いた。
「……っ!」
息が、漏れた。喉が震えた。
言葉にならない衝動が、胸を駆け上がってくる。
握った拳が、じわりと土を噛む。
それは、声じゃない。返事ですらない。
──けれど、確かに“答え”だった。
たったそれだけの動きが、今の俺には、世界すら変えてしまうほどに重くて、眩しくて。
胸の奥で、何かがほどけた。
ずっと張り詰めていたものが、静かに、確かに、温もりに変わっていく。
まるで、冷えきった心に火が灯るみたいに──優しく、穏やかに。
──ありがとう。
その言葉を、口には出さずに。ただ心の中で、そっと呟いた。
そして俺は、ゆっくりと立ち上がる。
もう、何も言葉はいらなかった。
その一度の頷きが──ただ、それだけで、十分すぎるほどだったから。
『守護者の剣 Lv.48 』(攻撃力+480%)
『グラム Lv.4 』(攻撃力+200%)
『守護者の鎧 Lv.63 』(最大HP+630%)
『キュイラス Lv.11 』(最大HP+1100%)
『ファントムブレード Lv.3 』(攻撃速度+9%)
『セブンリーグブーツ Lv.3 』(移動速度+9%)
『ククルカンの宝玉 Lv.1 』(メテオ威力+10%)
『肉×18』
『魚×18』
『野草×25』
『澄んだ水×13』
『野キノコ×10』
『イチゴ×9』
『ブドウ×11』
『空のボトル×18』
『キャベツ×12』
『トマト×12』