阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された
球団とは2度ほど話し合いの場を持ち、10月に「僕は辞めません。現役を続行したいので、トライアウトを受けます」と伝えると、正式に自由契約となった。
僕がトライアウトを受けると知り、多くの人は「何で?」と思ったようだ。全盛期と比べれば明らかに力は落ちていた。人気球団の阪神で現役を終えれば、コーチや解説者といったセカンドキャリアの仕事に就きやすい。阪神の主力選手は阪神で引退するべきだ。まっすぐ敷かれたレールに沿って進んでいくことがエリートとされるが、敷かれたレールを歩むのは嫌だった。勇気が必要だが、レールから外れることで見えることもある。求められる選手なら道は開けるのではないかと思った。
周囲からは「どうして、そこまで現役にこだわるんだ?」とか「どうせまた意固地になっているだけや」と責められ、挙げ句の果てには「トライアウトなんて受けても、取ってくれる球団はないぞ」とまで言われた。
確かにここ数年は、チームの中で中途半端な立場に置かれ、結果も出なかった。そんな状況で「辞めろ」と言われたから、ふてくされて「辞めません」と反抗しているだけ。ファンを含め、周囲のイメージはそんな感じだったのだろう。
そもそも、僕が現役に固執するのも意外だったようだ。四方八方から「辞めた方が身のためや」と現役続行を反対された。こんな状況で退団会見に臨むことになる。