【甘口辛口】あの米田哲也が缶酎ハイの万引きで逮捕…現役時代を知るレジェンドが晩節を汚すニュースは何とも耐え難い

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米田哲也容疑者(2017年07月15日撮影)

■3月27日 プロ野球で歴代2位の350勝をマークした剛腕米田哲也の名は、ほとんどの若い人は知らないだろう。歴代1位は左腕金田正一の400勝で、阪急や阪神で活躍した米田は右腕の1位だ。87歳になったレジェンドが25日、兵庫県尼崎市のスーパーで缶酎ハイ2本を万引したとして窃盗の疑いで現行犯逮捕された。

同じ日、大阪市内では2月に亡くなった元阪神監督の吉田義男さん(享年91)のお別れの会が開かれ約550人が故人をしのんだ。リーグの違いこそあれ同時代にファンを沸かせ、ともに野球殿堂入りしている2人なのにかたや報道で「容疑者」がつく数奇なめぐり合わせだった。

サンケイスポーツ専属評論家の江本孟紀さんは南海時代に投げ合ったことがある。「真っすぐがめっぽう速い上、天井から落ちるようなフォークボールがすごかった。タフで故障もなく350勝の多くは完投。昔のエースと呼ばれる投手はみんなそうだったが、頑丈な体がうらやましかった。おっとりした人でそんなことをするとは信じられない」。

〝マサカリ投法〟といわれた村田兆治さん(元ロッテ)を思い出す。2022年11月、自宅の原因不明の出火により一酸化炭素中毒で72歳で亡くなったが、その2カ月前には羽田空港で女性検査員とのトラブルを起こし暴行容疑で現行犯逮捕(不起訴)された。215勝投手が突然「容疑者」となった衝撃の大きさは計り知れなかった。

村田さんの行動はナゾめいていたが、多発する高齢者の万引には生活困窮、社会的孤立、認知症などの原因が考えられるという。かつての大投手が缶酎ハイを…。晩節を汚すこうしたニュースは現役時代を知る世代にとっては何とも耐え難い。(今村忠)

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