今、アメリカのメディアは、先日のテロ集団攻撃計画の漏洩問題で持ちきりだ。
The Wall Street Journal
タイトル:トランプ「場当たり」外交の落とし穴 流出チャットで露呈
【ワシントン】ドナルド・トランプ米政権で国家安全保障を担当する複数の高官がイエメンの親イラン武装組織フーシ派への軍事攻撃の是非について交わしたテキストメッセージは、同政権の国家安全保障に関する協議が場当たり的な性質を持つことを浮き彫りにした。こうしたやり方は時に同盟国を困惑させ、トランプ大統領の側近の間でも意見の相違を生んでいる。
>マイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)が今月、メッセージングアプリ「シグナル」上に「フーシ派PC小グループ」を作成した際、このチャットの目的はフーシ派攻撃の是非を巡る協議に関与するトランプ政権当局者に最新情報を提供することにあるように見えた。 しかしすぐに、より深刻な事態に発展した。民間のアプリであるシグナル上のグループチャットで、ウォルツ氏と国家安全保障を担当する他の高官らが攻撃実行の是非をテキストで2日間にわたり議論したのだ。このやり取りは米誌アトランティックのジェフリー・ゴールドバーグ編集長が誤ってグループに追加されたことで公になった。
>歴代大統領は国務省、国防総省、国家安全保障会議(NSC)のスタッフを活用し、秩序立てた方法で選択肢を練り上げ、精査してきた。一方のトランプ政権ははるかに型破りな方法で運営されており、これは議論する時間を待てず官僚機構に懐疑的な大統領の性格に起因する。高官の多くは要職に就いた経験がなく、大統領と同じ見方を共有している。
先日、最高裁のロバート判事の、トランプ政権の公務員解雇政策に対する問題点発言についてメディアが注目報道をしていたが、今回は、それ以上の盛り上がりを見せている。
今回のマスコミは、最初、秘密漏洩についてのさわりのみ報道した。具体的な情報ではなく、民間のアプリ「シグナル」なる言葉を用いた。
そして、トランプ高官たちに、さんざん「機密情報など無い!」と言わせた後で、マスコミはさらに追加情報を出してきた。
トランプは、マスコミから「シグナル」なる語を出された質問に対し 「知らない、そんな三流紙は誰も読まない。他の質問は無いのか?」と逃げた。
女性の司法長官も、ただただ、「機密情報は無い」と繰り返すだけであった。
問題点を問い詰められた時、関係の無い出来事を並べ立てて、質問をかわそうとする手法は、トランプ派の常套手段だ。
しかし、この女性司法長官は、民主党の議員から、この問題を問い詰められても、彼女は、それすらやろうとしなかった。
トランプに取り入った新人たちが幹部となり、経験もないまま、不用意に仲間内で盛り上がって、チャットに書き込んだ結果、マスコミにリークされたということのようだ。
従来の政権では、経験を積んだ古くからいる組織の人たちが知識と経験を提供して、最高組織の権威を維持するとする行政の仕組みがあったと思う。
その組織を壊そうと、トランプに指名された新人権力者が暴れまわった結果、機密保持の組織構造の破綻が起きたようだ。
政府の統合性が崩れているのではないか?と感じさせる出来事である。
組織の構成員たちの言い分を聞かずに、どんどん、経験のない新人を高官ポストにつけ、この高官たちが、いばり、蹴散らすことをしてきた。トランプ手法は、常に正しいと、トランプ報道官は言い続けてきたのだ。
未経験者が、政治組織全体を、トランプ流に代えてしまおうとした手法が破綻したということではないだろうか?
付け焼き刃の虚勢は、破綻するのだと思う。
いづれにしろ、今後の経緯に注目である。
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