「名誉を傷つけ、つらい思いさせ、大変申し訳ない」NHK会長が元島民に謝罪 軍艦島映像
NHKの稲葉延雄会長は26日、東京都内で長崎市の端島(通称・軍艦島)の元島民8人と面会し、軍艦島を扱った昭和30年放送のNHK番組「緑なき島」を巡って謝罪した。映像は韓国メディアなどに無断使用され、戦時徴用を巡る虚偽情報が拡散した契機とされる。稲葉氏は「長期に渡って皆さまが名誉を傷つけられたと感じ、つらい思いをさせたことに大変申し訳なく思っている」と語った。 【写真】NHKの稲葉延雄会長に話す端島の元島民ら この問題でNHK会長が元島民に謝罪するのは初めて。謝罪は報道陣に公開して行われた。元島民は令和2年11月以降「軍艦島で撮影された映像ではない」と訴え、NHKに訂正と謝罪を求めてきた。昨年12月、NHKは東京簡裁で成立した調停で坑道内の照明とされた映像については「坑内との確認が得られていない」と認めた。 稲葉氏の謝罪に先立って、元島民の中村陽一氏は「元島民が加害者として子々孫々に及ぶまで誇りと尊厳を傷つけられたという問題だけではない。日本国民の尊厳と日本の国益に関わる問題だ」と述べ、謝罪番組の放送を求めた。 端島炭坑を運営した三菱石炭鉱業高島鉱業所の田中実夫元副所長は坑内映像について「すべての面で保安規則に違反している。全国どの炭鉱もこのような作業実態はなかったと断言する」と述べ、「NHKが創作した映像と言わざるを得ない」と指摘した。 韓国の公共放送KBSは今年2月にも坑内映像を番組に使用しており、稲葉氏は今月24日にKBS社長と面会した際、「こういうことはやめてほしい」と直接抗議したという。稲葉氏は「引き続き厳重に対処していく」と強調した。 ただ、坑内映像について稲葉氏は「誤解を招くものであったことは間違いない。放送も使用も一切しない」と述べた一方、端島炭坑のものでなかったとは明言しなかった。(奥原慎平)