フリーレンに勝てそうな逸材も?『葬送のフリーレン』才気あふれる「一級魔法使い」たちの“最強候補”
■冷静な観察眼と飽くなき執念・デンケン
デンケンは北側諸国の宮廷魔法使い。軍人から宮廷のトップにまで上り詰めた叩き上げの魔法使いであり、多くの政争を乗り越えた経験ゆえに、冷静沈着な判断力を持ち合わせている。アニメ1期でも描かれたが、一級魔法使い試験に合格しており、先に紹介したレルネンとは古くからの友人でもある。 竜巻を起こす魔法「ヴァルドゴーゼ」、風を業火に変える魔法「ダオスドルグ」、裁きの光を放つ魔法「カタストラーヴィア」など、ハイレベルな魔法を連発する戦い方を得意としているが、彼の最たる強みは戦況を冷静に分析する戦術眼にあるといえる。 たとえば一級魔法使い試験編では、フリーレンのパーティに対して力技で戦わず、同じパーティのラオフェンらの特性を理解したうえで、一時的ではあるが捕獲が合格条件となっていた「隕鉄鳥(シュティレ)」を奪うことに成功。二次試験では自分らと同じ能力を持つ複製体への対処法を指示することで足止めに成功するなど、集団戦における判断力と指揮能力は、長年の経験と豊富な知識によるものといえそうだ。 だが、そんな冷静さを持ち合わせるデンケンの真の魅力は「最後まで醜く足掻くんだ」という泥臭いまでの執念にある。アニメ勢なら魔法使いでありながら「殴り合いじゃぁぁぁぁッ!!!!」と己の拳で勝負を挑んだシーンが印象的だろう。 漫画の「黄金郷のマハト編」では、自身の師であり圧倒的な力の差があるはずの「七崩賢」のマハトに対し、亡き妻の言葉を胸に最後まで抗い続ける。その姿は決して華やかではなかったが、最後は長い人生で積み上げてきた研鑽が実を結び、師匠超えを果たすのである。 一級魔法使いのなかではかなり高齢だが、冷静さと情熱を兼ね備えたたしかな実力はいまだ健在である。
■岩をも砕く長い髪・ゼンゼ
ゼーリエの弟子であり、一級魔法使い試験編では二次試験の試験官を務めていたゼンゼ。幼い顔立ちと足元まで伸びる長い髪が印象的だが、実際の年齢は不明。自身を平和主義者と語り、穏やかな雰囲気が漂うが、過去4回担当した試験では合格者をひとりも出さなかったという厳しさも持ち合わせている。 ゼンゼ自身の戦闘シーンはまだ漫画にも描かれていないが、一級魔法使い試験編の二次試験「零落の王墓」で登場した彼女の複製体は、受験者たちに大きな恐怖を与えることになった。 その長い髪の毛には幾重もの魔法がかけられており、それを巧みに操ることでダンジョン内の柱を切断したり、受験者のリヒターやラヴィーネの体を貫いたりと、その攻撃力は計り知れない。 通常、相手の防御魔法を突破するには、質量で壊すか、技術で壊すかなどの対処法が考えられるが、ゼンゼの髪の毛はその両方を兼ね備えており、髪の毛の1本1本が相手を的確に襲う点もやっかいだった。 そのうえメトーデの魔力探知をもかいくぐり、奇襲を狙う狡猾な一面もみせている。複製体でさえこれだけの力があったのだから、その実物であるゼンゼの強さはいうまでもないだろう。今後どのような実力を見せてくれるのかも注目したいところだ。 もちろんこの3名以外にも、フリーレンの弟子でゼーリエの魔力の揺らぎを見破ったフェルンや、拘束魔法、魔力探知、戦闘魔法と幅広い魔法を使えるメトーデ。魔法の翼を操り、戦闘や索敵にも長けたゲナウなど、今後の成長まで加味すると最強候補に挙げたくなる一級魔法使いはまだまだ存在する。 原作漫画でもまだ具体的な戦闘描写がないキャラクターもいるので、2期アニメが放送される前に、お気に入りの魔法使いを探してみるのはいかがだろうか。
FM中西