米学生ローン利用者、1000万人近くの信用スコアが低下も-NY連銀
Alexandre Tanziニューヨーク連銀の調査によると、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で猶予されていた措置が徐々に廃止されるのに伴い、1000万人近い学生ローン利用者の信用スコアが低下する可能性がある。
ニューヨーク連銀調査統計グループの研究員は26日にブログで、返済と利払いの猶予や返済遅延債務として分類されない措置など、コロナ禍で施行された政策は、米国における「学生ローンの基本的なトレンドをゆがめていた」と指摘。状況が正常化するにつれ、「学生ローンの延滞率が大幅に上昇する可能性が高い」と予想した。
猶予措置が解除された後、1年間は信用情報に記載されないというモラトリアム(一時停止)措置をバイデン政権が命じたため、多くの学生ローン利用者は信用スコアへの打撃を免れていたが、この措置は昨年10月に終了した。
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返済延滞の影響が再び信用情報に記載されるようになり、今後数カ月に970万人の学生ローン利用者の信用状況に影響が及ぶと、ニューヨーク連銀の研究員は推計している。
連邦政府保証の学生ローンの15.6%が昨年9月末時点で返済が延滞し、過去最高を記録。延滞債務は2500億ドルを超えているという。
その結果、「2025年第1四半期までに、900万人余りの学生ローン利用者が信用格付けの大幅な低下に直面するだろう」と、同研究員は記述している。
原題:Almost 10 Million Student Debtors Risk Credit Hit, NY Fed Says(抜粋)
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