カクレオンの店主ですよ!悪いモンスターじゃありません!


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作:猫ネコねこキャット
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お前ら人間じゃねえ!


久々にポケダンやったら思っていた以上にカクレオンがバケモノだった件…


 

 

「なあ、あれって……」

「おそらくだが、噂になってるモンスターの商人ってやつだろうな」

 

 ダンジョンの19階層、大樹の迷宮と呼ばれる木々が生い茂った階層で一際目立つものを仲間が見つけた。

 それはオラリアで今もちきりの話題であるモンスターの商人、モンスター商店、怪物の買取屋、様々な呼び名があるがそれであると気づいた。

 本当に噂通りだ。緑色の小型モンスターがやけに高級そうな絨毯を敷きながら、その上に見たことのある食べ物やポーションから見たこともない魔道具(マジックアイテム)が並べられていた。

こともない魔道具(マジックアイテム)が並べられていた。

 

 噂によれば人畜無害で有効的。食べ物やポーションは少し割高だが、リヴィアに比べれば格安。魔道具は使い切りとはいえ効果は見たこともないものばかりで安すぎると言える。

 場所は決まっておらず、1パーティーを相手にすれば場所を移動するそうだ。しかしその移動途中を見た人は未だいないと言う。

 噂しか情報がないとはいえ見逃さないという考えは俺たちのパーティーにはなかった。

 

「いらっしゃ〜い」

 

 モンスターの店主は普通に公用語を話す。

 噂で聞いていたとはいえ、驚きだ。

 

「えっと……店主?」

「はいは〜い。購入?買い取り?」

「あー、購入したいんだが……これが噂のマジックアイテムだよな?」

「噂?」

「知らねえのか?あんた、地上で相当噂になってるぜ」

「へー」

 

 モンスターの店主は興味なさそうに答える。むしろ噂になって色々と面倒ごとが生まれそうと思っていそうな声色だ。

 対人関係に慣れてるとはいえモンスターの表情からは感情を読むことはできないが噂を頼りにして来た俺たちを邪魔とは思っていなさそうなのが幸いだ。

 

「この玉は?」

「それは『かんゆうだま』モンスターを仲間にしやすくなるよ』

「テイムしやすいってことか」

 

 俺たちには関係ない。ガネーシャファミリアとかのデカいファミリアだと使う機会は多いかもな。

 

「じゃあこっちは?」

「それは『くぎづけだま』同じ部屋にいるモンスターを1箇所に集めて少しの間移動できなくするよ」

「部屋ってどのぐらいの範囲だ?」

「部屋は部屋だよ〜」

 

 範囲が曖昧すぎて使うのはちょっとな。もしかしたらやばいかもしれないが他のを見てから決めてもいいだろう。

 

「ならこれは?」

「それは『たんちのたま』使った階層にいるモンスターの位置が全てわかるよ〜。階層を移動したら効果がなくなるから気をつけね〜」

「値段は?」

「9万ヴァリスかな〜」

「よし、買わせてくれ」

 

 生存に関わるものは地上でも高く売れるはずだ。オークションにかければ、噂も相まって強豪ファミリアや研究者どもがこぞって買い取ろうとするだろう。特にダンジョン攻略に力を入れているロキファミリアに直接交渉するのもいいかもしれない。

 

「まいどあり〜」

 

 俺でも笑顔だとわかる店主の顔を見て、仲間と一緒に地上に帰ろうと、絨毯をでる。それに続けて仲間が出ようとした瞬間、目の前に店主が立っていた。

 

 瞬きなんてしていない。目を離してもいない。一瞬の間も置かずに後ろにいたはずの店主は現れていた。

 

「お客さんがお買い上げの道具は4万5千ヴァリスになります。よろしいですか〜?」

 

 俺は店主の言っている意味がわからなかった。商品の金はちゃんと渡した。あの玉意外に買ったものはないはずだ。

 でも俺にじゃなくて仲間に言っているということはこいつが何か商品の金を払わずに持っていたのだろうか?

 

「おい、盗むのは……」

「モンスターの物を取って盗み?違うだろ。モンスターのドロップアイテムを取ってもそれは冒険者の物だぜ!」

 

 俺の静止を振り切って仲間は剣を引き抜き、モンスターの店主に切り掛かる。

 

「こんな弱そうなモンスター俺一人で……」

「大事な売り物が〜!みんな捕まえてぇ〜!」

 

 仲間の振り下ろした剣は店主の頭に当たった。

 当たっただけだ。擦り傷すら着いた様子がない。

 

 ああ、伝えておけばよかった。この店主とあってから感じていた脊椎が凍りつくような、相対するだけでも首に鎌をかけられているかのような化け物と対峙した感覚があることを。

 

「な、なん──」

 

 仲間が前向きに倒れる。

 俺は幻覚を見ているだろうか?これが現実なんて世界の方がおかしいだろ。これが夢なら早く覚めてくれ。

 

 

 なんで店主が2人いるんだよ。

 

 そう思った瞬間に後頭部に何か強い衝撃が発生した。痛みはない。というよりも感じる時間すらない。俺の意識は暗闇の底へと消えていった。

 

 

 

 その日からとある冒険者は心を入れ替えたようにモンスター商店での盗みの危険性を注意喚起し、とある冒険者は無くなっていたアイテムや金の補填に追われていたという。

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり商品を盗む人っているんだな〜」

 

 ワタシは倒れ伏している2人の人間を見下ろしながらそう呟く。たぶんリーダーのような男は普通に買い物しただけなのだろうが連帯責任だ。仲間が盗んだのなのだから責任を取ってもらった。

 

 さて、この人間をどうしようか。そのまま置いておくのはダメだ。殺すのもワタシには無理…というかポケモンとしてグロテスクはNG。

 やはりここはポケダンに習うべきだろう。

 

 彼らの財布やポーチから金とアイテムを頂戴して、担ぎ上げる。

 カクレオンだからこその技『ほごしょく』で自分を環境に同化させる。その精度は凄まじく透明人間と言っても差し支えない。人間ではないけどね〜。

 

 後はワタシのラスボスを超えたステータスのゴリ押しだ。誰にも見られないように高速で地上を目指し、階段を駆け上る。少し見ただけでは何が起きているか理解できないだろう。

 

 ダンジョンでは感じたことのない太陽の光を感じられるところまで来たので冒険者たちを投げ捨てる。

 盗人にあげる温情はここまでだ。後は人間同士で助け合ってくれ。

 

 は〜、噂が広がるとこういう面倒な輩が増えそうでやだな〜。でも噂が広がるとワタシの商店を利用する人も増える…。悩ましいな〜。まあ、最悪ワタシの『かげぶんしん』というなの実体を持った別の分身で囲んで殴れば負けないからいいんだけどね。

 

 でも面倒だからしばらくの間はもっと下の階層で店を開こう。下に行けば行くほど強くなるダンジョンなんだから下に来られる人も少なくて彼らみたいなチンピラじみた人も少ないだろう。

 

 それに水中に逃げられても追い詰められるようにあのクソでかい滝で水泳練習したいと思ってたし一石二鳥だ。

 あと前に逃した人魚を次こそは倒して、人魚の血をポーションのビンに詰めて商品にしよう。冒険者の噂によるとすごい回復薬になるっぽいし高値で売れるだろう。

 

 目指せ一億ヴァリス!

 

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