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<インタビュー>w-inds. アルバム『winderlust』ではじめる新たな一歩&24年を経た2人の現在地



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Interview&Text:坂本ゆかり
Photo:興梠真穂


 w-inds.が、2025年3月26日に16枚目のアルバム『winderlust』をリリースする。今作は、配信シングルや橘慶太セルフプロデュースによる楽曲のほか、PCSC限定盤はそれぞれ特典のボーナストラックとして、ソロ歌唱による過去曲のセルフカバー2曲が収録される豪華仕様。そんなアルバム『winderlust』にはどんな思いとメッセージが込められているのだろうか。彼らが歩んできた24年間と併せて、たっぷり語ってもらった。

気持ちと作品が今、
ぴったり合っている感覚

――アルバムタイトル「winderlust」というのは、造語ですか?

橘慶太:そうです。僕たちのグループ名「w-inds.」と、旅や冒険を意味する「wanderlus」を掛け合わせました。w-inds.のこれからの旅や冒険のスタートという意味合いのアルバムになっているので。


――旅や冒険というコンセプトからスタートしたアルバムということでしょうか?

:コンセプトからアルバムを作ったわけではなく、アルバムを制作してるうちにこのコンセプトに気付かされたんです。僕は今、作詞・作曲・アレンジからマスタリングまで全部自分でやっていて、作品を作っているうちに、自分が書いてる歌詞や作っているサウンドから、今の自分の心情がすごく前向きなんだと改めて気付かされた。作りながら自分の考えと向き合えたんです。それがわかった瞬間、w-inds.の新たな旅、新たな一歩が始まる感じがして。それで制作途中に、このタイトルに行きつきました。


――最初に聴いたとき、「すごくポジティブなアルバムだな」と感じたのですが、合っていました。千葉さんは、このタイトルを聞いてどういう感想を持たれましたか?

千葉涼平:2020年にコロナがあってw-inds.の体制も大きく変わって、『20XX “We are”』(2021年)というアルバムは、自分自身も迷いつつ「頑張らなきゃ!」という気持ちで作りました。時を経て、アルバム『Beyond』(2023年)から今年の1月までやっていた【Nostalgia】というツアーで、今のw-inds.の形で昔の楽曲もちゃんと表現できた。そこで、自分の中での整理ができた気がしたんです。2023年のデジタルシングル「RUN」から『winderlust』までが繋がっている……。やっと走り出せるというか、自分の気持ちがしっかり追いついて、このアルバムが完成した。気持ちと作品が今、ぴったり合っている感覚です。


――制作中にも、そういう前向きな雰囲気があった?

:常に前向きだけれど、迷いがなくなった感じはすごいあるんじゃないかな? お互いに。


――そこが「攻め」に繋がっているのでしょうか? 表題曲が「Who’s the Liar」って、攻めすぎじゃないですか?

:そう感じますよね(笑)。僕もちょっと攻めすぎかと思って、最初は「Zip It」を表題曲にしようと思ったんです。でも、「Who’s the Liar」のマスタリングまで全部自分でやったら、過去1番といえるくらい自分の理想のサウンドが鳴らせて。海外のトップエンジニアに肩を並べるくらいの作品を自分で作れたことにすごく感動して、やっぱり「Who’s the Liar」を表題曲にしたくなりました。

 それでモヤモヤしていたら、涼平くんが「やっぱり『Who’s the Liar』でMVを撮った方がいいんじゃない?」と言ってくれたから、そこに便乗した(笑)。誰かが言ってくれるのを待っていたところはありますね。攻めすぎという不安もあったけれど、今自分たちが1番いいと思っているものを表題曲として届けたかったんです。


千葉:2年ぶりにw-inds.がカムバックするのだから、みんなに「w-inds.攻めてるね!」と思ってほしかった。


――曲だけでなく、歌詞も攻めてますよね。インスピレーションはどこから沸いたのですか。

:SNSはもっと上手く使って、流されないでほしいという想いからです。トラックが攻めていたので、歌詞もこれくらいエッジが効いていてもいいかなと。今のw-inds.が攻められるギリギリです。これ以上行くと、下品になる。基本的にはエレガントに行きたいから。


――MVは(取材時)まだ完成していませんが、バチバチに踊っていそうですよね。

:スゴイですよ。千葉さんのダンスブリッジが! お疲れ様でした(笑)。


千葉:うん、「立っている俺を褒めてください」というレベルです(笑)。でも、すごくカッコいいですよ。今回、GANMIのSotaくんに振付してもらったのだけれど、「GANMI全員で行きますよ!」と、11人で参加してくれて総勢13人で踊っています。この人数で踊るなんて過去振り返ってもなかったんじゃないかな。人数が多いとできる構成の数が違うし、やっぱりいいな。


:ダンス以外には今までのMVにないようなCGを使ってみたり、シンプルな中にギミックがある。楽曲もそうだけれど、そぎ落とされた良さがある、シンプルを突き詰めた作品になっています。



w-inds. - Who's the Liar (MUSIC VIDEO)


――おふたりが好きな曲は?

:僕は「One more time」が好きですね。ドライブや散歩の時に聴くと、気持ちいい。風を切るのに合っている気がします。


千葉:「Feel the beat」は何も考えずに楽しめる楽曲。すごく好きです。パーティーソングとして聴いてほしいな。


:自分は絶対にパーティーやらないのに(笑)。


――「Like a fam feat. 島袋寛子, 谷内伸也(Lead), KIMI(DA PUMP)」は、事務所のファミリー大集合ですが、作ることになったきっかけは何だったのでしょう。

:この曲は、僕が楽曲制作を始めて1、2年目くらいの時に、トラックとサビのメロディーを作っていたんです。このタイミングだったら古くないなと思って、ライブのリハーサルの時に涼平くんに聴かせて、「昔作った曲だけれど、どう?」とにきいたら、「めちゃくちゃいいね。この曲やろうよ」となったんだけれど、涼平くんはそのことを覚えていなかった(笑)。


千葉:ははは(笑)。僕、すぐ忘れちゃうから。


――ファミリーのための曲を書こうというのは最初からあったんですか?

:まず、「あったかい曲を書こう」と思ったんです。今のw-inds.とファンの関係性って、ファンとアーティストというより家族に近い気がしていて。長く活動していると、そういう関係性になってくるでしょ? 同じ事務所の同世代アーティストのみんなも長く活動しているから同じだと思うし、僕らと事務所のみんなもファミリーみたいなものなので、そういうメンバーでこの歌を歌いたいなと思ったんです。


 それでライジングを代表するラッパー2人(谷内伸也、KIMI)に来てもらって。キーが高いのは僕のファルセットでも行けるけれど、女性ボーカルの温かみが欲しくて、寛子さんにお願いしました。


――レコーディングは、どんな感じだったんですか?

:普段のレコーディングは涼平くんを僕の自宅スタジオに呼んでいるので、伸也とKIMIくんにも来てもらったのですが、さすがに先輩の寛子さんを家に呼ぶわけにはいかないので、寛子さんだけは外のスタジオで。先輩のディレクションは、めちゃくちゃ緊張しました。寛子さんと「緊張する!」と言い合っていました。


――千葉さんは、見に行かれましたか?

千葉:集中してほしいから遠慮しました。僕もいつも慶太と二人きりでやっていて、気楽にできるので。でも仕上がりを聴いて、「最高!」と思いました。


――<PCSC盤>には、「Winter Story」と「New-age Dreams」のソロセルフカバーが収録されているのも面白いですね。

:これも【Nostalgia】というライブをやったからこそ。楽しんでもらえる要素を入れたくて。


――改めて、お互いの歌声を聴いてみてどんなことを思いましたか?

:やっぱり涼平くんの声は、J-POPのメロディに合う。ダンスミュージックや海外の曲のように打楽器風に歌うものより、J-POPの流れるようなメロディーが涼平くんには合っている。だからw-inds.の過去の作品にも合うんですよね。


――千葉さんの声って爽やかですよね。それに、声がめちゃめちゃ若い!

千葉:昔の曲だから、自分の気持ちも自然と当時に帰ったのかも。普段、慶太が歌って僕が歌ってというのを聴いているのと印象が変わりますね。


:こんな爽やかなやつじゃないのに(笑)。


――レコーディングは楽しかったですか?

:楽しくなさそうだったよね(笑)。


千葉:「New-age Dreams」はツアーでもやっているからいけると思ったんだけれど、慶太のパートは戸惑いました。ツアーを通してちょっとずつ構築して育ててきた感覚だったから、それがない慶太のパートはなんかしっくりこなくて、「ちょっと待って」と考えちゃったり。


:それが面白かった。「慣れってやっぱあるんだな」と思った。


――橘さんは、自分の歌を自分がディレクションするわけですが、それってやりやすいものなのですか?

:やりやすいですよ。ミックスし終わってからでも気になったら録り直せるのは、全部自分でやっている強みですね。レコーディングのためにスタジオを取って、エンジニアに来てもらってというのじゃないから可能なんです。自分の理想に持っていきやすい環境なので。


――入口から出口まで、自分の頭の中が全部落とし込めるのは、ストレスがない?

:ないですね。自分の理想になかなか近付かない時はストレスだけれど、最終的には納得するまで突き詰められるから、ストレスなしになる。


――でも、どんどん自分の時間がなくなっていきませんか?

:そう思わなくなってきました。だから今は、時短のための工夫をしています。なるべく早く作業ができるセットを組んだり、やり方を工夫したり。


――曲をストックするようになったというのも工夫のひとつですか?

:僕は曲作りをしていても、別のアイディアが出たら作業していた曲を捨てて、次の曲を作り始めちゃうんですよ。


――もったいない!

:そうなんです。それにようやく気付いて(笑)。今年から、作り始めたら最後まで作るようにしました。イマイチと思っても最善を尽くして仕上げる、かつ作業時間も短くすると決めて。そうして『winderlus』を予定より早く納品できたから、次の作業を始めたら、1週間で4曲もできた。


千葉:今日も新曲を聴かせてくれました。「これ良くない? 7時間で作ったんだ」って。


――量産フェーズにまで入った?

:「Who’s the Liar」で自分の理想の音を鳴らせるようになって、「次に成長するには?」と考えて「時間だ!」と思ったんです。「いいな」と思える曲ができて、すぐに次が作れるのはメンタルにもいい。悩んで悩んでようやくできる喜びもあったけれど、ずっとハッピーな気持ちで音楽を作れると、どんどんできちゃう。


――とはいえ「時短」を目指す中でも、ゲームはやる……と(笑)。

:うん、ゲームは僕の息抜きで、生きがいなので。何をしていても音楽のことを絶対に考えちゃうんですよ。街中で音が鳴っていたら「この音色いいな」と思うし、サウナに行っても休憩の時に海外の楽曲制作の動画を見ちゃうので、唯一ゲームの時だけ音楽から離れられる。だからその時間をなくすと、音楽で煮詰まっちゃいそうなので、大切にしています。脳のリフレッシュを強制的にする感覚ですね。ゲームを正当化していますけれど(笑)。


――千葉さんは、そういう切り替えみたいなものってありますか?

千葉:ダンスの練習かな。自分の好きなことだけやっている時は、いい切り替えになっています。


――そう考えると、二人とも自分の好きなことがちゃんと仕事になっていますね。

:音楽が好きでも仕事になっていない人が世の中たくさんいる中で、ありがたい環境だなと思いながらやっています。


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