NHKの稲葉延雄会長は25日の記者会見で、長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)を扱った番組「緑なき島」を巡って自身が元島民に謝罪する意向を表明したことについて「元島民に向けて私の思いを、名誉を長く毀損(きそん)され、つらい思いをされたことに対し、誠に申し訳ないという気持ちを直接伝えたい」と語った。面談の日程などは「代理人を通じて調整中」と述べるにとどめた。
元島民によると、稲葉氏との面談は26日夕方、都内のホテルで調整している。冒頭はマスコミに公開されるが、記者が退席し稲葉氏が元島民と話し合う場面で、NHK側は元島民に録音・録画を許可しない条件を提示しているという。
稲葉氏は会見で「詳しいことは調整中だ。答えは勘弁してほしい」と述べるにとどめた。
ただ、改めて記録を禁止することの必要性について尋ねられると「なぜそういうことが必要なのかどうか良く分からない」と疑問視し、「元島民に直接会って、『申し訳なかった』という気持ちをお伝えしたい。それだけだ」と語った。
「緑なき島」の坑内映像は韓国メディアに無断使用され、戦時徴用を巡る虚偽情報が拡散される契機となった。元島民は令和2年11月以降「軍艦島で撮影された映像ではない」とNHKに訂正と謝罪を求め、NHKは昨年12月、東京簡裁で成立した調停で坑道内の照明とされた映像について「坑内との確認が得られていない」と認めた。
稲葉氏は2月12日の会見で「個人として元島民の方々に長い期間にわたって大変つらい思いをさせ、名誉を傷つけられたことが続いたことに対して、申し訳なかった」と述べ、直接面会して謝罪する意向を示していた。
その後、NHK側は元島民に対して、面談会場をNHK放送センター(東京都渋谷区)に打診したり、録音・録画やマスコミの取材は認めない方針を提示したりするなどして、オープンな場での謝罪を求める元島民側が反発していた。