2025-03-26

兵庫県第三者委員会における「3号通報該当性」の認定に感じる違和

 兵庫県調査報告書の134頁なんですが、「3月の文書が3号通報である」という認定に大きく違和感を覚えています。私の感覚おかしいのかもしれませんが、ご意見いただけるとありがたいです。

まずは報告書134頁から引用(太字のところの番号は筆者追記

(イ)以上によれば、本件文書は、公益目的はあるが、齋藤知事片山副知事及びその他の幹部職員に対しての複雑な感情に基づいても作成され、配布されたものと認められる。そこで、本件文書作成·配布行為については、「不正目的」がなかったといえるかどうかが問題になる。

 まず、「不正利益を得る目的」について検討すると、元西播磨県民局長が令和6年3月末での退職希望し、民間団体への再就職も決まっていたこから、本件文書内容を流布させることで「不正利益を得る」ということは考えにくい。したがって、「不正利益を得る目的」があったとは認められない。

 次に、「他人に損害を与える目的」については、確かに、本件文書の文面からは、これを作成·配布することで齋藤知事らの信用が低下する効果を望む感情も窺える。しかし、上記の本件文書作成·配布当時の同局長退職をめぐる状況に照らすと、将来的に何らかの影響力を行使して、実際に齋藤知事や県の幹部職員らを失脚させる目的があったとまでは認めることができない。②また、本件文書末尾に「関係者名誉毀損することが目的ではないので、取扱いには配慮するように」と本件文書の取扱いについて注意を促す記載があることに照らすと、本件文書記載された企業金融機関や県の外郭団体等に損害を与える目的があったとも認めがたい。

ウ、県は、齋藤知事が本件文書を知人から入手したこときっかけに始まった初期の調査段階では、保護法を全く意識せずに、本件文書を「名誉毀損怪文書であるとして対応した。また、保護法との関係意識され始めた4月1日以降は、元西播磨県民局長公用パソコン内に存在した別のデータ内容も勘案して、「政権転覆をねらう不正目的あり」との理由で、3号通報には当たらないものとして取り扱った。

 確かに、本件文書中には齋藤知事片山副知事らを揶揄するような表現があり、公用パソコン内に存在したデータ中には、「政権転覆」といった文言もあった。しかし、当時元西播磨県民局長退職間近であったこと等に照らすと、それは単に空想上のものであって、実行に移す意図までを窺うことはできない。また、④本件文書の配付先が10か所に限定され、その中に県警本部が含まれいたことや、上記のとおり、取扱いに注意してほしいとの注記がなされていることからは、直ちにこの文書内容を広く流布して県政を混乱に陥れようとの不当な意図も看取することができない。⑤現に、3月27日の齋藤知事記者会見までは、本件文書存在世間の注目を集めていなかったし、それによる県政の混乱もなかった。

エ 以上の考察からは、本件文書の配布が「不正目的」でなされたもの評価することはできない。本件文書作成·配布行為は、3号通報に該当する。

以上をもとに素朴な疑問

上記の本件文書作成·配布当時の同局長退職をめぐる状況に照らすと、将来的に何らかの影響力を行使して、実際に齋藤知事や県の幹部職員らを失脚させる目的があったとまでは認めることができない。

 →そのあとの記述PC内に「政権転覆」と書いていたことは認めているのに?また、第三者委員会でも認定できないようなものも多数書かれたものを、マスコミにまでばらまいているのに?

  退職間近だったことだけで上記PC内の記載にもかかわらず上記のような不正目的を基礎づける事実無視できるの?

②本件文書末尾に「関係者名誉毀損することが目的ではないので、取扱いには配慮するように」と本件文書の取扱いについて注意を促す記載があることに照らすと、本件文書記載された企業金融機関や県の外郭団体等に損害を与える目的があったとも認めがたい。」

 →実際に第三者委員会でも認定できなかった多数の事実ではないものや・誇張された記載があるうえ、実名マスコミにまで配布しているのに、末尾に弁解を少し書くだけで損害を与える目的でないとして評価されるべきなの??

  えてしてこういう文書自分を守る文言自分行為が悪意に基づくものではないこと)をアピールすると思うけど、それを文面通り真正からそのとおり、としていいの?もっと深堀りして考える必要はないの??

公用パソコン内に存在したデータ中には、「政権転覆」といった文言もあった。しかし、当時元西播磨県民局長退職間近であったこと等に照らすと、それは単に空想上のものであって、実行に移す意図までを窺うことはできない。

 →マスコミを含めた先に配布する行為は「まさに計画を実行に移している」と評価されるべき事実ではないの?

  「空想上のもの」ということを基礎づける根拠事実認定の基礎となる事実は「退職間近であったこと」というだけ?根拠弱くない?実際に事実ではないこと、事実として認定できないことが多数書かれた文書が配布されているのに?

④本件文書の配付先が10か所に限定され、その中に県警本部が含まれいたことや、上記のとおり、取扱いに注意してほしいとの注記がなされていることからは、直ちにこの文書内容を広く流布して県政を混乱に陥れようとの不当な意図も看取することができない。

 →「10カ所に限定されていた」っていうけど、配布先にマスコミが含まれており、伝播可能性があった(少なくとも伝播を意図していたことがうかがわれる)のに、それを無視して、「10か所に限定」という評価認定妥当なの?

 警察が含まれていることは指摘しつつ、マスコミが含まれていることを指摘しないのはなぜなの?むしろマスコミへ配布したことの方が結語の「文書内容を広く流布して県政を混乱に陥れようとの不当な意図も看取することができない」との関係で慎重に吟味しなければならない重大な部分だと思うんだけれど、記載がないのはなぜなの?(結論との関係で都合が悪いかマスコミへ配布したことについて言及を避けているのではないの?)

 そもそも10か所」って「限定」されていたと評価できるの?私の悪口マスコミ含めた10か所にばらまかれていたら「限定されていた」と評価されると到底納得できないんですが・・・

 末尾に「取扱注意」と書けば不当な意図がない、と評価されるというのは認定根拠として合理性があるの(上述と同様)?

⑤現に、3月27日の齋藤知事記者会見までは、本件文書存在世間の注目を集めていなかったし、それによる県政の混乱もなかった。

 →会見との時間的関係はあれど、実際に第三者委員会でも認定できない事例を含めて「7つの疑惑」としてマスコミ報道されて県政が混乱したわけで、マスコミ提供した時点でマスコミ報道を期待していたとしか思われず、デマを混在させた投書により県政の混乱を意図していた、とも評価できるのではないの?

 少なくとも、「疑惑の水増し」をしていたこととの関係から主観的意図を読み解く必要はないの?(そもそも公益通報保護対象とされるのは刑事罰があるもので、結局認められたのはパワハラのみと、公益通報保護法の対象外でもあると認識しています。)

報告書の率直な感想(現時点 情報更新されることにより変化する可能性はあります

 今回の報告書で注目していたのは、「3月の文書配布が公益通報に該当するか」という点だったのですが、これについて上記のような(私からすると)雑と思える認定だったのは残念だな、と思っています

 斎藤さん側としてもこれでは納得できないだろうし、反斎藤さんとしても、この書きぶりは「武器としても弱いなあ、もっとしっかり深堀して書いてくれよ」そう思うのではないか、と思っていますので、コアな論点に関して、この第三者委員会は十分な論証・検討を欠いているように思われてなりません(この3号通報に該当するかしないかによって、文書作成者の探索や懲戒違法性にまで波及するので、この論点は今回の「根っこの論点」なのに、これじゃあ根腐れしているじゃないか、と感じています。)。

 率直にいうと、今回の報告書については、一部パワハラ認定されているところもあるものの、いわゆる「7つの疑惑」について、多くは認定されていないようですし、今回の文書には誇張も大きく混ざっているようです。このような「ごちゃ混ぜ型(悪く言えば味噌くそも一緒型)」の「外部への」投書について、一部事実が混在していることをもって(それもパワハラというどこの企業でも多かれ少なかれあるような話)すべからく3号通報として公益通報になって保護される、というのは、先例として適当な結果なのだろうか、と思わざるを得ないように考えています

 

 以上の感想についてはいろいろなご意見もあろうとは思っています

 特に公益通報を委縮することになるではないか」という考え方もあるとは思うのですが、今回は政権転覆云々の話もありますし、実際に事実として認められないものも多かったわけで、非常に判断が難しい事件のように思っています。その分、第三者委員会先生方にはこの「公益通報にあたるのか」の論点について緻密且つ十分に深掘りされた検討がされることが望ましかったのですが、上記のような点から残念なものだったなぁと思う次第です。

 そして、マスコミ報道が「第三者委員会において違法を認めた」という結果のみにフォーカスして報道されているのを見るたび、上記の点については、もっと各所にて議論を尽くしてほしいな、と思っています

 補足(チャットについて)

 ちなみに、個人的な興味関心ごとですが、パワハラ認定された時間外のチャットについて補足すると、私は「チャット業務時間外に送付する」ということ自体は悪くはないと思っていますチャットというのは「非同期コミュニケーション」こそがツール有用性だと思っているからです。私も、残業中に気になったことを忘れないうちに同僚や部下に送付することはあります

 問題は、送付先からレスがあったときラリーするのではなく「(忘れないうちに送っただけで)対応明日でいいよ」としておくべきかな、と思いますもっと言えば、業務用のチャットを深夜に見れる状況にある自体もどうかな、と思います(私の職場ではそもそも時間外には見れません)が、そこは上級職なら即時対応案件もあるのでケースバイケースかもしれません。)。

 その点では、斎藤さんの行動にも問題があっただろう、と思っています(非同期コミュニケーションツールであるチャットに即レスを求めていたとすれば、それはツール思想を取り違えているように思います。)。ただ、この事件を機に「業務時間外のチャット送信パワハラ」という私からするとツール本質を見誤ったメッセージに至ることは、チャットツールを使いにくくなるのでやめてほしいな、と思っています。(報告書の中身を見ればそういう結論にはならないだろうとは思いますが、報道見出しだけだとどうも深夜チャット問題かのような記事も多いので、、、。)

 

 チャットの時刻を見ると、斉藤さんは深夜まで公務に携わられていたようで、そういう意味では県政にフルコミットされて頑張っていたのかな、と思います。ただ、そういう方は得てして周囲の人や部下にも同じような行動を求めて勢いパワハラに至ってしまうこともよくある話ではあるな、と思ってみていますが、人格非難一辺倒、斎藤さんが社会から排除されそうな現在雰囲気は、あまり望ましい状態ではないな、とも思っています

 最初斉藤さんの激烈な反応も、多くのデマ第三者委員会でも認定できなかったもので、当時、斎藤さんとしては「デマ」と考えたでしょう。)と混ぜこぜに文書を配布されたことによるものともうかがわれるので、当該文書最初から今回事実認定された部分だけだったら、また違う結果になったのではないかと思うと、非常に残念な事件だなぁと思ってみています

  • 第三者委員会の先生方が「公益通報にあたるのか」の論点について緻密且つ十分に深掘りされた検討をした結果があの報告書だったんでしょ 増田が1人で頭で考えた結果がそれと違ったと...

  • 野菜~!! さいとうのウンコを肥やしにすくすく育った野菜~!! 収穫されろカス👋🤪

記事への反応(ブックマークコメント)

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