村上誠一郎総務相の発言が波紋を広げている。2月の衆院総務委員会で、今世紀末には人口が半減すると推計されることを踏まえ、将来的に「県庁はいらない」と持論を展開。あくまで個人の見解だとするが、各地の知事が反応した。少子化が加速し、公共インフラの維持管理が危ぶまれる中、地方自治体の役割を改めて考える。(中川紘希、山田雄之)
◆「今から考えないと間に合わないのでは」
村上総務相が自説を披露したのは、2月13日の衆院総務委員会。「個人的見解」とした上で、今世紀末に人口が半減するとの推計を踏まえ「現在1700以上ある自治体の構成では難しい。30、40万(人)で区切れば全国で300~400の市で済む」と説明。さらに「将来市と国が直結して交渉できるシステムが一番いいのでは。極端なことを言うと、県庁は全部いらないし、道州制も意味がない」と言い放った。
3月7日の参院予算委員会で、立憲民主党の杉尾秀哉議員が真意をただした。村上氏は「50、60年先に今のシステムが維持できるか。今から考えないと間に合わないのでは、という問題意識だ」と説明。修正や撤回はしなかった。
確かに人口減少は急激に進む。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、総人口は2020年の国勢調査では1億2615万人だったが2100年にはほぼ半減の約6300万人になる。
◆想定よりも15年早く進む少子化
2024年に生まれた外国人を含む子どもの数も、国が統計を取り始めた1899年以降で最少となる72万988人だった。同研究所の将来推計では、出生数が72万人台になるのは2039年と見込まれており、想定よりも15年早く少子化が進んでいる。
民間組織「人口戦略会議」も昨年、2050年までに自治体全体の4割となる744自治体が20~30代の女性人口が半減し消滅する可能性があるという分析を公表。政府に対し、社会全体で人口減への危機意識を共有する取り組みを求めた。
今回、村上氏の発言で突然存在を否定されることとなった各地の知事からは、さまざまな声が上がる。
◆愛知・大村知事「地域の実情に応じた行政の形があっていい」
岐阜県の江崎禎英知事は2月18日の会見で「国ではきめ細かい(住民)対応が難しく、経済単位として市町村は小さすぎる」と指摘。島根県の丸山達也知事も同日に「人口が半減するなら国家組織が率先して(在り方の見直しを)やる必要がある」と異論を唱えた。...
残り 2003/3010 文字
この記事は会員限定です。
- 有料会員に登録すると
- 会員向け記事が読み放題
- 記事にコメントが書ける
- 紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
カテゴリーをフォローする
みんなのコメント0件
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。