浜松 小学生姉妹死傷事故 78歳の運転手“事故当時の記憶ない”

24日浜松市で、小学生の自転車の列に軽トラックが突っ込み、8歳の女の子が死亡、10歳の姉が重体になっている事故で、軽トラックの78歳の運転手が「事故当時の記憶がない」と供述していることが捜査関係者への取材でわかりました。
警察は事故の状況とともに、運転手の健康状態についても調べることにしています。

24日夕方、浜松市中央区舘山寺町の路上で女子児童4人の自転車の列に後ろから軽トラックが突っ込み、近くに住む小学2年生の石川琴陽(こはる)さん(8)が死亡し、4年生で10歳の姉が頭を強く打って意識不明の重体となっています。

また、別の4年生の双子の姉妹もけがをしました。

姉妹の父親「今は何も考えられません」

亡くなった石川琴陽さんと重体となっている姉の父親は25日朝、NHKの取材に対し「きのう、娘が事故にあった時、自分は仕事で自宅にいませんでしたが、妻は娘から『友達と動物園に行く』と聞いていました。動物園には家族で行くこともありました。自転車は自分のめいからもらいましたが、娘はそんなに乗っていませんでした。元気な子でした。今は何も考えられません」と話していました。

祖母「寂しい 言葉にならない」

琴陽さんの祖母は取材に対し「おととい、浜松市内の私の家に遊びに来たときに忘れ物をしていったんです。その時、『また来るね』と言ってくれましたが、事故に遭ってしまいました。かわいそうというか、寂しいというか、言葉になりません。まだまだこれからだという年なのに、許せません」と話していました。

78歳の運転手「事故当時の記憶ない」供述

警察は軽トラックを運転していた浜松市中央区の農業、古橋昭彦容疑者(78)を逮捕し、25日、過失運転致死の疑いで自宅を捜索しました。

これまでの警察の捜査で、容疑者は調べに対し「なぜぶつかったかわからない」と供述していることが分かっていますが、捜査関係者によりますと、さらに「事故当時の記憶がない」と供述しているということです。

また、現場は下り坂のカーブで、軽トラックは自転車を巻き込みながら道路脇の壁に衝突し、道路にはブレーキをかけた目立った痕がなかったということです。

警察は事故の状況とともに、容疑者の健康状態についても調べることにしています。

容疑者を知る人「農業で軽トラック必要だったか」

古橋容疑者を知る80代の男性は「菊などを栽培し、真面目に仕事をしていた。軽トラックを運転して農業用ハウスに向かう様子をよく見ていた。農業をする上で軽トラックは必要だったのだと思う。これまでに事故を起こしたという話は聞いたことがなく、子どもをはねたと聞いてがっくりした」と話していました。

現場に花を手向ける人も

事故の現場には25日午前、花を手向けたり手を合わせたりする人の姿が見られました。

琴陽さんと同じ小学校に通う同学年の男子児童は「友達だったので悲しいです。琴陽ちゃんは、黄色が好きな色だったと思うから、黄色い花を選びました」と話していました。

児童の父親は「きのうの夜、事故が起きたことを知って子どももずっと考え込んでいました。同じ学年の子どもがいる親としては、ご両親にかける言葉がありません」と話していました。

65歳の男性は「自分にも小学生の孫がいるので、いてもたってもいられなくなって花を手向けに来ました。事故の現場は車で通ることがありますが、その際はゆっくり走っています。事故は絶対にあってはならないことでとてもつらいです」と話していました。

姉妹と登校していた女児「戻ってきてほしい」

琴陽さんと重体となっている姉と一緒に小学校に登校しているという小学4年生の女の子は、「いろいろな話をしながら毎日3人で一緒に登校していました。琴陽ちゃんは誰に対しても優しくて、亡くなって悲しかったし、つらかったです。今からでも戻ってきてほしい。お姉ちゃんとまた一緒に学校行けるようになりたい」と話していました。

【地図動画】なぜ事故が?現場は(12秒)

警察によりますと、事故があった現場は浜松市動物園の正面ゲート前から南に130メートルほどの片側1車線の道路で、軽トラックの進行方向から見ると緩やかに右にカーブし、下り坂になっているということです。小学生たちは道路の左側の路側帯を通っていたということです。

以前にも、女の子たちが自転車で出かける様子を見かけたことがあるという現場近くに住む80代の男性は、「『なるべく柵がある方を通りなよ』と声をかけたこともあります。顔も知っているだけにショックです」と話していました。

また、事故現場付近については、「下り坂なのでけっこうなスピードで車が走ります。土日は動物園に人が来るので交通量も多いです」と話していました。

警察 県内全域でパトロール強化

事故を受けて警察は、27日までの3日間、子どもの安全を確保するため、静岡県内全域でパトロールを強化することにしています。

このうち事故現場近くの道路では、複数の白バイが何度も往復して警戒にあたる様子が見られました。

静岡県警察本部の交通企画課は、車の運転中は速度を控えめにして運転に集中するとともに、特に春休み期間中は子どもに十分注意して運転するよう呼びかけています。

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