「何でよりにもよって今日は忙しいんですかね」
アイクはミアさんが抜けた穴を埋めるべく必死で複数の料理を作り渡していた
「ニャー!アイクまた客が増えたニャ日替わり定食三人前ニャ!」
「~分かりました!」
アイクが何となく考案した日替わり定食その日安く仕入れた食材を使い毎日違う料理を出す代わり毎日同じ格安の値段しかも量もそこそこあるその為冒険者以外の一般の人向けである
「日替わり定食五人前追加ニャー!」
「分かりました!」
売上はうなぎ登りその代わり厨房は戦争状態になっていた
「…………」
アイクは無心になりながら料理を作り出しているとミアさんが帰って来た
「アイク!今調理しているのを終えたら20分だけ休憩取って来な久しぶりのお姉さんに甘えて来な」
「はい!」
「ウニャ!アイクサボりかニャ!ならアーニャも!んニャー!」
アーニャも抜け出そうとするとミアがアーニャに拳骨をする
「このバカ娘!アイクはバイトあんたは雇用だろ!!」
「ミア母ちゃん理不尽ニャならアイクも雇用すればいいニャー!そしたら労働力が増え全部解決ニャ!」
アーニャは珍しく反論するがミアはアーニャに拳骨する
「あんたは借金あいつは今も律儀に宿泊代を出しているんだよ!」
「んニャーあいつ今も払っているかニャ!バカニャ!バカ真面目ニャ!」
「そうだよ!しかもアイクが居るお陰で店のポーション代は浮くし料理も出来る正直大助かりだよ」
「んニャーミア母ちゃんがべた褒めしてるニャ!明日は槍が降るニャ!」
「もう一回殴られたい用だね」
ミアは拳を握りアーニャはそれを察すると
「ごめんなさいニャ!ミア母ちゃん真面目に働くから拳骨は嫌ニャ!」
アーニャはそう言うと真面目に働いた
「まったく最初から真面目に働けてっんだ」
ミアはそう言うと調理をするのであった
アイクはミアさんから借りている自分の部屋とはいえ、今はアイクの姉さんが寝ている少し緊張する
「はっいけない今は小人だった【私は求む、私の不完全な肉体よ血が歌い血が叫ぶ、私は全てが不完全去れどその全てが私、去れど今はどうかどうか一つになることを許して欲しい、今は一つの種族に】……【エルフ】」
アイクはリューに触れる為にエルフになると覚悟を決め扉をノックする
「…………はい開いています」
その声はとても弱々しくアイクはゆっくりと扉を開けるそこには髪を切り髪をショートにしている金髪のエルフ
「…姉さん……」
「どうして貴方がここに……もしかして貴……」
リューは「貴方もですか?」と言う前にアイクはリューに抱きつく
「リュー……リュー姉さん…リュー姉さん…リュー姉ちゃん」
アイクはただ1人残された姉に抱きつき涙を流す
「もう……もう勝手に居なくならないでリュー姉ちゃん……」
アイクは涙を流すそこには普段大人びた少年からただの男の子になる瞬間だった
「大きくなりましたね」
リューはアイクの頭を撫で始める
「リュー姉ちゃんは……少し痩せたね」
「そうですね……確かに少し痩せましたね」
リューは少し微笑みいつもの姉さんに戻るのであったそして今のリュー姉さんの現状を聞いたそこには闇派閥の壊滅そしてその関わりにあった組織そして最後に神の送還した事を聞いた
「…………相変わらず無茶苦茶だねリュー姉さん」
アイクはリューの生活に驚き既にリューの手は血で汚れきっていることを確認した
「じゃあ次は私の現状を話したいけど…………」
アイクはそろそろ休憩時間の終了時間が迫って来た
「後で話すね……リュー姉さんそろそろ休憩時間が終わるから一時間半後また来るねそれまで絶対に安静いいねもし逃げたら……」
アイクは一つの日記帳を取り出し
「これをオラリア中に公開するから」
それはリューがオラリアで来てから今までの事を書き占めていたリューの日記帳
「なっ……貴方が持っていたのですか!?」
「ここは私の部屋で物の大半はアストレアファミリアから貰った物だから……ゆっくりとしていってね」
アイクは扉を開くとリューが慌てながら
「ちょ……待ちなさい」
「い•や•だ!勝手に居なくなる姉さんえの罰だよ」
そう言い残し扉を閉める
「良かった……目が覚めてくれてたありがとうリュー姉ちゃん」
少し涙を流し
「よし!新たな戦いに行くか!」
そこは客と言うモンスターと戦う事を決めたアイクであった
客と言うモンスターを撃退し、昼の営業を終わるとアイクは直ぐにリューの所に行くと魔法を詠唱しエルフの姿になる
「リュー姉さん入るよー」
「はい、どうぞ」
その声の主はシルだったが薄々嫌な予感を感じとり扉を開ける
「…………シルさん途中から姿が見えないと思ったらここに居たんですか」
「えぇ命の恩人の特権です」
そんな訳無いだろと言いたいが胸の中に押し留めそれより重要な事を聞き出す
「それでどこまで話ましたか?」
「え~~と全部?」
「…………全部?」
「はい全部ですアイクさんが酒場に来てから起きた事全部です!」
「………そっ…そうですか」
アイクリューの方を向くと申し訳無さそうな表情をする
「リュー姉さん……私…ずっと寂しかったです……お願いですからもう勝手に居なくならないで下さい」
「…………はい」
リューの声は小さいが居なくならない約束に安堵すると扉がノックすると返事をする前に扉が突然開くとミアが部屋に入る
「それでミアさん今後姉さんをどうするつもりですか?」
「そうさね……まぁ借金を返して貰うのは当然としてまずは」
ミアは豊穣の女主人の従業員の服をリューに渡し
「家で働いて返して貰うよ」
ミアの言葉にリューは驚きながら
「なっ私がここで働けと!」
「そうさ金が無いなら働いて返して貰わないと」
ミアの言葉にアイクは止める
「待って下さいミアさん!」
「なんだいアイクあんたも止めるつもりかい?」
「えぇ勿論止めますとも!」
「そうです言ってやりなさいアイク!」
リューはアイクを援護するがアイクはそれよりも
「このポンコツエルフを働かせる気ですか!?」
「そうですポンコツエルフの私…を?………ポンコツ!?」
リュー弟のアイクからポンコツエルフと言われ戸惑うが
「アイク!?私は…」
「姉さんは黙ってて!」
「ウッ」
リューはアイクの気迫で怖じ気づく
「リュー姉さんはポンコツ過ぎてファミリアの中でも頑固でそれよりも厄介なのが掃除、洗濯、片付け、料理、皿洗いが出来な過ぎて二度とさせない事をリュー姉さん以外で結託するほどの中ですよそれなのに働かせるって本気ですか?」
アイクの言葉でリューの心に傷が付きリューのライフケージがゼロになり
「ポンコツエルフ……私が?」
「リュ……リュー大丈夫?」
シルはリュー寄り添い慰めるミアさんは
「なら今日からそれを克服すれば良い」
「しかし……ミアさん」
「最初から出来る人なんて居ないさその点リューはポンコツかも知れないがこのままって訳にも行かないだろよ、なら今から克服するだけさね…まぁ失敗したらしたで借金が増えるだけ別に損は無いからね構わないよ」
「そっそうですかミアさんが言うのなら」
アイクはミアの言葉に納得する
「では姉さん達の中で一番のポンコツエルフですがよろしくお願いしますミアさん」
「あぁ任せときなこのバカ娘を一人前の従業員に仕込んでやるよ」
ミアは手を胸に当てドンと来いと言わんばかりに自信に満ちていた……だがしかし
ミアはこのポンコツエルフのポンコツを侮っていた