“28年前”の性加害告発で懲戒免職、ネットでもバッシング…元中学教師が「女性の訴えは虚偽」と主張、復職を求める理由
元女子生徒の主張は裁判で「棄却」されたが…
2016年2月、当時38歳になっていたA氏は、弁護士らとともに札幌市役所を訪れて居酒屋での録音などを提出、わいせつな行為を受けていたことを理由に、鈴木氏を懲戒免職処分にすることを求めた。 鈴木氏は市教委の事情聴取に対して上記の事情などを説明して全面的に否認。結局、わいせつな行為をした事実は認定されず、処分は行われなかった。 2019年2月、A氏は過去にわいせつな行為を受け、その結果としてPTSDを発症したことを理由に、札幌市と鈴木氏を相手に3000万円の損害賠償を求めて提訴。同時期に自己破産手続きも進めた。訴えは1審・2審とも除斥期間にかかっていることから棄却された。 1審の東京地裁は、A氏が主張した、中学や高校時代に行われたとするわいせつな行為について事実として認定しなかった。 また、大学生になって性的関係のあった時期、A氏が恋愛感情に基づくものと長期間誤解していたという主張を「売春を含む風俗の仕事までしていた原告A氏において…誤解が解消されることなく続いていたとは考え難い」(東京地裁判決令和1.8.23、p13)と切り捨てた。
審理を経ずに「わいせつ行為」が認定された
ところが、2審東京高裁は一度も実質的な審理を行わないまま中高時代のわいせつな行為を認定する。 もっとも、この認定は判決理由中の判断であり、法的拘束力がない(民事訴訟法114条1項参照)。裁判で決すべき権利の帰趨(きすう)にとって重要でない場合には、法律家でも「緻密かつ正確に事実認定がなされないこともあり得る」と認識している人が多くいるとされる。 鈴木氏は裁判に勝っているため、判決理由中の判断に不満でも上訴(上告)できない。逆に敗訴したA氏は上訴せずに判決を確定させて「裁判所は事実と認めてくれた」と言うことができる。 その後、A氏は性的な問題の被害者として様々なイベントに出演。性犯罪に関する法務省の検討会では学校内の性的暴力に関する資料を提出するなど、「被害者」の立場として活動をしている。