“28年前”の性加害告発で懲戒免職、ネットでもバッシング…元中学教師が「女性の訴えは虚偽」と主張、復職を求める理由
対立する言い分
裁判資料や当時の報道によると、A氏は、中学の卒業式の前日に鈴木氏の自宅でキスされたことが自身が受けた性的被害の始まりと主張している。 高校時代も性的被害は続き、大学2年(1997年)の夏に別れを切り出されるまで、A氏は鈴木氏との関係を「交際している」と感じていた。だが、その後しばらくして、鈴木氏による行為について「暴力を振るわれていた」と認識するようになったという。 一方、鈴木氏はA氏の主張を「全くの虚偽」と断じる。当時勤務していた中学校は3年生だけで約240人おり、A氏の存在を認識していなかった。 ところが、A氏が高校入学後、自宅に電話がかかってくるようになり、「家庭のことで相談したい」と言われて外で会うことにした。その後、進路相談を含め、3か月か半年に1回程度、ファミリーレストランなどで会ったが肉体的な接触は一切なかったという。
鈴木氏「元女子生徒の発言は妄想」と主張
A氏が大学2年の1997年5月に「好きなので交際してほしい」と鈴木氏に要望し、同年夏ころから二人は交際を開始。 交際を始めると、鈴木氏はA氏の性的妄想に辟易(へきえき)とさせられた。車に乗せて駅まで送る車中、A氏は「中学の頃、キスをした」「高校生の時、抱きついてきた」、さらに口腔(こうくう)性交をさせられたなどと、事実ではない性的な妄想を口にし続けていたという。なお、これらのA氏の発言は、後に裁判であたかも事実であったかのように訴状に記載されている。 A氏が性的にオープンすぎることなどから鈴木氏との口論が多くなり、1998年秋、交際が終了した。 しかし、その後も電話で「会いたい」と言われたり、自宅の前で待ち伏せされたり、ストーキングのような被害を受けた。また、別の女性と交際を始め、その女性のアパートにいた時に、いきなり押しかけられるという被害も経験した。 「そうしたA氏の異常とも言える言動から『ヤバい人なんだな』と感じました」(鈴木氏) それからおよそ17年後の2015年11月、鈴木氏が勤務していた中学にA氏から電話がかかってきた。 「『会いたい』という申し出に冷たい態度で突き放すと、以前のようにストーキングされたり、職場や家族に性的な妄想話をされたりするなど、思わぬ被害に遭いかねません」(鈴木氏) そこで居酒屋で顔を合わせることにした。飲み始める前にA氏から「今、精神科のカウンセリングを受けている」と聞かされ、その精神状態が少なくとも健康ではないことを確信した。 「会う半年か1年ぐらい前、交際相手に硫酸をかけた女性の話を新聞で読みました。 それで劇薬をかけられたり、刃物で刺されたりしたら…と思いました。美術系の大学には金属を腐食させて加工するための硫酸、塩化第二鉄など劇薬が置いてあります。彼女が美術系の大学に進学したと知り、その上、精神状態が普通ではないと分かりましたから『これは、危ない』と。 『 口論になると何をされるか分からない』と考え、過去に散々聞かされていた妄想話に相づちを打ち、気分よく帰らせることだけを心がけました」(鈴木氏) だが、そのやりとりは録音され、後に「自白した」証拠として裁判に提出されることになる。