2023年10月26日の最高裁判決を受け、FTMで男性ホルモン注射+乳腺切除術を受けているケースで、子宮・卵巣を残したまま家裁での性別変更にチャレンジを希望する当院の患者さんが2名あり、性別変更申立書の作成を準備しています。画期的な判決と言えますが、保守派から強い反対意見が出ており、今後の法整備に悪影響が出ないようにするため当院では、以下の独自のルールを設定しました。
1)性別再変更(女→男→女)がないこと、
2)性別変更後に、男性ホルモン治療をストップして分娩する予定がないこと
が確認できれば、FTMで男性ホルモン注射+乳腺切除術を受けているケースで、
子宮・卵巣を残したまま家裁での性別変更にチャレンジする人を応援します☆
これからもよろしくお願いします。
2023年12月6日 性別変更に成功した!と、FTMの患者さんから初めてのメールが届きました!
日本のトランスジェンダーの人たちにとって、歴史的な1日となりました。
10月26日の最高裁判決(性別適合手術を強制することが憲法違反)をうけて、
子宮・卵巣を温存しているFTMの人に、性別変更申立書を作成してきました。
裁判官は、自分の良心に従って何者にも強制されずに判断を下すことが憲法で保証されており、
最高裁判決に従うかどうかは裁判官次第です。
法律の世界は前例主義なので、チャレンジして成功するFTMの人を増やしていくことが、
性別変更のハードルを下げていく助けとなるでしょう。
電子カルテを参照すると、オンライン診療で書類を作成したのが11月10日、
送られてきた家裁の書類は、12月1日なので、2週間余りで家裁の判断が降りたことになります。
ちなみに、男性ホルモン注射+乳腺切除していれば、子宮・卵巣を温存したままで性別変更OKとするのは、
アメリカの民主党の強い州(カリフォルニアやニューヨーク)のシステムです。
性自認だけで性別変更OKとするのは、ブラジルですね。
これで、市町村役場に家裁の書類を持ち込んで性別変更の手続きを終えると、名前は既に女性→男性名に
変更されているので、性別記載のある公的書類の変更をすれば完了です。
男性なので、同棲中の女性との法律婚も認められます☆
なお、子宮・卵巣を温存しているため、不正出血を防止するため、閉経する51歳ころまでは今のペースで男性ホルモン治療を継続する必要があります。子宮・卵巣を切除した場合に較べ、使用する男性ホルモン量が多いので、肝機能障害・多血症・薄毛(AGA)などの副作用が出やすいので注意が必要です。
閉経して、不正出血する可能性がなくなれば、手術を受けたケースと同じくエナルモンデポー250mg→125mgに減量するなどして60~70歳くらいまで治療を継続することをお勧めします。
将来、子宮・卵巣に婦人科的病気(癌や良性腫瘍・炎症性疾患)ができた場合は、今後、例外・特例として健康保険を適応して治療するような流れが出来てくると予想しています。
おめでとう!残りの人たちにも、良い結果が出ることを祈っています。