公益通報者保護法。進歩的で人工的な法律。

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なぜ斎藤知事を批判する人は左翼だらけなのか。これは本人のパーソナリティもあるが、公益通報者保護法というのが昔からある法律ではなく、進歩的で人工的な法律だからである。人類を進歩させるために、何かを人工的に継ぎ足そうとする虹色の運動であり、この不自然さを受け入れるか受け入れないかの問題である。最初に通報した渡瀬康英が正義で、それへの反撃はすべて違法になるという、先制攻撃が圧倒的に有利な戦法を見せられて、われわれは理不尽に思ったのである。もちろん、告発した内容が、重大なスキャンダルであれば違和感がないが、今回は渡瀬の告発自体がくだらないので、公益通報者保護法という進歩的な法律への違和感が生じた。兵庫県の騒動は、今後、法律の教科書に載ったりするだろうが、渡瀬の愚劣な駄文が教科書に載ると思うと、あさま山荘事件的な愉快さはある。世の中のルールを文字化した法律ではないし、進歩思想に憑かれた活動家がロボトミーよろしく、脳を改造する真似事をやっているので、この虹色の文字で書かれた法律の行方は杳として知れない。生身の人間の実感に基づいて立法するなら、告発が重大な社会正義だと認められたら、事後的に名誉回復や賠償をすれば十分である。現行法のように、先制攻撃した時点で渡瀬康英が特権化され、無敵の要塞としてわれわれを睥睨するのはよろしくない。人間はプラモデルではないし、コミンテルンのような人間改造の試みは悪夢にしかならない。
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