バトントワリングの元指導者の男は、教え子への性的暴行めぐり無罪を主張です。

 華麗なバトンさばきを見せるAさん(男性)。関西の大学に通うAさんは2年前、指導者の男から複数回、性的暴行を受けたと話します。

 (Aさん)「1回目と2回目はしんどいというよりも、頭が真っ白になって感情がないみたいな感じ。とりあえず今は大会に集中しようと自分なりに切り替えてはいたけど、3回目のときにもう一気に『これダメだ』ってなって」

 起訴状などによりますと、バトントワリングの元指導者・小城桂馬被告(41)は2023年、当時の自宅マンションで3度にわたってAさんに対して性的暴行を加えたなどの罪に問われています。Aさんは3歳くらいの時に小城被告と知り合い、小学6年からは直接指導を受けていました。

 (Aさん)「(幼い頃からの)関係性を崩すほどの勇気がそのときはなくて、言われたとおりにすることしかできなかった」

 被害の後、Aさんは、バトンを目にすると体中にじんましんが出て夜眠れなくなるなど、生活に支障をきたしはじめたといいます。その姿を間近で見ていた両親は…

 (Aさんの母親)「まず笑顔がない。急にどっかに走り出していったりということがあったので、目が離せなかったですね」

 迎えた3月24日の初公判。小城被告は「抵抗できない状態だとは思っていませんでした。無理やり行為をしたつもりもありませんでした」と起訴内容を否認。弁護側は無罪を主張しました。

 一方、検察側は冒頭陳述で「Aさんに性的関心を抱くようになって、食事や銭湯に誘うなどしていた」と指摘しました。

 初公判を受けてAさんの両親はMBSの取材に対し「反省していないのかなと感じる。被告に対して嫌と言える状況ではなかったことをわかってほしい」と話しています。