佐賀空港(佐賀市川副町)への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画に伴う駐屯地周辺整備を巡り、佐賀県が防衛省に対して県有地の使用料を免除しているのは違法として、請求するよう県に求めた住民訴訟の判決で佐賀地裁は21日、住民側の請求を棄却した。県有地使用許可の決定に違法性は認められないとの判断を示した。
住民側は、駐屯地周辺で排水対策の施設整備をする九州防衛局に県有地を無償で使用させるのは県空港条例を誤って適用しているなどと主張していた。住民監査請求は棄却され、昨年5月に40人が提訴した。
三井教匡裁判長は判決理由で、使用料について行政側の裁量を認めている同条例が適用されるとした上で、「地元漁協の要望を受けて計画した排水施設建設工事に公益性を認めて使用料を免除しており、裁量権の逸脱、乱用は認められない」と結論づけた。
九州防衛局が県有地からの土砂を駐屯地工事に流用している点に関しては、「許可された土地使用の一環といえる。土砂の使用料を徴収する義務を負うとは認められない」とした。
判決を受け、住民側は控訴する方針を示した。住民側の代表の力久修さん(74)は「不当判決で怒り心頭だ。オスプレイの佐賀への配備が強行されていて、引き続き反対を続けていく」と述べた。
オスプレイは今年7月を期限として、木更津駐屯地(千葉県)から佐賀駐屯地(仮称)に17機が移駐される計画。佐賀地裁では、ノリ漁業者らが駐屯地工事差し止めを求めて提訴した訴訟も行われている。




