このままでは愛子さまが不幸な道を歩む…「悠仁天皇vs.愛子天皇」の残酷な比較論争がやまない本当の理由
■そもそも「男系男子」は日本の原点ではない 皇室研究家の高森明勅氏がいうように、女性皇族の夫や子供が一般国民のままでも、社会通念上は家族一体とみなされ、天皇・皇室の象徴という憲法上の地位と矛盾が出てくるし、結婚後、選挙権や被選挙権を持つ夫が政治活動を始めたら、それを止める手立てはない。さらに女性皇族が皇室に残れば、皇族費が支出されるが、一般国民が皇族費で生活することに、国民の中から「納得できない」という人も出てくるかもしれない。 私が危惧するのは、そのような制度が作られれば、女性皇族の結婚相手選びはますます困難になるのではないかということである。 佳子さんはもちろんのこと、愛子さんもそろそろ結婚適齢期に入ってくる。秋篠宮のいうように「皇族は生身の人間」だから、制度改正で彼女たちの人生がどうなるのかということも、政治家たちは真剣に考える必要があるはずだ。 政治家は、『女性自身』に載っている静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次氏の話に耳を傾けてほしいと思う。 「皇族数の減少は、女性皇族が結婚によって皇籍から離れることで進んだ一面があります。さらに昨今の世論調査でも、女性天皇や女系天皇を容認する声が高まり、多くの国民もその実現を願っています。男系男子に限られた皇位継承は明治以降に定められた制度です。もう一度原点に返り、女性宮家の創設や、女性天皇、ひいては女系天皇の容認に向けた議論も始めていくべきだと思います」 ■佳子さま、愛子さまに残された時間は少ない 政治と裏金の問題も重大だが、“生身”の佳子さんのこれからの人生、この先どうなるのか見通せない愛子さんの“不安”を解消してあげることも、政治家がやるべきことであるはずだ。 早急に、然るべき人間が天皇皇后、上皇上皇后、秋篠宮の考えを聞き、佳子さん、愛子さんの真意を確かめるべきである。残り時間は少ない。 長男・悠仁さんが成年会見で見せた成長ぶりで、国民の間にあった秋篠宮家へのモヤモヤ感が吹き飛んだ。秋篠宮家に対するバッシングも終わるのかと思ったが、そうもいかないようである。 『週刊新潮』(3月27日号)によれば、宮内庁広報室が昨年春から始めたインスタグラムのフォロワー数が190万を超えたという。 今は天皇皇后がメインだが、昨年9月、西村泰彦宮内庁長官が、今後は秋篠宮家を含めた宮家の情報発信を検討していると発言。2025年度予算にインスタ用の撮影委託費として2700万円余りが計上された。 元々この発案者は秋篠宮なのだが、3年前の誕生日会見で、「おそらく私は(SNS)はやらないと思います」と発言。情報発信に消極的だといわれている。 予算を増やした来年度からは秋篠宮家情報も発信しなくてはいけないのだが、天皇家のように静養中のオフショットを公開することは望めなさそうだという。 せっかく、悠仁さんが大学に入学し、佳子さんは6月にブラジル訪問があるのだから、そうした姿を動画で配信すれば、フォロワー1000万超えも夢ではないだろうと思うのだが。 桜満開間近。秋篠宮家の人々、それぞれの春が始まった。 ---------- 元木 昌彦(もとき・まさひこ) ジャーナリスト 1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。 ----------
ジャーナリスト 元木 昌彦