【卒業論文】:日本の陰謀論にSNSが与えた影響〜陰謀論者の「心の拠り所」〜
こんにちは。
斯波しをりです。
先日こんな投稿がバズったので、調子に乗って卒論を公開いたします。
皆さんに読んでいただけたら幸いです。
【注意事項など】
※この文章の著作権は斯波しをりに帰属致します。
※一部の誤字脱字などは直しておりますが、当時書いた雰囲気を崩したくないため、基本的に原文ママでお出しします。拙いですが楽しんでいただけると嬉しいです。
※都合につき一部の項目を有料ページに移動させております。おまけとして編集後記も添えてあります。ご興味があれば読んでいただけると幸いです。(移動した本文はおおよそ1000字程度です。おそらく読まなくても大丈夫です。)
それでは、本文です。
はじめに
この論文では、日本で起きた「闇の組織VS自分たち」の対立を説き過激な行動や事件を起こした陰謀論団体を時代ごとに調べ、SNSの影響を浮き彫りにさせる。
研究動機
新型コロナウイルスのパンデミックの最中であった2021年の年末、SNSで「神真都Q」と言われる人たちを知った。「子供を守る」という大義名分の元に集まり、「世界を変える」と宣言し日々活動に邁進している彼らの投稿は、「ワクチンは毒」「不織布マスクは危険」など、今までの医療の常識を「根拠もなく」真っ向から否定するものであった。また彼らはパンデミックの最中、「マスクを外そう」や「ワクチンを打つな」と叫び新宿の街をマスクなしで行進するデモ活動を行なっていた。彼らを動かす原動力も常軌を逸したものであり、「ワクチンは陰謀」「ディープステートの世界征服」「光の戦士Q」と「神真都民族のYap遺伝子」などなど聞きなれない単語達を並べた陰謀論であった。
そのうち彼らはSNS上で医療従事者やコロナで亡くなった方や政治家に対し誹謗中傷の返信をしたり、街中で「コロナは茶番」などと記載したデマ広告をポスティングしたりし始め最終的には、ワクチン接種会場である東京ドームに押し入り逮捕者も出た。ここまでのことがあってものこり続ける信者もおり、組織が解体状態になった後も多くの人たちは反ワクチンを唱え続けていた。彼らの「経典」とされるツイートを読んだり、デモを観察したり実際の信者との対話を試みたりしたがその荒唐無稽な理論をなぜ信じてしまったのか、またそれを他者に押し付ける理由や執拗なまでに世間の逆張りを行っていく理由はわからなかった。
このことに興味を持ち昨年度の研究では、陰謀論によってテロを起こしたオウム真理教との共通項やSNSが陰謀論に与えた作り上げていたことをまとめた。陰謀論者は社会情勢が悪い方へ変わってしまったことへ対する不安感、焦燥感や孤独感を自分なりに解釈し解決するために、大きな大きな仮想敵を作り上げていたのだ。SNSはそのような集団を大きく広げることに一役買っていたが、繋がりを希薄にする諸刃の剣のようなものだった。
今回はこの研究を広げ「陰謀論」を作り出した人間たちの動きや心理を深掘りしていく。
陰謀論とは何か
ここでは「陰謀論」とは何かについて述べていく。宗教学を専門にしている辻隆太郎は、「陰謀論」について以下のように定義している。
一般的に、ある主張が陰謀論と呼ばれる場合、そこには否定的なニュアンスが含まれる。堅い言葉で定義づけしておくとすれば、陰謀論とは、①ある事象についての一般的に 受け入れられた説明を拒絶し、②その事象の原因や結果を陰謀という説明に一元的に還元 する、③真面目に検討するに値しない奇妙で不合理な主張とみなされる諸理論、である。
もう少し簡単に言えば、何でもかんでも「陰謀」で説明しようとする荒唐無稽で妄想症的(パラノイアツク)な主張、ということだ。
つまり「これは政府の陰謀だ」「ユダヤ資本の陰謀だ」などと言ったように、物事の多義的な事情を考えず「陰謀」に還元することを指す。「陰謀」という言葉でわかりやすい説明を行い、大きな敵を作るような理論のことを「陰謀論」とするのである。
1章 オウム真理教
オウム真理教は初めは小さなヨガサークルとしてスタートした。現世利益を追求するという教えでエリート層にも人気を博し、信者を少しずつ増やしていった。テレビなどに取り上げられるなどメディア露出もしており、バラエティにも出てくる「おもしろ宗教おじさん」と言った立ち位置で知名度を上げていったのだが、最終的には地下鉄サリン事件などの戦後最悪の凶悪テロ事件を巻き起こす反社会的な集団に変化を遂げてしまった。ショッキングな事件を起こし、社会問題になったオウム真理教はそれでもなお、未だミームとしてインターネット上でネタになるほどの影響力を残している。
その実態はどうだったのか、彼らを動かすのはどのような教義だったのか、彼らは何を考えどのような行動に移したのかについて解説する。
オウム真理教とはなにか
オウム真理教は、麻原彰晃(松本智津夫)が教祖である新興宗教団体である。初期はヨーガを取り入れた健康法を紹介し解脱を目指すものであったが、後期には主張にノストラダムスの予言をはじめとする終末論系陰謀論がベースに盛り込まれており、この思想は徐々に集団が先鋭化していくきっかけとなっている。最終的には平成7年の地下鉄サリン事件をはじめとする、猛毒の化学兵器であるサリンを使用した無差別殺人事件など歴史に残る凶悪犯罪を起こすこととなった。
オウムの見た世界
初期と晩期で大きく主張が変わっているが、一貫して言えることは「解脱」を目指しその力で世界を救おうとする動きである。まず個人の苦しみを取り除き解脱を目指し、そして解脱で得た力を人々の救済に使うというプロセスだ。麻原は修行を重ねヒマラヤで最終解脱を達成した人物として、その半生を釈迦牟尼になぞらえられ、生けるブッダとして崇拝された
幸福のためのプロセス
麻原曰く、オウム真理教は「この世に生きている誰もが幸せになってほしい」という思いのもと全人類を救うため、「三つの救済」を掲げて活動している。それは以下の三つのことである。
①病気を治す
②この世の幸福を与える
③解脱へ導く
病気をなおすことでまずは健康な体を手にいれ、そこから現世利益を与えることで心身ともに健康な状態へ導く。そこから解脱の道に進むという方法だ。病苦からの解放に使う治療は一般的な病院で受ける治療とは異なり、ヨーガを使用した治療から超能力、また異次元から取り寄せた治療法まで多岐に渡る。
真理の道の先には、「絶対自由・絶対幸福・絶対歓喜」が待ち受ける真の幸福の国「マハーヤーナ」が存在し、解脱をした人間は輪廻転生を回避しこの世界に入ることができるのである。現世での利益を前段階に置くことで、その恩恵を受けた人間がオウムの修行や真理の道に興味を持ち、厳しい修行にも耐えられるようになるのだと語られている。また、現世の生活が合わない人間のためにも解脱に導く救済を行うとされ、修行を最初から行わないことで間口が広い印象を与えている。
修行
真の幸福のためには「解脱」と「悟り」が必要である。解脱は肉体的に、悟りは精神的に成熟し、マハーヤーナに辿り着く準備ができた状態のことを指す。
麻原は自身の本で修行を完遂し解脱をすると、神通力という人間離れした力を手に入れることができると説いた。これは修行の成就の証であり、麻原彰晃は日本で唯一、この神通力が使える最終解脱者とされている。神通力は以下の六つに分けられる。
①神足通:テレポーテーションや空中浮遊など意のままに移動するための能力
②天耳通:人の可聴範囲を超えた聴力、つまりは遠隔透耳能力
③他心通:相手の心を読む能力
④宿命通:自分及び他人の前世来世を見る能力
⑤天眼通:一般の人に見えないものを見通す能力
⑥漏尽通:相手の煩悩を見極める能力
④〜⑥の後半三つを三明、①〜⑥全てを総括してを六通といい、これら全てを得られたら修行完了、つまりは完全な解脱状態となる。他にも神通力でできることがあり、一例を挙げると、動物と話せる、自分の死期がわかる、神霊が見れる、体から火が出せる、幽体離脱できる、体の体積、質量を意のままに変えられる、大小便で適当な金属磨くと黄金にすることができる、一切の事象を理解できるなどがあり、肉体的に人間を超越した存在になることができると書かれている。
また、神通力のためには修行だけでなく、体質の改善も必要である。その一つとしてチァクラ開発が挙げられる。チァクラとは人間の霊的なエネルギーの出し入れをする特殊な玄関口のようなものである。その人間の体にある霊的なスポットを開放させることによってその人の潜在能力を引き出すことができる。つまりはチャクラを開き、宇宙エネルギーであるクンダリニーを覚醒させることによって神通力のための霊感体質になるのである。霊感体質になった後は功徳を積むことで力を発揮するためのエネルギーを補充する。こうすることで効率よく力を発揮し修行することができるのである。
一方悟りは煩悩を捨てきり、自己を客観視することを目標にしている。精神的に未熟な状態では欲や執着を捨てきれずに輪廻から脱することができなくなる。
オウムの陰謀論
オウムが陰謀論に傾倒したのは1990年衆議院選挙が原因であると考えられている。その近辺からノストラダムスに関わる陰謀論が増え始める。後の1995年から、陰謀論系を取りまとめた機関紙である「ヴァジラヤーナ・サッチャ」が刊行された。
きっかけは衆議院議員選挙
オウムは1990年に「真理党」を結成し、第39回衆議院議員総選挙に出馬した。麻原含む二十五人を候補者とし東京や神奈川を中心に出馬したものの結果は全員落選し、その後の運動に大きく影響を与えた。選挙を機に、「ヨーガを大切にするスピリチュアル集団」から「陰謀論犯罪者集団」に突如転換したオウム真理教。衆議院選挙に敗退し主張が通らない現象があったということから危機感を抱き陰謀論に傾倒し、最終的にはテロリズムに走ってしまったのではないかという解釈が、辻含む多くの学者が抱いている共通の認識である。島薗進は麻原の精神状態にも着目し、以下のように述べている。
特定の敵が悪魔の手先であり、悪魔の意図を体現して自分たちを攻撃しているという被害妄想的な観念が、オウムの暴力を育てた大きな要因であることに異論はなかろう。そしてこの「悪魔の陰謀」説は麻原の妄想的言説であり、突飛な考えである。麻原という妄想的宗教リーダーの個人的性格こそ、暴力を引き起こしたのだとも言える。個人心理に暴力の源泉を求める見方である。
しかし、この説明では中核信徒が教祖を支え、教祖の妄想を強化したという側面が軽視される。麻原がそのような妄想的観念を確信することができ、多く の信徒が唯々諾々とそれに従った理由はよくよく考えてみなければならない。 なかでもここで注目したいのは、このような妄想的観念が「情報操作」という 観念と結びついて、一定の説得力をもったという側面である。
陰謀論に傾いた理由は一種の「麻原の被害妄想的なマインド」だったのではないかということである。衆議院選挙で負けた焦りから、被害妄想的な観念が怒り、そしてそれを助長させる信者たちがいた。そして「情報操作」という観念と結びついたのだ。というのが島薗氏の提唱した内容だ。つまり、たまたま引き金を引いたのが選挙であっただけで他の要因でも十分先鋭化する可能性があったのではないということになる。
彼らが染まってしまった「情報操作」という観念はどのようなものなのか、なぜ「ポア」と言ったような危険思想に走るようになってしまったのか、なぜそのような理論に縋り付いてしまったのかをオウムが出版した雑誌などの連載を元に、彼らの世界観を紐解いていく。
オウムの陰謀論の概要
オウムの陰謀論を端的に説明すると、物質主義が支配するこの世界を精神的な幸福が勝る世界に切り替えるための救済者こそがオウムである、ということになる。
辻によると、オウムの主張はノストラダムスの予言を新しく解釈したものであるという。人間の思想主義には「太陽の法」と「金星の法」が存在していると言うのがオウムの主張であるが、「太陽の法」はオウムが掲げる精神主義であり、真理を追い求めて欲望を焼却し、解脱を試みるものである。一方「金星の法」は資本主義社会で成立した物質主義のことを指しており、欲望や快楽を追い求めていくものである。「太陽の法」を用いて「金星の法」に抗い最終的に打ち勝つことで、人間全体がマハーヤーナにたどり着けるというものだった。金星の法は現時点で世界を支配する階級の人間たちが実践していることである。彼らは資本主義を加速させテレビやレジャー、スポーツ、ショッピングなどの娯楽を増やしていくことで、人間の考える時間を奪い享楽的かつ思考停止状態にさせ支配の傘下におきやすくなるように設計していると言うのがオウムの主張である。その支配の傘下から逃げ出し、解脱をすることで世界の平和が近づくため、オウムは様々な方法で人々を解脱に導く。そしてオウムは、「金星の法」から脱却するための救世主であり神の世界に近づき「太陽の法」による絶対幸福のための理想郷を作るための世界最後の希望である。つまりは「金星の法」サイドからすれば、「最後の敵」と言うことになるのだ。そのためにオウム真理教は様々なバッシングや批判に遭うのだと述べられている。機関紙には政府やメディア、警察の陰謀が多く扱われていたが、これは当時オウムがバッシングを受けた影響である。
麻原は俗にいうハルマゲドン(最終戦争)の存在の予言をしており、これを救済するためには30000人の解脱者が必要だと説き、解脱のために「ポア」させてもいいと主張をしていた。また、1999年には地球が滅亡すると言った内容の陰謀論が一世を風靡し、社会が混乱に陥った。その中で麻原は自分こそがノストラダムスに選ばれた救世主であると主張する。
私はここに宣言する。私は今世紀最後の救世主であると。
(中略)
まだまだ迫害は続く。しかし、この世に本当の大異変が起こったとき、オウムを迫害してきた人々は、取り返しのつかないことをしたことに気づき、取り乱し、悲痛な叫びを上げることになるだろう。これも私の予言である。
ここで麻原は「自分こそがノストラダムスに選ばれた救世主」であると主張している。麻原は自身のカリスマ性や「神聖さ」を重視した発言が多い。また、自身が最終解脱者であるという発言を含め、麻原彰晃自体が「神」であるといったような内容の発言、経典が非常に多い。これらは、陰謀論団体、宗教団体でも珍しい形であると考えられる。新興宗教として似たものとして捉えられがちな、幸福の科学の大川隆法や、創価学会の池田大作はあくまでも、「預言者」という立ち位置であった。陰謀論団体や新興宗教では、「偉大なるもの」と「その教えを説くもの」は分離させて考えられがちなのだが、「麻原の言葉が絶対」という環境も先鋭化につながるきっかけになったのではないだろうか。
オウム真理教が起こした凶悪な事件
魂の救済「ポア」
オウム真理教は「ポア」という名目の元、地下鉄サリン事件などの多くの悲惨な事件を巻き起こし、凶悪犯罪を起こし社会の脅威になった。その中でも凶悪でオウム三大事件と呼ばれることになった事件は、坂本弁護士一家殺人事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件である。その一連のオウム関連の事件の影響で「ポア」という単語はメディアに取り上げられるようになった。しかし、「ポア」とは純粋に殺人という意味ではない。元々は魂の入れ替えや上昇、浄化のことを指す単語であった。つまり自分で修行をできないもののために、「こちらから働きかけて」解脱に導くのがポアなのである。このように考えると殺人を肯定した一足飛びな考えも理解できよう。
オウムは「真理党」を結成し衆院選に出馬した。麻原は当選を確信していたが、圧倒的大差で落選している。後に麻原は、選挙はマハーヤーナ(大東)のテストだった、と述べている。そして選挙以降の麻原は、この末法の世にあってはタントラ・ヴァジラヤーナ(金剛乗)の道を歩むしかない、という説法を盛んにおこなうようになった。簡単に説明すれば、マハーヤーナとはすべての魂をオウムの真理にまで引き上げることをめざす、 善行による漸進的な救済をめざすもの。タントラ・ヴァジラヤーナは有名なポアの思想に見られるような、麻原の絶対的権威にもとづく、強引で一足飛びの救済をめざすものであ る。ここでオウムにおける「救済」のあり方、社会に対する姿勢の転換があったことが読み取れる。
島薗や辻は、地下鉄サリン事件をふくむ殺傷系のポアは世俗に染まってしまった民衆がこれ以上罪を重ねてしまうのを防ぐために行なったものと指摘している。つまり、ポアというものは罪や穢れである「カルマ」をその生命を立たせる事で精算し、修行を積みカルマを受ける耐性がついている信者や、解脱者である麻原が肩代わりすることによって、民衆解脱に導くための一足飛びなプロセスであるのだ。そのため、ポアは教祖である麻原彰晃の名の下に行われる。
以下は「オウム三大事件」とも呼ばれる凶悪犯罪である。
坂本弁護士一家殺害事件1989年11月4日
麻原の指示を受けた幹部構成員らが、オウム真理教の被害者救済の活動をしていた弁護士の坂本堤、その妻と当時1歳の息子が当時三人で住んでいた磯子区のアパートを襲撃し、3人の首を絞めて殺害した。被害者救済の活動が教団や麻原に大きな打撃を与え、翌年の衆院選にも影響があると考えたのが動機とされている。
この事件のことをオウムは「神隠し」と称している。
松本サリン事件 1994年6月27日から28日
麻原の指示を受けた幹部構成者が長野県松本市の住宅街の駐車場でサリンが散布し、8人が死亡、140人が被害を受けた。場所は、当時教団関係の訴訟が審議されていた裁判官の官舎の付近であった。構成員らはサリン噴霧車に設置した加熱式噴霧装置を作動させ、大型送風扇を使用してサリンを散布した。この事件は武装の一環であり、新しく開発したサリンガスの威力を試すための予行演習として信者が起こした事件とされている。
地下鉄サリン事件 1995年3月20日
麻原の指示を受けた幹部構成者が東京の地下鉄にサリンを散布し多くの死傷者を出した事件。東京都千代田区の営団地下鉄霞ヶ関駅に向かう日比谷線、千代田線、丸の内線の各車両にて、先端を尖らせた傘でサリンの入った袋を突き刺し、サリンを気化させて散布した。平日朝の通勤時間帯を狙ったこともあり、この事件で13人が死亡、被害者は6300人にのぼった。
オウムの機関紙「ヴァジラヤーナ・サッチャ」はこれらの事件に関して真っ向から否定の態度をとっており、警察や政府、企業から執拗な攻撃を受けていると主張していた。
組織構造
オウム真理教は1984年に設立された「オウム神仙の会」からスタートした。87年に名称を「オウム真理教」に変更した後、89年に宗教法人「オウム真理教」として登記登録を行った。国内に20ヵ所以上の本部・支部を設立しており、その中でも山梨県西八代郡上九一色村の「サティアン」は多くの信者の居住地や、実験施設、活動拠点が存在した。
警察の調べによる教団の構造は以下のようになっていたとされる。
教団は、従来から、建設部、法務部、真理科学技術研究所等の名称で教団内部の組織編成を行っていたが、6年6月ころから、教団代表は、自らを「神聖法皇」と称し、自らを組織の頂点とする国の行政機関に模した省庁制を導入し、「科学技術省」、「建設省」、「自治省」、「厚生省」(6年12月上旬「第1厚生省」と「第2厚生省」に分けられた。)、「大蔵省」、「治療省」、「諜報省」等合計約20の省庁を設置し、一種の疑似国家の体裁を取るに至った。
https://www.npa.go.jp/hakusyo/h08/h08index.html
このように省庁制を導入することで、中央集権であるものの各信者の強みを活かし、より組織的な活動が可能になったのである。
オウムは、海外に支部や関連会社も開設していた。特にロシア進出が著しく、91年ごろからロシアのモスクワを中心に五ヶ所の拠点を作り、30000人ほどの信者を抱えていた。その背景には、教団の武装化計画があり、ロシアを基盤として武器や薬剤の調達、信者を武装化させ、銃火器や薬品を扱えるように育成するなどの目的があったとみられている。オーストラリアの関連会社では化学物質による実験を行なっていたり、スリランカの紅茶農場で資金を稼ぐなど、日本以外でも活動範囲を広げていた。
その後事件を起こし、教団が解散した後も、今もなお「Aleph」や「ひかりの輪」など後継団体が活動している。
まとめ オウム真理教とは何だったのか
ここで言えることは「オウムははじめから凶悪犯罪集団ではなかった」ということである。オウム真理教は初めは小さなヨガサークルから始まり、「自身の救済」「身の回りの人々の救済」を目標としていた。修行方法についてや、トンチキな空中浮遊の写真、凶悪犯罪について取り上げられてしまいがちだが、教義の多くは「現世利益を得て、今のハンディキャップをなくし、はじめて少しずつ自分の心や体を健やかにしていく」ことから始まっている。また、高度経済成長を踏みモノが溢れかえった時代、「24時間戦えますか」というセリフが流行り、人々が「モーレツ」に奮闘していたとき、「自分は何のために戦っているのだろう」とふと立ち止まりたくなる時があるのかもしれない。その時、オウムがそこにいたのだとしたら、足を踏み入れてしまう人も少なくはないのではないか。
また、地下鉄サリン事件の際に報道されて一躍有名になってしまった思想である「ポア」も、「魂の浄化」を指す言葉だったはずが、過激化する教団の起こした凶悪な事件や、それらの出来事やオウムの問題点を報道するメディアによって「殺人」というイメージに塗り替えられてしまった。私たちは「オウム」は過去のものであり、「もう二度とない犯罪組織」という印象を持ってしまいがちだが、このような思想は私たちに全く関係ないわけではないのである。
2章 SNSで加速するフェイクニュースと陰謀論
次章から神真都Qについて論じるが、神真都Q自体が、その前に発生した陰謀論を多く取り入れた「キメラ」のような構造をとるため、基礎知識としてSNS時代の陰謀論や、彼らの経典の源流とされている「Qアノン」について解説していく。
SNS時代の陰謀論
先ほどの章でも陰謀論について言及したが、SNSが発展したことで陰謀論はさらなる進化を遂げる。過去の陰謀論に簡単にアクセスできるようになった上、全世界の人間が情報を発信することが可能になったからこそ、さまざまな陰謀論が発生するようになった。また気軽に情報をシェアすることが容易になり、広範囲に情報を拡散させることも可能となった。そのため、デマ情報やフェイクニュースの量や拡散スピードが増え、さまざまな陰謀論やデマ、フェイクニュースが氾濫するようになった。またデマやフェイクニュースなどさまざまな種類の誤情報がある中で、陰謀論のストーリーに組み込まれやすい情報をピックアップしながら新しい陰謀論やデマ情報を作ることが可能になった。そのため、多くの人間が陰謀論を作り上げる行為に加担することができる時代が到来した。
SNSの中の世界は開かれ、さまざまな情報を平等に眺めることができていフィールドと思い込みがちであるが、実はそれは広い世界から自分やAIが自分好みにカスタマイズされた情報を拾って寄せ集めた、狭まく閉じた空間であることを念頭に置く必要性がある。またSNSの台頭により、人間が情報に触れる機会や取得する情報量が増加した。そのため「必要な情報」を選り分ける時間とコストが莫大になり、精査する時間が少なくなったことで脳の中で情報が氾濫しバイアスがかかりやすい状態を産みやすくなったのである。
「フェイク」まみれのインターネット
AIやソーシャルメディアを専門とするサミュエル・ウーリーは、「フェイクニュース」という単語を使わず、「誤報」と「虚偽」のふたつの用語を代用していると語る。ウーリーによると「誤報」は間違ったコンテンツが偶発的に拡散されることであり、「虚偽」は意図的に拡散させることである。笹原和俊はフェイクニュースという言葉自体がかなり多種多様な要素を孕んでおり、定義することが難しいと述べている。単に情報の審議の話ではなく、情報の生態系、つまりはその情報が造られた状況や広がる環境が大きく関与していると主張している。
スピーディーに広がる誤情報
インフルエンサーの発信によってデマがより一層拡散されてしまう現象が起こる。いいねやフォロワー数が可視化されるSNSでは、いいねが多い投稿やフォロワーが多いユーザーが発信した情報の方が、無名の人間が発信した情報よりも個性が高いと捉えられやすくなる。そのため、デマ情報であっても「みんながいいねしているからこれは正しいのだろう」「この人はフォロワー多いしみんなに支持されてるから、正しいこと言っているだろう」と信じやすくなってしまうのである。
Xやインスタグラムでは、過去にユーザーが「いいね」や「シェア」「リポスト」した投稿に関連したものをおすすめの投稿として表示する機能がある。そのおすすめの投稿は、ユーザーの好みによってひとつひとつ組み替えられており。「その人にとって必要な情報」 が入るように設計されている。そのため自分の価値観に合わない情報を無意識のうちに無視し、自分の世界観に固執しやすくなってしまう。
このように「おすすめ機能」があるSNSでは、その人が気に入った同じような情報が何回も流れやすくなるが、このような現象は同類性の高いユーザーで繋がることで一層起こりやすくなる。メッセージを送信しあったり情報を共有しあったりすることでクラスターが発生する。そのような状況では、似たような意見や似たような情報がその閉じたコミュニティ内で「こだま」するような現象、エコーチェンバーが起こり、考えがその中で先鋭化する傾向がある。
誰が何のために発信していくのか?
このような情報は、俗にいう「陰謀論者」が発信してると思われがちであるが、実は陰謀論を発信するのは彼らだけではない。「情報」に付加価値がついている現代社会では、陰謀論を信じていなくてもそのような情報を出すことで「うまみ」が発生するのである。
陰謀論は「バズる」
一部のSNSやウェブサイトや掲示板では、投稿の閲覧数(エンゲージメント)によって広告収益が分配される仕組みがあり、閲覧数が増えれば増えるほど投稿者の収入が上がる仕組みを採用した。SNSの投稿経由で自分のWebサイトや陰謀論サイトだけでなく、アフィリエイトサイトも陰謀論を扱うようになった。また2016年のアメリカ大統領選挙では、トランプ氏に関する陰謀論が多数投稿されていたが、これも他の陰謀論ニュースよりトランプ関連のニュースの方がエンゲージメントが高く収入が高かったためだと推察されている。Qアノンでも陰謀論を唱えていたインフルエンサーが有名になるケースが多かった。
そのため、Xでは陰謀論やワクチンに関するデマを流す存在として反ワクチン系のインフルエンサーなどが存在している。それらの人物は大きな影響を与えており、フォロワー中にはインフルエンサーが発信した情報を精査せず鵜呑みにし拡散している層もいる。反ワクチンインフルエンサーである「自分の頭で考える人2.0(@Awakend_Cituzen)」が神真都Qや他の反ワクチン・陰謀論コミュニティから人気を集めている。彼の投稿の多くは反ワクチン、反マスクについての陰謀論であり、日本政府を非難する投稿も行なってる。彼のXアカウントは2024年12月9日現在、フォロワー数が20万人近くになっている。多くのフォロワーを獲得した背景には、異論を認めない人間により同じ考え方の人間に「真実」を拡散しようとする動きの影響や、返信欄が反ワクチン信者の交流の場になったことが挙げられる。以下の画像は「自分の頭で考える2.0」が2023年10月16日にX上で開催した投票の結果である。(図1)
質問は、「Q:コロナ騒動〜マスク強制〜ワクチン接種への流れが、すべて仕組まれた集団洗脳であると、あなたが確信したのはいつですか?」である。要するにコロナ陰謀論を信じるかという趣旨の質問であり、およそ2万人の人が回答をしているが、95%の人が信じ始める期間の違いはあれどコロナ陰謀論を信じているという結果になった。この投票は質問文や回答欄からも、反ワクチンの人間が答えやすいように誘導がなされているが、単純計算で彼のフォロワーのうち17,000人の人が反ワクチン陰謀論を信じているということである。このようにインフルエンサーの周りには数多くの信者が集まるのである。また信者がインフルエンサーの投稿には似たような考えの人間がリプライを投稿する傾向がある。そのため同じような考えの人間に自分の見解を見てもらえるチャンスにもなり、仲間集めのきっかけにもなるのである。これらのインフルエンサーの存在も欠かせぬものとなっている。このように自分と似たような思想を持つインフルエンサーの発信のみを信じ、そのフォロワーや彼らの意見の賛同者たちだけで閉じたコミュニティを作ってしまうことでデマや陰謀論を信じ込み、どんどん認知が歪んでいってしまうのである。
歪んだ認知を誰かに共有し、まだ信じていない人にも情報を提供しようとする陰謀論者の心理は、記事や投稿の拡散に大きく寄与する。そのため、このようなインフルエンサーが流したデマや、アフィリエイトのために悪意ある人間が作ったデマはその特性上広がりやすく、いいねやリポスト数も一般的な情報よりも多くなる傾向になる。また、アフィリエイトのために作られたデマは一般的なニュースと違い、発信者が人為的に共有や投稿をしたため、定期的にシェアが伸びる傾向にある。
また陰謀論やデマの拡散、情報源に関与しているのは、陰謀論者やアフィリエイト業者だけでないと考えられる。フォロワー数の多い陰謀論系インフルエンサーの存在や、インプレッションの多い投稿を見て「陰謀論が伸びる」と考えた一般人が、承認欲求故にデマ記事を作成している可能性も無視できない。ジャーナリスト藤倉善郎によると、神真都Qの初期の母体は、Qアノンと全く関係がなかった音楽プロデューサー、DJ、イベンターを名乗る人物ジョースターと、彼のファンクラブであった。彼は音楽関係のユーチューバーであったが、Qアノン関係の動画を投稿することで視聴者数が激増し、トランプ関係の投稿に舵を切ったのだ。
匿名性に長けたSNSでは自分の発言に責任を持たない風潮が少なからず存在する上、一度投稿が拡散されて多くのユーザーから反応を貰ってしまうと、「バズった」状態による快感に依存する人間が多いのではないだろうか。
神真都Qにつながる陰謀論
ここではインターネットで流行した陰謀論の中でも、神真都Qの荒唐無稽な思想の源流に繋がっていく陰謀論を中心に説明していく。
匿名掲示板と陰謀論
海外の匿名掲示板に「4Chan」「8Chan」が存在する。これらは日本の匿名掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」を立ち上げた西村博之が海外会社と共同で開発した、海外版の「2ちゃんねる」である。これらの掲示板は日本の匿名掲示板と同様に匿名で誰でも書き込める形式を取っている。4Chanリリース時は2003年であり、Twitterやフェイスブックなどもない時代である。日本だとmixiなどがリリースされていたが、このような匿名の高い掲示板やSNSは海外ではまだ少なく、ここではアニメや漫画の話をする他、「顔を出して話せない」ような政治的や宗教的な信条について話す投稿も多く見られた。そしてこのような匿名掲示板から陰謀論が生まれていき、Qアノンが誕生したのである。
Qアノンの先駆けのような存在に、「アノニマス」という集団がある。彼らはQアノンと直接的な関係はないものの、陰謀論をもとにした反社会組織であり、匿名掲示板である4Chanを発端として結成している。アノニマスは「情報の自由を守る」という大義名分を携え、オーストラリアや日本、北朝鮮にサイバー攻撃を仕掛けていた。彼らの存在もオウムや神真都Q同様に、「行動を起こす陰謀論者」としてみなすことができる。
Qアノンとは
陰謀論が選挙戦を巻き込み、そこから事件が起きたとして有名になったものとして「Qアノン」及び、2016年のアメリカ大統領選挙からの一連の流れがある。海外の匿名掲示板でトランプ大統領が闇の組織と闘うと言った内容に関わる陰謀論について言及した投稿が書き込まれたことが発端になったのだ。その投稿は他の掲示板やSNSに拡散され、大統領選挙を巻き込み、政治的なデマやフェイクニュースがSNSに広がった。
この陰謀論の始まりは、トランプ大統領の不可解な発言がきっかけだった。2017年10月5日の夜、軍の高官らとの夕食会前の撮影会で「嵐の前の静けさだ」と意味深長な発言をした。その後取材陣に質問されたが意味は答えなかった。このことはメディアに取り上げられ、「8Chan」でも関連スレッドが立ち上がった。Qと呼ばれる人物が「嵐の前の静けさ」というタイトルのスレッドで意味深な投稿を始めたのだ。これが全ての始まりであり、そこからQによる壮大な陰謀論が幕を開ける。Qと呼ばれる人物がこれらの書き込みは、一般的な陰謀論にありがちな一方的な説話、モノローグ形式ではなく、対話つまりはダイアローグの形式をとっていた。またクイズや謎解きのような文章で書かれたQドロップは協力して解釈することを推奨し、さまざまな飛躍をし解釈され行動していくQアノンたちの背中を押していったのである。そのため、信者たちはこぞって「考察」を繰り広げたり議論を交わすことで多くの人間がこの「パンくず」に注目するようになった。また解読者たちが「伝道師」として注目された。
彼らの共通の敵は「DS」、闇の組織ディープステートである。DSの構成員は、民主党員やハリウッドスター、ビジネス界の大物など多岐にわたる。彼らは主要なメディアを占領し、人々を化学物質まみれの食事で弱体化させ、支配下に置くのだという。Qアノン信者の中でも彼らの正体はさまざまな説が出ているが、神真都Qは、トカゲ人間つまりは「レプティリアン」であるという説を推している。
コロナ禍とQアノン
一度下火になったQアノンであったが、また再燃するきっかけがあった。コロナパンデミックである。2020年ごろからは新型コロナウイルスが世界的に流行し、ウイルスの脅威や新しいワクチンに対する不安から医学系のデマと合わさったフェイクニュースやデマが横行した。DSは製薬会社とも共犯であり、コロナワクチンは人口削減政策であるというデマが発生した。また世界中が大きな不安に覆われた時代だったため、陰謀論が持つ力はとても大きいものになり、DSが製薬会社と手を組むなどといった陰謀論が横行し、反ワクチンの流れも出現した。2021年の1月には暴徒化したQアノン信者と見られる集団が米国連邦議会を襲撃し、五人の死者が出るという大惨事を起こした。
この一連の流れで陰謀論は社会問題として見做されるようになったが、そのムーブメントは多くの人を魅了し、信者になった人間が世界各地に存在している。日本では神真都Q以外にも、Qアノンの日本支部であるJアノンなどが活動を繰り広げている。
まとめ
ここでは、SNS時代に発生した陰謀論についてまとめた。オウムとは違い、匿名性が高く、いつでも他人と繋がることができ、そして膨大な情報、過去にすぐにアクセスできるからこその陰謀論の形成のされ方がそこにあった。またそのブームで「売名」しようとする人間によって事態が大きくなっていってしまう現象も存在した。
オウムなどは出家や対面でのコミュニティの参加を多かれ少なかれ必要としたが「家で教祖と話せる」という環境に置かれることで、手軽に人を陰謀論に浸らせることが可能になっていった。そして「同じ思想の仲間」にすぐに出会えるのもSNSならではではないだろうか。またSNSの「おすすめ」によって自分がいつの間にか「限られた情報にしかありつけていない」という状態に無自覚に陥りがちなのも大きな特徴だ。
そして教義の形態の変化も見られた。情報端末が手元にあるため、教祖が一方的に教えるのではなく、信者に謎めいた言葉を投げかけて、「調べよう」と呼びかけることが可能になった。そのため「経典」ではなく「謎とき」のような解釈の余地が残っていて人々を「考察ゲーム」に招待できるような陰謀論や、リアルタイムで刻一刻と状況が変わっていくのを共有できるような陰謀論が発生するようになった。教祖が単体でいるのではなく「全員が信者であり、発信者」であるのがSNS時代の陰謀論なのだ。またインターネットは過去の情報もアーカイブとして残されているが、それがまた掘り起こされて新しいストーリーを紡ぎ「それを知らなかった人」が信じ込んでしまうという現象も起こっている。既存の陰謀論が何度でも繰り返され焼き増しされていっている。
SNSの影響で陰謀論は量産され、そこに共感した人間によって政治すら動かせることが証明された。SNS陰謀論は「デマ」の延長と一蹴せずに注視すべき問題である。
3章 神真都Q
「神真都Q」とはSNSの陰謀論信者を中心に形成された日本の反ワクチン団体である。元々は「大和Q」と言う名称で2021年後半に結成され活動を開始したが、同年の12月に「神真都覚醒宣言」によって正式に発足した。名前に「Q」が入っていることの通り、米国の極右思想Qアノンの思想を取り込んではいるが、日本のQアノン信者の集まり「Jアノン」とは異なる組織であり、本家Qアノンからは破門されている。主張にはQアノンが唱える極右思想の他、スピリチュアルや自然派、反科学、マイノリティの差別などQアノン及び他の反ワクチン団体にもない独自のエッセンスが散りばめられている。
グループの指導者は「甲」と「甲兄」、「イチベイ」である。甲と甲兄は同一人物と見られており、甲兄を運営していた村井大介が甲のアカウントも運営していたと考えられている。彼らのフォロワーに与えられたファンネームが「大和Q」であり、のちの名のきっかけとなる。彼らは同時期に活躍していた陰謀論インフルエンサーである「+1℃」と手を組み、信者たちを「大和十五万人覚醒プロジェクト」というオープンチャットに参加させた。その後、現実世界で活動するために結成宣言を行い、その宣言の中で神真都Qと改名した。
彼らが見た世界
打倒DS
「Qアノンと同じ志を持つ」と主張しているため、主張の裏付けにもQアノンの陰謀論を多用しており、大まかな主張は本家Qアノンと相違はない。Qアノン同様にアメリカの元大統領であるトランプ氏を崇拝し、「寅さん」などと親しみを込めて呼んでいる。そのため同じく大統領であり、大統領選挙でトランプ氏に打ち勝ったバイデン氏を憎むべき敵として捉えている。様々な投稿で悪の組織として言及されているのはQアノン同様、架空の闇のユダヤ系資本組織「ディープステート(以下DS)」や、過去に存在した秘密結社「イルミナティ」、また悪魔信者である「サタニスト」である。これらの組織は資本主義社会を加速させ、民衆を支配下に置くために様々なことに手をつけており、無論新型コロナウイルスワクチンもその一つであると主張している。神真都Qはあくまでも世界中のQアノンの活動の一部であると主張し、他のQアノンと連携しているという意識の元活動を行っている。また神真都QはDSが犯したとされる小児性犯罪や誘拐事件について大きく非難し、日本の子供のためにこの組織に立ち向かうと宣言している。
反ワクチン
新型コロナワクチンに反対する人には、資料の少なさ故「ワクチンの危険性を懸念する層」や、ワクチンなどの化学物質を体内に入れることを忌避する「自然派」、現行の新型コロナ対策やワクチン接種義務制度に疑問がある「制度懐疑派」などいろいろな理由による様々な考え方の層が存在するが、その多くはコロナウイルスの存在を認めていることが多かった。しかし、神真都Qのような先鋭化したいわゆる「反ワクチン」、「反ワク」と呼ばれる層は、コロナウイルス非存在論を唱えていることもあった。神真都Qは初期から一貫して反ワクチン、反マスク、ウイルス非存在論を訴え続けていた。またPCR検査にも懐疑的な意見があり、反化学的な内容のデマがほとんどである。
荒唐無稽の世界観
神真都Qの基本理念は指導者である甲兄の教えを口述筆記したとされる文章である「神真都Q会結成宣言」に書かれており、以下これを引用しつつ説明していく。
我々はこれまで永きに亘り支配されてきた悪の権化イルミナティ、サタニスト、DSグローバル組織、最悪最強巨大権力支配から「多くの命、子どもたち、世界」を救い守る為、自らの命をかけ活躍して頂いた偉大なる先駆者達偉大なるドナルド・トランプ大統領をはじめ、多くのホワイトハット、Q、HERO’Sたち、世界中の光輝く素晴らしい方々が切り拓いてくださった光の神道を、心からの感謝と敬意と勇気をもって「同じ真意、神威、目的」を掲げ、Qと云う同じ1つの光の旗のもと集い善なる光のQ活動を健全に行うものと宣言します。
https://sites.google.com/view/yamatoq/神真都会について/ルールブック/神真都会結成宣言?authuser=0
神真都Qの基本理念は上記のように子供達を悪から守るというものである。彼らの最終的な目的は、架空の存在である闇の組織DS(ディープステート)により日本が被った被害を救済し、日本の主権をDS含む国際機関から奪還し、日本人に還元することである。そして「世界中の善なる人々と、全ての善なる自然生命が永遠に幸福に平穏に宇宙観点において、共存共栄できる世界を構築していく。」ことを目指していくのである。メンバーはこのDSの陰謀に「気づき」、「目覚め」ることで光の戦士の一員としての自覚を持ち悪の組織と戦う意思を固めるのである。
謎の民族「大和」
神真都QはQアノンから引き継いだ陰謀論だけでなく、日本の神話やミトコンドリアDNA、イルミナティ陰謀論から派生した宇宙戦争など様々な論がコミュニティ内で飛び交い、独自の世界観を作り上げている。神真都Qには「純粋な日本人」という単語が頻発し、「純粋な日本人」には特殊な力や使命が与えられているとも主張されている。
ミトコンドリアDNAの説明日本人に多いハプログループDE型の一種は、YAPという変異で定義される。これを曲解した神真都Qは「YAP遺伝子」と呼び、これが日本人が特別な理由であると主張する。優しさの遺伝子を持つ「神真都民族」は世界を救うため特別な力を持ち、世界救済の最後の砦であるという。神真都Q公式HP内オンラインコラムである「宝智の蔵開闢 第二号」には以下のように書かれている。
我々YAPは太古より①宇宙根源慈愛意識と自心識(じしんしき)が繋がっているために、無意識に自と他を共に立場を入れ替えたりして大切に思い続け行動する(中略)そういう種族なのです。そして、②心から邪悪なる害悪(善なる生命や自然に悪意を持って害をなすもの)が大嫌いなのである!
https://sites.google.com/view/yamatoq/%E5%AE%9D%E6%99%BA%E3%81%AE%E8%94%B5?authuser=0
YAP遺伝子の始祖であるYAPの皇(スメラ)スシュメラは、ヤハウェやイエスキリストと同義である「神」として扱われ、その神の遺伝子が日本の天皇及び国民に受け継がれているのである。要するに我々の国は神が直接国民をすべている神国であり、日本の天皇は全世界を支配する力を持つのである。そして、日本が世界の全権を握れるほどの強大な力を持つことはDSにとって不都合であるため、様々な手段を使って人間を弱体化させ、支配をより強めようとしていると記されている。予防接種や敗戦後のGHQ占領以降の日本の教育や、食品医薬品に含まれる化学物質などに日本人を洗脳させ、「YAPの力」を封印する動きがある、というのが彼らの主張である。YAP遺伝子という科学的なワードを使いながらも思想はスピリチュアルに近いようにも取れる。
神真都Qではこのように既存の陰謀論を拡大解釈し、今この現状は地球単位では収まらず宇宙戦争に発展していると主張し、それらを収束に導き、世界に平和をもたらすのがQや大和民族の力であると述べる。藤倉は彼等の選民思想に近い陰謀論を「日本独自のオカルト的な民族主義」と称している。
選民思想
神真都QはYAP遺伝子の存在を日本人のみが得ている遺伝子と定義づけ、自分達が選ばれた存在であることの裏付けとして使っていた。このような選民思想は他の要素でも見ることができる。
イチベイは元々「ゴム人間」を提唱する陰謀論者として有名であったため、信者の多くはゴム人間を信じている。ゴム人間の正体はDSであり、レプティリアンである。警察や報道陣、ウォッチャーはゴムマスクを被ったレプティリアンやレプティリアンと人間のハーフである「ハーフレプ」であると見なされており、彼らは人間を凌駕する身体能力や知能を兼ね備えている。そのため、デモの際には松ヤニを使い撃退させる必要があったり、人間かレプかを判断する「松ヤニチェック」がある。神真都Qの信者たちが松ヤニを利用するのは、「松葉茶でワクチンを解毒する」ところから「松ヤニがディープステート及びレプに効く」と連想が元になったと言われている説や、楳図かずおの「蛇人間」から着想を得た説が存在する。
ここでは神真都Qが他者を「非人間」と扱っていることが重要であり、人間でないものと扱うことで暴力が正当化されるという仕組みであると説いている。「自分たちと違うから攻撃していい」といった考えや理論は「YAP遺伝子」や「グリッド化計画」にも存在し、先述した通り「オカルト的なスピリチュアルな選民思想」が働いてる。
日本に適応したスピリチュアル陰謀論
神真都Qは様々な不安を優越感に変えるための仕組みが利用されており、些細なきっかけからはまるように設計されている。コロナ禍の情報社会における「なんとなく先行きが見えない不安」や「未知のウイルスに対する不安」、また「情報化に置いて行かれる不安」を「誰にも明かされなかった真実」によって「自分だけが知っている」という優越感に変換し、それを巧みに利用したものであった。
またQアノンにも言えることだが、過去に流行った陰謀論を取り入れたり、スケールの違う陰謀論を組み合わせることによって世界観を作っていった。神真都Qはこの三つを組み合わせることによって信者を巧妙な陰謀論の世界に巻き込んでいった。コロナウイルスや新型コロナワクチンという個々の事件の陰謀から、DSなど大きな組織の陰謀につなげて膨らませ、最後は宇宙戦争まで発展させた壮大なストーリーまで発展した。信者は日常の小さな疑問や疑念から少しずつこの壮大で荒唐無稽な世界観に足を踏み入れていくのだ。
ライターの雨宮純は、陰謀論のスケールが拡大していることを指摘している。このような話は元々「宇宙人の飛来」など既存の話を繋ぎ合わせたものなのであるが、そこに銀河戦争や遺伝子、宇宙連合など新たな要素を加え規模を拡大させることで新しい陰謀論をつくりあげていくのだ。また、雨宮「Qアノンというよりはむしろスピリチュアル系のUFO陰謀論の亜種と呼んだほうが適切」と述べている。
また本家Qアノンとは異なる思想が見られたがこれは宗教や文化圏の違い、また日本人のスピリチュアル系占いの人気からくるのではないかと考えられる。天皇制や日本神話、既存のスピリチュアル系からも着想を得た教えを利用することで日本人に馴染みやすい陰謀論を形成しており、日本人の優越感が満たされるように設計された陰謀論である。
彼らの起こした行動や活動
啓蒙活動
彼らのオンライン上での活動拠点は無料通話アプリのLINEの機能である「オープンチャット」で作成されるグループチャットである。そこでは信者同士の交流や情報交換が日々行なわれていた。
X(旧Twitter:以下Xと表記)上では、様々な反ワクチン情報を拡散する活動を行なっており、中でも「デクラス」などの文句がついた情報が多く拡散された。X上では、様々な反ワクチン情報を拡散する活動を行なっており、中でも「デクラス」などの文句がついた情報を投稿・拡散するユーザーが多く見られた。デクラスとは英語で「機密解除」を意味する“declassified”から派生した和製英語であると考えられる。誰にも知られていない真実の情報という意味であり、「新しい情報である」という特別感が出るため、実際のところは情報の新旧に関わらず付けられる常套句のようなものであった。
活動の具体的な内容は、様々な反ワクチン・反マスク情報のリンクをポスト(旧ツイート:以下ポスト)したり、医師や政府の公式アカウントの新型コロナ関連の投稿に返信する形でリンクを添付したりなど、一種の啓蒙活動に近いものであった。しかし、彼らの用いているソースは一般人のブログやYouTube動画や出典元もない画像などの信憑性が低いデータがほとんどであり、つまるところはデマ情報の拡散でしかなかった。
デモ行為
神真都Qは各地でデモ活動を行ない、2022年前半から月に一回ほど「全国同時デモ」と称し各地でワクチン反対を訴える活動を行っていた。2022年1月9日のデモには中高年を中心に6000人が全国各地のデモに参加していた。しかし、その後の参加者は減少の一途を辿っている。
(諸事情により一部有料ページへ移動。
2024年11月の全国同時デモについてのまとめが1000文字程度です。)
武力行使
3月から4月の間に、信者の一部がワクチン接種会場に押し入り、ワクチン接種を妨害する事件が各地で起きた。その結果幹部である「イチベイ」こと倉岡宏行含む5人が逮捕、執行猶予付きの有罪判決を受けた。これがきっかけで同年7月に神真都Qのリーダー含むメンバーが逮捕されたことにより、組織構造が一旦崩れるきっかけとなってしまう。
村おこし活動
各ブロックごとの有志よる農業活動で、公式ホームページによると少なくとも2023年には始まっていたと推測される。村起こし活動と称し、各地の信者の市有地で無農薬野菜の栽培をしたり、本格的な米の栽培もおこなっている。土の中の常在菌の力を利用するという方針で、あまり深く耕さず肥料も最小限に抑えていることは各ブロックで共通している。農作物はブロックや地域によってさまざまでさつまいも、ミョウガ、にんじん、トマトなど地域によってさまざまな種類を栽培しており、観賞用の花を育てているチームも存在する。神真都Q含む反ワクチンの中には化学肥料などを忌避する自然派層が一定数おり、海外産の野菜や農薬使用をした農作物を体に取り入れることに強い嫌悪感を持っている信者も一定数存在すると考えられる。
またこのような長期的に集団で行う活動を企画し実行することで、共同体、コミュニティとして強く結束することができ、オープンチャットなどでの流動的な人間関係とは違う根の張った人間関係を構築することが可能になった。
組織構造など
教祖と呼ばれる存在は甲兄こと村井大介、イチベイであり、そこの周辺が幹部であり実権を担っていた。幹部の下に各組織および、各都道府県レベルの地域(ブロック)を管轄するリーダーであるブロックリーダーが存在するという構造で、かなり中央集権型の組織構造をしている。ブロックリーダーはそのブロックにおいてかなりの実権を担っており、メンバーは基本的にBLの意向に従い活動を行なっていた。
神真都Qは後に会員制度を導入した。この制度は結成からおよそ2ヶ月後である2022年2月28日から施行され、会員の個人情報を管理することで、連絡網の作成や「工作員」(野次馬や組織の分断を図るもの)から神真都Qの情報を守り、組織の崩壊を防ぐ目的だったと推測される。そのため会員は、入会時に必ず、氏名、住所、電話番号を書いた入荷届と身分証のコピーを提出し、そして年会費を収める必要性が発生した。雨宮は、浅く広く資金を集めつつ個人情報を利用するためではないかと指摘している。反発する人間が離反し会員数が減ったものの残ったメンバーが強固なコミュニティを形成するきっかけにもなった。また、同年3月には「一般社団法人神真都Q会」という法人を立ち上げている。これにより、寄付金の行方が不透明だったことや、DSが作った経済制度に乗っかる形であることがきっかけでこれも離反者が起きるきっかけとなり、その後の村井逮捕で狼狽えた信者が相次いで退会していき活動の勢力が弱まっていった。
その後は各ブロックリーダーごとに様々な認識の差異の発生や方針のずれが起き、いくつかの派閥ができている。またとても浅すぎて広すぎる集団のため影響力こそあれど全体的な行動力が少なく、個人主義的な状態が出来上がってしまった。現在はトップがいるものの、ヒラの信者たちは各BRの監督のもとブロックごとに各々の活動を進めている。
まとめ
コロナ禍でムーブメント的に巻き起こった反ワクチン陰謀論団体である神真都Qは、アメリカの「Qアノン」ブームに乗っかるような形で信者を得た。米国大統領選に発生したQアノンの思想の美味しいところだけ吸収し、「民主党VS共和党」という対立構造を持ってない日本で馴染みやすくするために、日本人古来の遺伝子と敵対する勢力という大きな二項対立構造を作り上げた。そして日本古来の神話やオカルトを交えて独自の世界観を構築していったのである。
神真都Qは日本の陰謀論団体の中だと過激な方で事件も起こし、報道に取り上げられた一方で、組織化していこうとする上での離反者が相次ぎ、事件後は特に衰退の一途を辿っている。これはコロナが収束したからという見方もできるが、陰謀論団体の中でも「組織化」が失敗した一つの例と見ていいだろう。
4章 考察とまとめ
初めは小さなコミュニティだったオウム真理教と神真都Q、なぜ彼らは陰謀論に染まり、家族や元の日常生活を顧みないような道に足を踏み入れてしまったのか。その理由は決して彼らが「特殊」だったからではない。誰しもが少なからず持つであろう感情、不安、行き場のない怒りを増幅させ別の形に還元するものがたまたま「陰謀論」であり、同じような感情を抱えていた人間たちで寄り添えてしまったからこその悲劇と言えるのではないだろうか。
ここからは上記で調べたものをまとめていき、それを元に考察を広げて行くこととする。
巨大な何かと戦う保守
両者とも基本的な陰謀論の形は同じで、「既得権益に対する敵対心」と「メディア(特にオールドメディア)」に対する不信感が根底にある。
そのため、両者とも現代社会に対する懐疑や不満を持ちそれに抗うために活動をしている。その中で、最終的には「自分たちの集団」VS「巨大ななにか」の対立構造を説くことになる。「巨大ななにか」は基本的には既得権益や、今「良しとされている物」「地位が高いもの」に対して何かしら「悪」のレッテルが貼られている。そして、両者共々保守派を彷彿とさせる愛国心などが垣間見えるが、国を愛する心というよりはどちらかといえば選民思想が強い傾向にある。
辻は陰謀論が全体的に保守思考に走りやすい現象について以下のように述べている。
何がまちがっているのか」の基準は論者の信じる価値観に依存する。それは当然のことなのだが、彼らの「正しさ」についての主張は、しばしば非常に強い。陰謀論の論理のなかでは、彼らの価値観は「自分はそう思う」といった一意見としてではなく、ほとんど自 想法則と同等な普遍的、絶対的価値が与えられる。それは「自然的道徳」「普遍的真理」 として表象され、「客観的な」評価や判断の尺度となるのである。
そのような基準にしたがって、彼らは自己の価値観と社会の現状との乖離を、本来ある べき自然な姿に反した社会の「異常さ」として指摘する。また彼らはその価値観にもとづいて、理想化された「古き良き時代」「黄金時代」や「本来あるべき世界」を語り、ある いは少なくとも背後に前提している。このことが、陰謀論がしばしば顕著な保守的傾向を 示す一因となっている。
辻は直接言及していないが、この傾向はオウム真理教や神真都Qも例外ではない。古き良き時代に固執し、そこにある程度立ち返ろうとする意識は一般的な流れでも起こりやすいムーブメントである。しかし、彼等がここでいう「本来あるべき世界」は「自分達にとって暮らしやすく居心地の良い世界」でしかないのだ。悪を淘汰し、善人や優れた民族だけ残そうとする選民思想、また「自分たちは救世主」というヒーローコンプレックスに近い思想も両者に見受けられる。これは人の善意にうまく大義名分を与え操るための思想であると考えられる。そのため、正義感の強い向上心の人間ほどはまり込み、活動が活発になっていくのである。
オウム真理教や神真都Qは第一に自らのレベリング、そしてその後に人々を救済すると言うプロセスを持つ。世の中の違和感に「気づく」フェーズ、自分の使命ややるべきこと「悟る」フェーズ、己を磨き「高める」フェーズ、そのメソッドを周りに広め「救済に導く」フェーズの4段階に分けられる。オウムは「修行」によって己を高めていたが、神真都Qではその修行が「調べ」て「知識を得る」ことに変化しただけで、そのことによって自分たちだけが選ばれた場所に行けるようになるという構造はあまり変わらない。
どちらも終末系を中心にした教えであるが、神真都Qは陰謀論を最初からとり入れていたのに対し、オウムは晩期に取り入れ始めた。陰謀論は自分の手に負えないものを理解し、折り合いをつけるために利用される。神真都Qは元々の「コロナ」という大きな敵のような存在がいて、そこから仮想敵がどんどん増えていく構造だったため初期から陰謀論を取り入れた思想であったが、オウムは経典である解脱までのプロセスが元々存在しており、メディアなどからのバッシングを受け「可視化できる敵」が登場してから陰謀論を多用し始めるという形をとった。
オウムは「人間らしさ」からの脱出を計っているが、神真都Qは人間らしさを賞賛し「家族」を大事にし、愛情などの感情を大事にする。これは教義に使っている宗教の違いがあるからとも考えられるが、その当時の時代性にも影響を受けたのではないかと考える。
それぞれの生きづらさ
陰謀論は社会の見方や共通認識が崩れていくことへの不安を解消してくれる要素がある。と辻は指摘している。「大きな敵」「世界の秩序構造」を簡単に指し示すことで、「わかりにくい現実」を「わかりやすい虚構」に変換するのである。そうすることでわからない不安、自分が何をすべきかわからない焦りや絶望感から信者を救ってくれるのである。
神真都Qもオウム真理教もそれぞれ発生した時期が違うものの、格差が完成した社会による生きづらさ、虚無感・絶望感に上手く寄り添った集団であった。いつの時代も不安や孤独、恐怖というのは人々を脅かし、正当な判断を難しくさせる。バブル崩壊後、経済的にも社会の空気感の変化にもおいていかれた人間が集まったオウム。「パンデミック」という様々な変化が爆発的に起きたコロナ禍で、経済的にも情報の流れの速さや社会の閉塞感に耐えられず抜け出した神真都Q。両者とも不安や孤独に漬け込まれた。
バブル崩壊後の1990年代は、「失われた10年」と呼ばれるほど空気は落ち込み、みんなが意地汚く生きた時代である。「善意だけでは生きていけないんだよ」「誰かを蹴落とさないとやってられないんだよ」といった一般論を割り切れない「善意で動きたい」層が麻原に助けを求めに行ったのではないか。オウムは「どうして悪い人の方がのさばるんだろう」と純粋に人の善悪について考えている人が尊師に可愛がられ解脱が早い。また修行を必要とするため、自己に対してストイックでエネルギーがあり、内向的、かつ向上心がある信者が多かった。
神真都Qは突如発生したパンデミックがトリガーになっており、「withコロナ」や「新しい生活様式」などこれまでの生活と大きく日常が変わる恐怖感が支配し、経済的にも精神的にも大きな打撃となった。「ワクチンに対する恐怖感」や「なぜ自分たちがこんなことをしいられなきゃ行けないんだ」という不信感が入り混じる。また啓蒙がベースであるため民衆に優越感を抱きやすい構造を持っていた。そのため「私たちだけが知っている」と優越感に浸りつつも「今まで私たちを支配したエリートを許さない」などといった負の原動力が多い信者も存在した。また、外出制限や行動制限など日常に制限がかかったことで貯まった鬱憤から「支配されること」を過度に嫌い、上流階級や医師に敵対心を抱きSNSで攻撃する信者も多く見られた。その頃から「既得権益を合法的にバッシングしたい」と言った大衆の心理が顕著に現れていき、もともとXなどのSNSで「有名人」に直接ものを申す機会ができていたことと合わさり、有名人叩きのような陰謀論が加速していったのである。
「既得権益をぶっ壊す!」
現代のSNS陰謀論には特に「既得権益を覆す」という要素が入っている。陰謀論には「知ると自分が大逆転できる」という要素が大きくなっている。
Qは、一人一人のちっぽけな実人生に比して、何か大きな存在の一部になったような感覚を人々に与えた。信者たちに気高く高貴な目的を与えたといってよい。Qは恐ろしい物事をどう解釈すればよいかも手ほどきした。結局のところ、我々は指導者たちを含め、権力を持つものが単に強欲であるとか、無能であるに過ぎないと考えるよりも、闇の組織が悪事を画策していると信じる方がたやすいということだ。
陰謀論には荒唐無稽な内容が多いが、これらの多くは「既得権益を非難する」という属性が極めて強い。なぜならそれは、既得権益を非難し、自分たちより上の存在を否定し「陰謀」と捉えることで自分の精神を安定させる作用があるからなのだ。また、陰謀論はその人の自尊心を保つ役割がある。陰謀論に染まった人の脳内では、その人自身は「真実を知った人間」で、他の人間はどんなエリートでも「真実に気づかない無知蒙昧の集団」という認識になる。そのため、「真実」というひとつの要素ではどの人間よりも抜きん出て自分が素晴らしいという証明になるのだ。この自尊心の満たされる快感が、ますます人間を陰謀論から離れられなくするきっかけに繋がる。Qアノンでも、「Q」や「Qクリアランス」が発表した情報を読み取って解釈し、真実を伝える人間が崇拝された。つまりは「アノン」と呼ばれる真実にありつける人間たちだけが、ごく少数の選ばれた存在だとされる選民思想や優越感をくすぐる構造をとっていたのである。
SNSによる人間関係の流動性と先鋭化
オウム真理教はSNS出現前のカルトであり、コミュニティは基本的に対面で、出家信者は信者のみのコミュニティの中で生活し、在家信者向けにもヨーガの教室や講座などが開かれた。しかし、対面でコミュニティがあるが故に、家族や職場でバレやすく人を囲い込むのが難しい側面もあった。ブッダとキリストの両方の属性を持つ麻原彰晃という、カリスマ性のある1人の教祖に完全に帰依する方針で経典があらかじめ存在している状態であり、皆がそれに基づいて行動したため分裂などが起こりづらかった。また対面でのコミュニティのため、違反を起こしたものはその場で処分されることが多く、対立や謀反が起こりづらかった。また麻原を中心とした国家のような体制を作り上げたことで、教祖の指示のもと的確に行動に移すことができ、未曾有のテロを巻き起こすことができるようになった。つまり「少数精鋭」のコミュニティがつくりやすかったのである。
一方でインターネットやSNSが主流になった現在は、浅く広く匿名性が高いコミュニティになった特性上、多くの人を囲い込むことが可能になった反面、「良質な信者」を集めることが難しくなっていった。内藤は、インターネット時代の陰謀論は、家族や既存のコミュニティとわざわざ切り離す必要性がないことも拡大の大きな原因となっていると主張する。過去のカルト集団は「出家」という段階を踏ませて、一般社会から隔離させたため家族が気付きやすく、大ごとになる確率も高かったのに対し、SNSのカルト、特にQアノンは在宅でも端末があれば入信できる仕組みになった。だからこそ家族や職場にもわからないまま信者を囲い込むことが可能になったのである。
神真都QもSNS出現後のカルトであり、コミュニティは対面もあるがLINEのオープンチャットやX、テレグラムなどのSNSのコミュニティが中心だった。しかしSNS上のコミュニティは非常に匿名性が高く、いい意味でも悪い意味でも「浅く広く」な人間関係を構築した。アカウントだけでは信者かそうでないかの区別がつきづらいため、信者以外の人間が容易にアクセスすることができた。それが原因で会員の個人情報やデモの段取りなどの情報が外部に漏れる他、悪質な書き込みをするユーザーや会員同士の情報共有の邪魔をする人間が現れた。そのため仲間割れを起こしたり信者間で疑心暗鬼になったりすることがあった。そのためオープンチャットを使用する信者が爆発的に増えていた一方、信じるべき情報が定まらず分裂を起こすところもあった。SNS上では個人的に連絡を取り合うハードルが下がり、一部の人間だけを集めて秘密裏に動くことも可能になった。また同じ考えの人間をすぐに集められるようになった。そのため「謀反」や「離脱」を起こすことが対面中心のコミュニティより非常に簡単になった。
またXなどでは教祖や神真都Q以外にも陰謀論を発信しているアカウントが多数存在し、甲兄以外からも新しい「真実」めいた情報が入った。そのため各信者の認識に差があり、まとまりづらい状況となった。対面のコミュニティとは違い、かなり流動的な人間関係しか構築できなかった。そのため人間の流れも早く、リーダーの逮捕をきっかけに多くの神真都Q信者が別の反ワクチンや陰謀論コミュニティに移動して別の人間関係を形成していった。
その一方でデモや町おこしなどの活動で実際に面会した人間はその中で結束力を高め、密接した人間関係を構築している。最終的には各地方ブロックの会員たちの集団が、SNS上で緩やかに団結していると言った形になった。
SNSという流動的な人間関係の構築を主軸としていた団体であったがゆえに、「ライバル関係」にあたるいろいろなインフルエンサーや、類似した活動に触れやすくなるというデメリットがあった。そのおかげで信者が分裂しやすく、また情報が漏れやすい環境でもあったため「情報を秘匿する」ということが対面コミュニティより格段に難しくなった。そのため「凶悪犯罪を計画」すること自体が難しかったのではないかと推察できる。
これらの理由から、神真都Qは「第二のオウム」と言われていたのにも関わらず先鋭化を避けることができたのかもしれない。
陰謀論を焚き付ける存在
陰謀論は決して、信者だけで構成される訳では無い。中には、悪意をもって人々を扇動したり、金銭目当てでデマ情報をまく人間もいる。
また、SNSが発展してからは匿名で様々な人と会話することが可能になった上、都合が悪くなったらアカウントを消して「逃走」することが容易になった。そのため、顔を出した会話とは違い、誰しもが無責任な発言をするようになってしまった。その特徴を理湯して、「野次馬」のような存在が敢えて陰謀論のような事を話したり、信者を焚き付けてからかうような事例も多く見られるようになった。
また、神真都Qも「工作員」という言葉を発していたが、初期がインターネット上の集まりであり、信者の管理も上層部のみで行っていたため、目の行き届いていない現場に色々な人間が入り込めてしまっていた。物珍しさからオープンチャットなどに潜入し、信者に嫌がらせをする人間や、オープンチャット上の情報を抜き取り、デモの日時などを漏洩させる人物が出現した。また、信者に嘘の情報を流し、「分断」を誘うような行動を起こす人物もおり、そのせいで分断したり離反してしまったチームもある。いわば正義を盾にしてやりたい放題したい人間の格好の餌食となってしまったオープンチャットも存在した。こうなってしまうと「正義の鉄槌を振りかざし『カルト』を潰す」と宣言している人間側がむしろ、「共通の敵を作り、相手を執拗に攻撃する」といういじめに近いことをしてしまい、同じ土俵に降りるが故にそちらも一種の「反陰謀論」というカルトになってしまうのだ。そしてそれらの人間たちと関わることで、信者がより先鋭化し、凶悪な犯罪に舵を切ってしまうのではないかと考える。
おわりに
「私は大丈夫」だと思っている人間がカモにされ、陰謀論やお金儲けの餌になってしまうことは多々ある。玉石混交の情報社会を渡り歩く私たちは、どんなに賢くても、どんなに気をつけていても、フェイクニュースに踊らされ、その裏にある目論見にまんまとハマってしまうものである。そして、令和の米騒動やオイルショック、震災のトイレットペーパー騒動のように日本全体がパニックになってしまった事例も少なくない。また1999年には「人類が滅亡する」というノストラダムスの大予言が流行し、テレビ含む多くのメディアで取り上げられ社会問題に発展した。一時的なデマに踊らされるならまだマシであるが、「陰謀論」にハマってしまうと抜け出すにはかなり努力と時間を要するものである。「自分は真実に気づいた特別な人間だ」という思考回路は脳内麻薬を出しているようなもので、なかなかその呪縛から自分から解き放つのは難儀なのである。1度ハマったら抜けられない。そして入口はいくらでもある陰謀論。 果たして社会は陰謀論とどう向き合い、どう付き合っていけばいいのか。
「過激な文字列」が世論をかえるSNSのこれから
神真都Qが下火になったからといって、陰謀論が今全く存在していないかといったらそれは違う。SNS上ではいまだに反ワクチンの活動は続いているほか、さまざまな事件に便乗して新たな陰謀論が日夜生まれ、誰かに信じられたり、誰にも信じられないままどこかで消えていっている。
11月におこなわれた兵庫県知事選挙では、パワハラ疑惑で告発されていた斎藤元彦が再当選を果たしたが、その裏でも「陰謀論」と呼ばれるようなムーブメントが存在していた。「パワハラはでっちあげで、政府が斎藤氏を当選させないための陰謀だ」といったような内容や、斎藤氏の無実を訴えるような内容がSNSで拡散され、その影響が選挙戦にも出たのではないかと推察されている。やはりここでも「既得権益を潰したい人間」達の心理が大きく働いている。彼らは既得権益に敵対し、テレビ、新聞、ラジオなどの「オールドメディア」に対しての不信感を持っている。このような心情によって作り出され拡散されるデマや陰謀論はこれから先も十分起こりうるし、注意が必要である。このように玉石混合の情報が入り混じる時代だからこそ、の「精査された情報」の重要性や、完全とは言えないものの情報の安全性が担保されたメディアや情報源の必要性は重視されていくべきである。
SNSは「短文文化」であり、短い文章でいかに相手を引きつけるかが鍵となってくる。また、「怒り」や「嫌悪」などの負の感情を呼び起こす投稿の方が拡散されやすい。そのため真偽や情報の濃さに関係なく「キャッチーな文章」が拡散され、それが蔓延している。「自分の欲しい情報」を仕入れるだけでも膨大な量が手にはいり、似たような人間と共有し、「自分達だけの世界」にのめり込むことも可能になってしまった。
世界中の人間が簡単に情報を発信できるようになった今、誰しもが陰謀論の被害者にも加害者にもなりうる。だからこそ免疫をつける目的でも、陰謀論を風化させてはいけない。
壮大な祈り
世界がこうあってほしい、とまで壮大なスケールの願いを持っている人間は少ないかもしれないが、「少しでも自分やその周りの人を取り巻く環境が良くなってほしい」と願うのは人間の本能に近い感情であると考える。自分や周りの幸福、平和のために動く感情は人間の善性であり、決してなくなるべきものではない。陰謀論者やカルト信者もはじめから「悪人」と呼ばれるような人間で、他人の不幸を願っているわけではない。ただ、一人一人のできることは小さく、その努力や思いは「大きな力」によって儚く散ってしまうことも多々ある。「何かわからないもの」に怯えながら、何をすべきかわからないまま立ち尽くすしかない人々もいる。大切なものを失ったり、信じていたものに裏切られたり、また「自分自身」に裏切られ生きる気力がなくなったりして、救いを求める人たちもいる。寂しさに打ちひしがれ、誰にも話せないことを抱えながら苦しんでる人たちがいる。そんな人たちを「陰謀論」はてぐすね引いて慈愛に満ちた笑顔で待っている。陰謀論にのめり込み、あらぬものを崇拝し他者や社会と断絶してしまった人間も、自己肯定感、承認欲求や選民思想にかぶれ、大きなアクションを起こしてしまった人たちも一番初めは自分や大事な人、かけがえのないものなど「何かを守りたかった」人なのだ。
研究を通じて陰謀論を信じる人たちと会話をしたり、デモに赴き同じように陰謀論を観察している人たちの話を聞きながら観察したりしていたが、誰ひとりとして「はじめからの陰謀論者」は存在しなかった。皆、社会に不安を抱え、何かを信じたくて信じてしまったのがたまたま陰謀論だった。
今回の研究では「陰謀論」にハマるメカニズムやどのような経緯で陰謀論団体が先鋭化していくのかを調べてまとめた。しかし、上記に書いたこと以外にもまだまだ陰謀論は存在するし、自分たちの身近な話題にも陰謀論までいかなくても「きっかけ」はいくらでも潜んでいる。きっかけはいくらでも転がっているからこそ「陰謀論について知らない」状態は危険である。「こういうものがある」とある程度免疫のようなものがつくだけでも陰謀論にのめり込まなくなるのだ。
この論文はとても拙いが、これをきっかけに1人でも多くの人が陰謀論について頭の片隅に入れることで、何か陰謀論の始まりのような物語に触れ感化されそうになった時に、「あれ?」「これはもしかして」と立ち止まって考えられたらと願っている。
陰謀論は誰でも落ちてしまう可能性があるのだから。
参考文献
【書籍】
井門富二夫『カルトの諸相 : キリスト教の場合』、 岩波書店、 1997年
石井研士『テレビと宗教 : オウム以後を問い直す』、中央公論新社、 2008年
ウィル・ソマー 著ほか 『Qアノンの正体 : 陰謀論が世界を揺るがす』、河出書房新社、2023年
大澤真幸『虚構の時代の果て、増補』、筑摩書房、2009年
菊川征司 『トランプとQアノンとディープステイト』、ヒカルランド、2021年
『認知バイアス大全 : 「脳のクセ」に気づけば、見かたが変わる』ナツメ社、2022年
櫻井義秀、『「カルト」を問い直す : 信教の自由というリスク』、中央公論新社、 2006年
笹原和俊、『フェイクニュースを科学する』、DOJIN文庫、2021年
島薗進 、『現代宗教の可能性』、1997
サミュエル・ウーリー、『操作される現実』、白揚社、2020年
ジョセフ・E・ユージンスキ『陰謀論入門 : 誰が、なぜ信じるのか?』、 作品社、2022
地球の歩き方編集室、『地球の歩き方ムー : 異世界 (パラレルワールド) の歩き方 : 超古代文明 オーパーツ 聖地 UFO UMA』、地球の歩き方、2022年
辻隆太郎『世界の陰謀論を読み解く』講談社現代新書、2012年
内藤陽介『誰もが知りたいQアノンの正体』株式会社ビジネス社、2010年
福田充、『メディアとテロリズム』、新潮社、 2023年
マイク・ロスチャイルド 著ほか『陰謀論はなぜ生まれるのか : Qアノンとソーシャルメディア』、慶應義塾大学出版会、2024年
マイケル・ロビンソン 著ほか『世界の陰謀論:ビジュアルストーリー』、 日経ナショナルジオグラフィック社、2019年
森達也「『A』:マスコミが報道しなかったオウムの素顔、」、KADOKAWA、2002年
【雑誌・雑誌論文など】
雨宮純「神真都Qと陰謀論とコンスピリチュアリティ」、「コンスピリチュアリティ入門 : スピリチュアルな人は陰謀論を信じやすいか」創元社、2023年
オウム編集部「神通力 麻原彰晃は魅せた!」、株式会社オウム、1988年
「ヴァジラヤーナ・サッチャ」、9号、AUM PRESS、1995
マハーヤーナ編集部編、「マハーヤーナ」、株式会社オウム
1号(1987)、31号 (1990)、32号(1990)33号 (1990)
齋藤竹善、「日本におけるレプティリアン陰謀論受容とその役割 : 太田竜から神真都Qまで」、都市文化研究 25 、大阪市立大阪大学院文学研究科都市文化研究センター、2023年
藤倉善郎、「逮捕者続出の反ワクチン団体「神真都Q」とカルト問題」、フォーラム21、有限会社フォーラム、2022年、通巻316号
藤原 学思、「陰謀論の土壌 日本にもある : 反ワクチン団体「神真都Q会」の正体」 、Aera = アエラ、朝日新聞出版、2023年、36(2)号
【ウェブサイト】
(押すとリンクに飛べます。こういう機能、とても便利ですね。)
雨宮純、「神真都Qとはなにか」、note、2022年(参照 2024/12/23)
Aleph公式サイト(参照 2024/12/27)※アーカイブを利用させていただきました
Instagram 「Instagramのアルゴリズムのしくみ」(参照 2024/12/23)
Xヘルプセンター 「Xの『おすすめ』タイムラインについて」 (参照 2024/12/23)
https://help.x.com/ja/using-x/x-timeline
NHK 「オウム真理教関連年表」 NHKニュース (参照 2024/12/23)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/aum_shinrikyo/nenpyo.html.
警察庁「オウム真理教の誕生からテロ集団化に至るまで」(参照 2024/12/23)
https://www.npa.go.jp/hakusyo/h08/h08index.html.
国税庁 法人登録公表サイト「一般社団法人神真都Qの情報」(参照 2024/12/23)
産経ニュース. "トランプ氏「嵐の前の静けさ」発言が波紋呼ぶ 軍事行動の前触れか." 産経新聞, 7 Oct. 2017,(参照2024/12/23)
自分の頭で考える人2.0(@Awaked_Citizen)Xアカウント(参照 2024/12/23)
https://x.com/Awakend_Citizen?t=6pYEnb0cigdwsV35PrkzvA&s=09
神真都Q公式WebSite(参照 2024/12/23)
神真都Qアットウィキ(参照 2024/12/23)
「Yamatoq音源倉庫 神真都Qで使用可能な完全オリジナル音源」(参照 2023/12/16)※アーカイブを利用させていただきました。
読売新聞オンライン「反ワクチン団体『神真都Q会』、警察が動向注視…「闇の政府が支配」Qアノンの陰謀論拡散」(参照 2024/12/23)
ここまでお読みいただきありがとうございました!!
以下は申し訳ないのですが、都合により有料ページになります。先ほど割愛した神真都Qのデモをウォッチした時にまとめた項と、少しばかりですがおまけとして編集後記を載せております。
僕の研究のきっかけなども簡単ですが書いてみました。駄文ではありますが、もしよろしければ読んでいただけると幸いです。
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購入者のコメント
8宗教を人はなぜ信じるか
田川建三『キリスト教思想への招待』勁草書房 2004年
宗教を適当に扱う中世の人々
衣川 仁『神仏と中世人』吉川弘文館 2019年
以上です。
コメントありがとうございます!
機会があれば拝読いたします!
最近興味のある内容だったので、これを卒業論文として完成させて、さらに世に出してくださったことに感謝します!
特に「神真都Q」が先鋭化しなかった理由についての考察は興味深く読みました。
参考書籍になかったのですが、
リー・マッキンタイア著・西尾義人訳『エビデンスを嫌う人たち』
という本もおすすめです。こちらでは、地球平面説をはじめとする陰謀論者とどうしたら対話が可能になるのかについてさまざまな検証がなされています。
陰謀論にハマらないように注意喚起してくことはもちろん、陰謀論に忌避感のある人たちが「反陰謀論」のカルトに沼らないようにするためにも、対話していくための方法論も広まってくことが今後は必要なのかなと思っています。
コメントありがとうございます!
参考にさせていただきます……!!