前兵庫県議・竹内英明さんはなぜ死に追い込まれたのか 今西憲之[ジャーナリスト]
内部告発で指摘した優勝パレードの疑惑
竹内さんが繰り返す「あれ」とは、W氏が内部告発で指摘した、阪神とオリックスの優勝パレードの疑惑だ。 2022年、プロ野球で阪神タイガースとオリックスバファローズがそれぞれリーグ優勝。日本シリーズを争った。その優勝パレードが大阪府と兵庫県で開催された。内部告発には、 《優勝パレードの陰で 令和5年11月23日実施のプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードは県費をかけないという方針の下で実施することとなり、必要経費についてクラウドファンディングや企業から寄附を募ったが、結果は必要額を大きく下回った。 そこで、信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った。(中略)パレードを担当した課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神がもたず、うつ病を発症し、現在、病気休暇中。 ○公金横領、公費の違法支出》 と記されていた。 竹内さんはなんらか刑事事件になるのではないかとみていた。石川さんの陸山会事件だけにとどまらず、無数の事件を取材してきた経験から、私に真相究明してほしいというものだった。 内部告発に書かれている、信用金庫がパレードが終了後という謎めいた時期に寄付していたことは公表されていた。 しかし、情報公開ではパレードへの寄付金額までは明かされていなかった。刑事事件としては、斎藤知事が兵庫県に金銭的な損害を与えた、その金額がどの程度となるかが大きなポイント。そこで、情報公開では黒塗りになっていた、信用金庫の寄付金額を徹底して取材。 寄付金額の全容を掴んで、昨年9月にインターネットのニュースサイト「AERAdot.」 【独自】兵庫・斎藤知事らの補助金キックバック疑惑で金融機関幹部が重要証言「補助金と寄付はセットだった」 【独自】兵庫・斎藤知事の補助金キックバック疑惑 13金融機関の寄付額一覧を入手! という2本の記事を相次いで書いた。 最大のポイントは黒塗りの寄付額一覧。 昨年8月、兵庫県庁近くで竹内さんと向かい合い、 「これで間違いないと思う。裏付けはとれています」 と入手した寄付額一覧を見せた。 竹内さんは百条委員会でも、何度も斎藤知事らを窮地に追い込む質問を展開。まさに「エース」的な存在だった。私の入手した寄付額一覧は複数で裏付けがとれていた。だが、二重にも三重にも裏付けがほしかった。 竹内さんなら、確認してくれると思った。 「よっしゃ、わかった」 数日後、竹内さんから電話が入った。 「あたりや。自信もって書きや」