より安い入札業者いたのに「失格」 水道企業団贈収賄事件のからくり
阪神水道企業団(神戸市東灘区)の工事の入札をめぐる贈収賄事件で、神戸地裁(桂川瞳裁判官)は21日、収賄罪に問われた地方公務員で同企業団職員の奈良猛被告(46)に懲役1年2カ月執行猶予3年、1万円札5枚没収、追徴金15万円(求刑懲役1年2カ月、1万円札5枚没収、追徴金15万円)の判決を言い渡した。公判では、不当に価格をつり上げて落札させた手口が明らかになった。
公判では、不当に価格をつり上げて落札させていた実態が明らかになりました。
判決によると、奈良被告は同企業団で施設の工事の実施や監督を担当。昨年9月にあった尼崎浄水場(尼崎市)の舗装補修工事の条件付き一般競争入札で、土木会社の金山組(尼崎市)が工事を受注できるよう便宜を図り、見返りとして金山組元専務の金智昭被告(52)から現金20万円を受け取った。
桂川裁判官は「公務員の職務の公正を著しく害し、信頼を失墜させるもので、非難は免れない」と指摘した。一方、確定判決を受けて失職がみこまれることなどから、執行猶予が相当とした。
贈賄罪に問われた金被告は懲役10カ月執行猶予3年(求刑懲役10カ月)の判決を受けた。
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