県内の介護施設...高齢者虐待最多 23年度、相談・通報意識が向上

2025/03/22 08:00

 2023年度に県内の介護施設職員による高齢者の虐待が認定された件数は20件で、前年度を11件上回り、3年連続で過去最多を更新した。県が21日、福島市で開いた県権利擁護推進会議で示した。県は、施設の管理者や職員が虐待の疑われる事例を相談・通報する意識が高まったことが、把握件数の増加につながったとみている。

 県が厚生労働省の調査結果を基に、県内市町村の回答を集計した結果は【グラフ】の通り。職員による高齢者虐待は市町村が相談・通報を受け、事実関係を確認して認定する。相談・通報件数は前年度比11件増の43件に上り、3年連続で過去最多となった。相談・通報者は施設職員が16人(前年度比5人増)で最も多く、管理者が10人(同8人増)と続いた。

 虐待認定件数を種類別に見ると、暴行などの「身体的虐待」が15件に上り、以下は暴言などの「心理的虐待」(7件)、「介護放棄」(3件)などの順だった。一つの事例で複数種類の虐待が認定されているケースもあった。

 発生要因は「職員の知識・意識の不足」「職員のストレス・感情コントロール」「職員の倫理観・理念の欠如」などが目立った。このため県は、施設向けの研修を充実させるなどの対策に今後も取り組む方針だ。

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