肉体のシグナルを無視する重要性

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肉体と精神を分離させて考える古典的な思考は流行らないし、肉体こそ真実という思想が跋扈している。おそらくそれは正しいし、たとえば幽体離脱したら性欲があるのか。幽体には性欲がなく、残された肉体に性欲が残存するのか、それはなさそうだし、そう考えると、肉体と精神を完全に切り分けるのはナンセンスである。「アイスを食べたい」という場合、それは胃袋の欲求ではあるが、しかし、アイスを食べておいしいと思うのは精神の作用かもしれないし、いずれにせよ、ベルリンの壁のように聳え立つ峻拒な断絶があるわけではない。とはいえ、やはり肉体と精神は区別されるべきであり、肉体から送られてくるシグナルに従うのはよろしくない。肉体からの青信号・赤信号は当てにならない。たとえば空腹になるたびに食べればいいのか。眠くなるたびに眠ればいいのか。痛くなったら練習をやめるのか。辛いと思ったら勉強をやめるのか。性欲が生じるたびに実行するのか。肉体からの呼びかけは、悪い誘惑であり、場末の客引きと同じである。なぜか肉体は破滅を望んでいるようだ。今こそ、われわれは、古典的な肉体・精神の二元論に立ち返り、高貴なる精神に基づいて、肉体の堕落を防がなければならない。肉体が空腹の信号を送ったときに食べるのではなく、われわれの精神が理性的に判断して食べるべきなのである。肉体から送られてくるSOSはろくなものがない。
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