屋久島珍道中(4)〜激突!本当はママに褒められたいだけのマザコン野郎編〜
こちらの記事の続編です。
酵素玄米と温泉と坂爪圭吾との楽しい時間が功を奏して、M様の体に異変が起きた。夜中、M様が寝ていた時にとんでもないポカポカに襲われて、全身汗だくになり、服も下着も全部着替えるほどぐちゃぐちゃになり、結果、悪いものがすべて流れた。これまでは、何をしている時も不安や恐怖が付き纏っていた。それが消えた。全部流れた。体が循環機能を取り戻し、不安や恐怖よりも、生きる喜びが優先される本来の調子を思い出した。
向かうところ敵なしの我々に、早速敵が現れた。離島あるあるだと思うが、お山の大将気取りのバカな移住者が、我々に絡んできたのだ。詳細は省くが、精一杯強がって自分を大きく見せようとする敵の器はおちょこの裏よりも小さく、回復を遂げたM様から「この男はダメだ。クールぶったりしているけれど、本当はママから褒められたいだけのマザコン野郎だ」と認定された。可哀想に。
M様は言った。えらいねえ。すごいねえ。そんな風にママから褒められたいだけの男が多過ぎる。情けないったらありゃしない。ねちねち絡んでくるだけの男は最低だよ。女は男のリハビリセンターじゃないんだよ。結局、自分語りがしたいだけなんだろ。自分語りをして、女からえらいねえとかすごいねえって言われたいだけなんだろ。あたしはねえ、あんたのママじゃないんだよ。自分語りはよそでやってくれ。おとといきやがれってんだい。啖呵を切るM様を見て、回復を確信した。
海の前にある温泉に行ったら、五歳の男児に絡まれた。洗面器をふたつ重ねて浮き輪にして、優雅に泳ぎながら「どや」と私を見てきた。こちらも見返したら、気をよくした男児は洗面器をひっくり返し、巨大な泡を出して「おなら」と言った。小さな子供は「見て」とか「聞いて」とか「触って」と、ストレートに要求してくる。邪気がないから、こちらも「わかったよ」となる。何かに似てる。何かに似てる。何かに似てると思ったら、悪党に似ているのだと思った。悪党たちの、自分の欲望にまっすぐな姿に似ているのだと思った。
午後、M様はA様とデートに出かけると言って、別行動になった。明日は屋久杉トレイル本番である。十二時間程度歩くために、参加者は弁当の携帯を義務づけられている。M様はA様の手作り弁当を持参するらしい。いいな。デート。俺はパンだよ。添加物たっぷりの菓子パンだよ。屋久島の物価は高いが、ハワイに比べれば激安。屋久島の感じは、どことなくハワイ島に似ている。俺も誰かとデートしたいなと思いながら、購買したカップヌードルを片手に猿川ガジュマルを目指した。
ら、奇跡が起きた。
(つづけ・・・)
連絡先
keigosakatsume@gmail.com
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