祭り露天権利不正取得で詐欺罪 暴力団総長に懲役2年実刑判決

去年行われた「浜松まつり」を含む県内の3つの祭りで暴力団であることを隠して露店を出す権利を不正に取得したとして詐欺の罪に問われた山口組系の暴力団の総長ら3人に対し、静岡地方裁判所浜松支部は総長に懲役2年の実刑判決、ほかの2人の被告に懲役1年6か月執行猶予3年の判決を言い渡しました。

いずれも浜松市中央区の指定暴力団・六代目山口組傘下の「國領屋一家」総長、戸塚幸裕被告(55)と建設業井上淳一被告(47)、建設業手塚英俊被告(44)は、去年行われた「浜松まつり」や「遠州大名行列・舞車いわた大祭り」それに「見付天神裸祭」の3つの祭りで暴力団員の戸塚被告が実質的に露店を経営することを隠して出店を申し込み、露店を出す権利を不正に取得した詐欺の罪に問われました。
これまでの裁判で3人は起訴された内容を認めていました。
18日、静岡地方裁判所浜松支部で開かれた裁判で、高島由美子裁判長は「暴力団等の関与を排除して安全かつ平穏に祭りを実施し、資金源となることを防ごうとする主催者の取組が損なわれたり、祭りに対する市民の信頼が低下する恐れがあった」などとして戸塚被告に対し懲役2年の実刑判決、井上被告と手塚被告に対して懲役1年6か月執行猶予3年の判決、それに3人に、祭りの売上金にあたる追徴金あわせて858万200円を連帯して支払うよう言い渡しました。

【「浜松まつり」の組織委員会は・・】
「浜松まつり」で暴力団による不正出店が明らかになったのはおととしに続き2回目です。
祭りの組織委員会が暴力団を追放する宣言を行っている中での今回の事件。
事態を重く見た組織委員会は今回、起訴された露店商らが所属する西部街商協同組合をことしの祭りに参加させないことを決め、代わりに地元の飲食店などに声をかけたり、キッチンカーなどを出店することにしました。
浜松まつり組織委員会の金子哲也事務局長は「2年連続になる暴力団との繋がりが発覚し、今回はこれまで結んできた覚書というのは締結しませんと組合に申し伝えました。これがお祭りなんだというわくわくするような演出はやはり街商組合さんの露店が楽しいと思うし、今年はそういう演出ができないことに関しては少し残念には感じています」と話しました。
一方、今後については「各所からも露店がなくなってしまうとさみしいという声を聞きます。できれば復活してほしいが、風通しの良い組織になって、地域の皆さんに認められる組織になってほしいです」と述べました。

【県西部街商協同組合 理事長は・・】
2年連続で逮捕者を出してしまった静岡県西部街商協同組合の松井祐樹理事長は「起訴された組合員自身は暴力団ではなかった。警察の審査をスルーした人間だったので、信用してしまったが、その先の交友関係までは、把握できてなかった。真摯に受け止めて、今後、同じようなことがないように、取り組んでいきたい」と述べました。
その上で、「組合員全員、浜松まつりの売り上げは当てにしてると思うので、収入面では大打撃です。まずは啓発活動を通じて1人1人に自覚を持ってもらい、来年は参加できるよう、反社や暴力団とは関係ないとアピールしていきたい」と話していました。

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