「人間・斎藤元彦」が浮き彫りに…第三者委報告が明かした斎藤知事の「怒り」と「理不尽」【西脇亨輔弁護士】
報告書は「すべて受け入れる」ことが大前提のはず
報告書の最後には「調査を通じ、最も述べたいところ」として次のように書かれている。 「組織のトップと幹部は、自分とは違う見方もありうると複眼的な思考を行う姿勢を持つべき」「組織の幹部は、感情をコントロールし、特に公式の場では、人を傷つける発言、事態を混乱させるような発言は慎むべきということである」 学校の先生が生徒を諭すような「当たり前」すぎる内容が書かれていることに私は驚いたが、さらに驚いたのはこの報告書への斎藤氏の反応だ。斎藤氏は報告書公表から2日後の今月21日、「読み続けている」とした上で、こうコメントしたのだ。 「受け入れるべきところは、受け入れていく」 この発言は論理上、こう読み替えることができる。 「受け入れるべきでないところは、受け入れない」 そして、それを決めるのは斎藤氏自身ということか。しかし、厳しい認定だろうと耳が痛い指摘だろうと、斎藤氏自身が設置を表明した第三者委である以上、結論はすべて「受け入れる」のが大前提のはず。それなのに「受け入れない」可能性を示す発言は、第三者委が指摘した「事情を聞こうとしない」斎藤氏の姿そのものなのではないか。 170ページにおよぶ報告書は「斎藤元彦」という人物を浮き彫りにしている。そこに政治家としての資質をどう見るか。報告書は重い真実を白日の下にさらしたと思う。 □西脇亨輔(にしわき・きょうすけ) 1970年10月5日、千葉・八千代市生まれ。東京大法学部在学中の92年に司法試験合格。司法修習を終えた後、95年4月にアナウンサーとしてテレビ朝日に入社。『ニュースステーション』『やじうまワイド』『ワイド!スクランブル』などの番組を担当した後、2007年に法務部へ異動。社内問題解決に加え社外の刑事事件も担当し、強制わいせつ罪、覚せい剤取締法違反などの事件で被告を無罪に導いた。23年3月、国際政治学者の三浦瑠麗氏を提訴した名誉毀損裁判で勝訴確定。同6月、『孤闘 三浦瑠麗裁判1345日』(幻冬舎刊)を上梓。同7月、法務部長に昇進するも「木原事件」の取材を進めることも踏まえ、同11月にテレビ朝日を自主退職。同月、西脇亨輔法律事務所を設立。昨年4月末には、YouTube『西脇亨輔チャンネル』を開設した。
西脇亨輔