(3)流れ星 [ドラマレビュー]
『 流れ星 』
第3回
( 2010年 フジテレビ 公式サイト▼ )
演出:石井祐介 脚本:臼田素子、秋山竜平 出演:竹野内豊、上戸彩、北乃きい、松田翔太、稲垣吾郎
先週の『新・週刊フジテレビ批評』に、TBSで『ふぞろいの林檎たち』や『高校教師』などの演出を手がけた鴨下信一氏がコメンテーターとして出演されていて、とても興味深いお話をされていました。
鴨下氏は近年のテレビドラマの質の低下を指摘した上で、その要因のひとつとして、連続ドラマ冒頭にある「前回までのあらすじ」の作り方が下手になってきていることを挙げていらっしゃいました。鴨下氏は例としてアメリカで製作されたドラマ『ホワイトハウス』を挙げて、海外ドラマにおける「冒頭あらすじ」はその日の回の内容にあわせて、過去のシーンをピックアップし、当該回のストーリーを盛り上げる役割をうまく果たしているとおっしゃっていました。これは作り手ならではの視点と言えると思いますが、このことは私が前回のレビューで述べたラストシーンにおける次回に向けての盛り上げ方とも繋がってくるお話だと思いました。
私はそのような鴨下氏のお話を踏まえて、『流れ星』の今週回に臨みましたが、冒頭のあらすじパートがそんなに下手な作りだとは思いませんでした。ただ、如何せん尺が短い。たった25秒でははっきり言って何も伝えられないでしょう。今回はセカンドの石井祐介さんの演出ということになりますが、私が必ずしも下手ではないと感じたのは、25秒という短い尺の中に巧みな編集で必要な情報をうまく取り込んでいるという技術的な観点からのものです。しかし、あれだけいいテンポで映像と台詞が流れていってしまうと逆に視聴者の印象にも残りにくく、これでは当該回のストーリー構成上、冒頭のあらすじパートの存在価値は薄くならざるをえず、形式的に付属しているに過ぎないものと感じられます。
前回のレビューで、近年の連続ドラマが1話完結型のストーリー構成を多用していることとその理由に触れましたが、視聴率という観点で言えば、確かに強い「連続性」というものはリスクが大きいかもしれません。ただ、「月9」のみならず、テレビドラマ全体の視聴率が頭打ちなのは周知のところだし、この際、そのような「連続性」のリスクを逆手にとって、もっと各話のつながりを強調するような演出によってストーリーを盛り上げていってほしいと思います。そのためには、ラストシーンの作り方がとても重要なのは前回指摘したとおりですが、そのラストシーンと冒頭のあらすじパートを巧みにリンクさせる演出も重要だと思います。
このドラマは、今のところ、いわゆるタイトルバックが存在していませんが、少なくともその分ぐらいの尺はこの「連続性」の表現に割いて欲しいところです。手の込んだタイトルバックを作るぐらいなら、主題歌とクレジットのバックに前回までのあらすじをなぞる映像を繋いでいく方が表現上の実利はよっぽどあるような気がします(タイトルバックというものはそれはそれでひとつの楽しみではあるが・・・)。あるいは冒頭で前回のラストシーンをそのままリピートするというのもひとつのやり方で、出来のいいシーンを有効活用するのは悪いことではありません。これらは何も斬新な手法というわけではなく、往年のドラマの中にはこのような手法を用いた作品は存在しています。とにかく25秒で前回まであらすじを説明しようとするのは無理のある話で、尺をあまりにもケチりすぎていることは間違いないでしょう。
私はこの『流れ星』というドラマを伝統的なドラマ制作の手法に回帰した作品として位置づけ、ストーリーのみならず、演出や構成の動向にも注目していきたいと考えています。
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