第3回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【戦場の風】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
ゲームブック「戦場の風」のプレイを続けています。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
主戦場にたどり着くことすらできずに、ラスボスクラスに最強の騎竜ウォードレイクに死屍累々。
あっという間に4人目の挑戦者ウォーレンの出番です。
能力的にはつよつよですが、戦いはご免とばかりに逃げの一手。ウォードレイクから逃れ、さらに戦地へ向かいます。
コーデリア王女の無事を祈りながら。
【ウォーレン 技術点12 体力点19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
●アタック04-2 ウォーレン、牛飼いを助ける
味方の部隊と別れ、森を抜けた。
敵軍のいない方向を狙ったので、追手には遭遇しなかった。
街道に出て少し進む。
「助けてくれぇ!」
必死な叫び声がする。
街道を必死にへろへろ走っている小男が見えた。
それを、鎧の兵士が追いかけている。
鎧はそれなりに重量があるので、へろへろな小男といい勝負だ。
へろへろおにごっこ。
そうは言っても小男は限界が近そう。このままではいずれ捕まるだろう。
そしてその鎧の兵士のいでたちは、国内では見慣れないものだった。
つまり、敵国ドラッツェンの兵士なのだろう。
さてここで選択肢だ。
・小男を助けるため、ドラッツェン兵と戦う
・関わらずに先を急ぐ
敵兵が1人で我が国の国民に危害を加えようとしているのだから、ここは助けに入るのが当然と考えるところだ。
しかしここで使命のことが頭をよぎる。王女の救出が最優先。ここで小男を助けている余裕があるかどうかもわからない。
って、今さらこんな選択肢を出されても、俺の心は決まっている。
小男を助ける。
単に目の前の出来事を放っておけないって理由じゃない。
俺には圧倒的に情報が不足しているのだ。
それに、いくら移動は迅速にと言っても、先刻も駐屯地で一夜を過ごしたところだ。
ここだけ一分一秒を争う雰囲気を出されても困る。
俺は手綱を操り、小男とドラッツェン兵との間に割り込んだ。
「てめえ! ロング・ナリクの騎兵か!!」
ドラッツェン兵はガラが悪い。そして無謀だ。
騎馬対歩兵では明らかに分が悪いとわかりそうなものなのに、おいかけっこでへろへろなのに、立ち向かってきた。
【ドラッツェン兵 技術点5 体力点6】
はっきり言って、弱い。
技術点12の俺からしたら、負ける要素が見当たらない。
この技術点の圧倒的な差には、こちらが馬上であることも加味されているのだろう。
そんなわけで、何の危機感を抱くこともなく、ノーダメージで勝利した。
これが俺の初戦闘だ。
「ありがとうごぜえます。あなたは命の恩人です!」
口調に少しなまりがある。このあたりの住民だろうか。
「おら、ジェイコブと言いますだ。この先の丘で牛飼いをしてますだ」
戦場の牛飼いか。
「イクサさはじまって、おいら、怖くなって逃げ出してきたんですだ」
そこでドラッツェン兵に見つかってしまったのか。
住民であれば、守るべき民。なにも特別なことをしたわけではない。
それを聞くと、ジェイコブは感極まってしまった。
「なんて、なんて立派なお方だぁ!」
そういうのはいいから。なんか情報くれない?
「頼みますだ。騎士様。この先に行くんでしょう? おいらも連れて行ってくだせえ」
おおっと。ちょっと予想外な展開が来た。君は逃げてきたのではなかったのか?
「恥ずかしながらおいら、家族を置いてひとり逃げてしまったんですだ。娘もおるのに。どうかしてたですだ。やっぱり、家族のところに戻らねえと」
なんだかんだで、選択肢もなく一緒に連れて行く流れになってしまった。
馬の速度と徒歩の速度の差は大きい。これは思わぬタイムロスになってしまうのでは。
「この立派な馬なら、もう1人乗せるくらいなんてことないでしょう?」
強引な奴。けどこれで、タイムロス問題は解消された。
「そうだ。この先の街道は危ないですだ。ドラッツェンの軍隊が封鎖してるだ」
そしてついにようやく、待望の情報がもたらされたのだった。
助けてよかった。この情報がなかったら、危なかったかもしれない。
●アタック04-3 ウォーレン、自陣に入る
街道が危ないという牛飼いジェイコブは、他に2つの道を示してくれた。
「林を抜けるか、川を渡った方がいいですだ」
ここで選択肢が出る。
・ジェイコブの同行を断わり、街道を進む
・川を渡る道を選ぶ
・林を抜ける道を選ぶ
街道を進むのはさすがにないだろう。
川と林。詳しい道の説明はない。判断材料も、ない。
だが俺は、林を抜ける道を選ぶことにした。
判断材料が乏しい中、一応の理由はある。
ジェイコブは、「林を抜けるか、川を渡った方がいい」と言った。
こういう場面では、普段使い慣れた道や、意識している道が先に出るものだ。
つまりジェイコブにとっては、林を抜ける道の方が使い勝手が良い道ということになる。
作者がそこまで考えているのかはわからないが、俺がここで考えて結論を出すとしたら、そうなる。
ということで、林を抜けていこう。
そして俺たちは、問題なく林を抜けることができた。
街道の封鎖ポイントらしき場所も、視認こそできなかったが、ざわめきが聞こえてきた。
ジェイコブの情報に嘘はなかったようだ。そもそも嘘をつく理由も必要もないが。
ただ、誤算もあった。
ジェイコブは「林を抜ける道」なんて言っていたが、道なんて言えるようなシロモノではなかった。
足下は悪く、木々も避けなければならない。俺も愛馬も疲弊してしまい、体力点を2点、失ってしまった。
このくらいのロスはやむを得ないか。
慣れの差とか、徒歩と馬の違いは計算外とか、そういうものかもしれない。
その後もジェイコブの道案内のおかげで危なげなく進み、ドラッツェン軍の見張りをかいくぐりつつ、金牛の丘のふもとまで到達することができた。
ジェイコブの助けがなければ、とてもここまでは来られなかっただろう。
やはりこの牛飼いを助けるのは正解だった。
丘を登るうちに、風に乗って、いやなにおいが漂ってくる。
それは、さびた鉄のようなにおいだ。俺は知っている。これは、血のにおい。
地鳴りのような音も聞こえる。
軍勢が、今もこの丘のどこかで、戦いを繰り広げている。
やがて、踏み荒らされた地面に突き刺さったままの矢や、討ち捨てられた剣や防具の残骸などを目にするようになってきた。
そしてもちろん、敵味方を問わない遺体も。
このまま戦いの中心地に乗り入れるのは得策ではない。
俺が目指すのは友軍の陣地であって、戦場ではない。
ジェイコブを先に送り届けた方がよかったかもしれないが、そう言っていられる状況ではなくなってしまった。
ここからはジェイコブの案内ではなく、自身の経験から戦いの音を慎重に避け、道を選ぶ。
やがて俺は、ロング・ナリクの旗が立つテントを発見した。
ドラッツェン軍に奇抜な発想の軍師がいて、ロング・ナリク軍の偽装をしているなんていうよほどのレアケースでもなければ、自軍の陣で間違いない。
俺は迷わず中へと進む。
「なんと、あのドラッツェン軍の封鎖を抜けてきたというのか」
こちらには、土地勘に優れた案内人がいたのでね。
「本来、我々が退路を確保するため、街道に陣取っていたのだ。しかし退けられてしまい、この有様だ。動くに動けずこの場に陣取っているものの……」
あまり芳しくない戦況なのはよくわかった。
さらに、戦いから脱落した兵もここに加わり、漫然と規模が拡大しているという。
この陣は、完全に負け戦ムードが漂っている。
無理もない。局地戦で敗走し、傷ついた兵士を収容しているこの陣地の目線から見れば、もはや勝ち筋は見えない。
俺はジェイコブに少し待っていてもらい、兵士たちから情報を集めることにした。
●アタック04-4 ウォーレンとウォーレン
さて、情報は重要だ。誰に話しかけるべきだろうか。
3人の兵士が目についた。誰に話しかけても良いという。
でも多分、全員にゆっくり話を聞くような時間は持てないだろう。誰か1人を選ぶといったところか。
・荷物を背負って歩き回っている兵士
・苛立たしげにタバコをふかしている兵士
・疲労しきって座り込んでいる兵士
荷物を背負っている兵士はきっと、もともとのこの陣地の兵が連絡役でもしているのだろう。
苛立った兵士の愚痴なんて聞きたくない。
疲労しきっている兵士はおそらく、主戦場でなんらかの経験をしてきたに違いない。
俺は、疲労しきっている兵士のもとへ行き、話しかけた。
「放っておいてくれ。俺はもう、戦いたくないんだ」
俺は直感した。彼は、何か重大な局面に居合わせたのだと。
「何があった」
「……俺は、ウォーレン様の部下だったんだ」
……え?
ウォーレンは、俺だが?
そして、ここで、俺は、ようやく気がついたのだ。
俺の名前ウォーレンが、この戦場で戦死したという、ロング・ナリク当代一の聖騎士ウォーレンと完全にかぶっていることに。
やっちまったああぁぁ。
とはいえ、もう事故ってしまったものはしょうがない。
このまま進めるしかない。
なんならこのウォーレンでクリアしてしまってもいい。
聖騎士ウォーレンは、この戦いには副官として参加していた。
とはいえ、コーデリア王女は初陣なのだから、実質的な指揮官と言って良いだろう。
「俺たちの部隊はあの化け物、ウォードレイクにぶつかっちまった。俺たちは王女を逃がすために、しんがりとしてウォードレイクを引き付けていた。ああ……」
だいたいわかった。
俺じゃない、聖騎士のほうのウォーレンも、ウォードレイクを前になすすべがなかったのだ。
俺は、そんな戦場に、これから身を投じなければならない。
コーデリア王女を救いだすために。敗戦でも良いから、この戦いを終わらせるために。
俺の決意と使命を聞いた兵士は、言った。
「俺も連れて行ってくれ」
なんと。
この兵士には、コーデリア王女に伝えなければならない言葉があるという。
今の今まで、それはもう無理と諦めていたのだが、俺が戦場に向かうのなら、会える可能性があると感じたようだ。
そういうことなら、俺に断る理由はないな。
彼が伝えなければならないこととは、なんだろう。
やはり、聖騎士ウォーレンの最期の言葉だろうか。きっとそうだろうな。
それが、王女に撤退を促すものであってくれると、うれしい。
兵士は、名をアンドロと名乗った。
主人公の同行者でアンドロと言ったら、どうしても「アンドロ梅田」を連想してしまうな。
あちらは、騎士は騎士でも「宇宙の騎士テッカマン」だが。
アンドロ、かぶとを脱いだらものすごいモジャモジャアフロが隠れてたりしないか?
こうして、新たな同行者を得た俺は、いよいよ危地へと出発する。
次回、コーデリア王女はどこに?
【ウォーレン 技術点12 体力点19→17/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
■登場人物
ウォーレン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。主人公。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 梅田。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
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