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2025年3月11日火曜日

カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第41回 FT新聞 No.4430

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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第41回
「魔法」
(中山将平)
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 おはようございます。
 今度3月15日(土)・16日(日)に大阪なんばOCATで開催の「蛙びとの集い」というイベントに(個人として)出展予定のイラストレーター中山将平です。
 以前は個人としてカエル人のステッカーやポストカードを持って参加するイベントって、あまりFT書房関係の場で書かないようにしていました。
 関係ないことを書くのも良くないことかなと思っていましたので。
 それはそれとして、今回はそういうことがあってもいいかなと思いかえし、書いてみました。
 なんといっても、この記事のタイトルは「カエル人が教えてくれたファンタジー創作」なわけですから。

 さて、僕はこの記事の中で「ミニシリーズ」をいくつか作ってきました。
 例えば「アンデッドについて」は3回書いたように思います。
 「友好種族」「中立種族」「敵対種族」みたいなシリーズ化方法を取ったものもありました。
 それらのシリーズもので、僕は書きたいことのすべてを表現できたか。
 いいえ。
 自分に問いかけると、答えはいつも「ノー」なのです。 
 そういうわけで、今日はまさかの「過去のミニシリーズでこれも書きたかった」という記事をお届けます。
 題して「魔法についてその6 魔法の種類」。
 
 ファンタジーについてあれこれと想像するうち、実は一つの作品の中にたくさんの種類の魔法が混ざって描かれる傾向があると気づきました。
 FT書房のファンタジー世界アランツァでも、その傾向はあると感じています。
 複数種類ある魔法がどのように差別化されるのか。
 そして、複数種の魔法が混在する状況によってもたらされるものは何か。

 そのあたりについて、カエル人の創作から学んだことをお伝えする予定です。
 ファンタジーを楽しまれている方にとって、有意義な記事にできると幸いです。
 相変わらずカエル人の物語の一部ネタバレを含みますので、念のためお伝えします。
 それでは、具体的に見ていきましょう。

◆ 今回扱う魔法の種類について
 「魔法」と聞いたとき、何を想像されるでしょう?
 手や杖から稲妻や炎が出る姿でしょうか。
 それとも、光る魔方陣から何かが召還される様子でしょうか。

 前者はいわゆる「超能力」や「異能」に近いものといえるのではないかと思っています。
 個人的には「現実世界で追い求められてきたもの」というよりは、どちらかといえば物語等の想像の世界で育ってきたものではないかと思えます。
 一方で、後者は「召還術」……僕が知る限りでは主にいわゆる黒魔術などで「現実世界で追い求められてられてきたもの」という背景が濃く感じられます。
 現実世界でもあると信じられたものが、想像の世界に持ち込まれたのだと思えます。

 以前の記事でも触れましたが、「魔法」の興味深い点のひとつは、このようにそれぞれの背景が違うことだと感じています。
 今回お話したいのは、この中でも特に「現実世界で追い求められてられてきたもの」の方の「種類」についてです。

◆ 複数種類ある魔法がどのように差別化されるのか。
 先ほどの例で「召還術」に触れましたが、一言で「魔法」と言っても細分化するととてつもない量になることは想像に難くありません。
 「占術」「呪術」「錬金術」「ルーン」「死霊術(呪術の一種とも)」「数秘術(占術の一種とも)」などはその一端といえるのではないでしょうか。
 (一部魔法と呼ばれないものも含みましたが、ファンタジー創作の中で魔法やそれに類するものとして扱えるかどうかという基準で考えています)

 これらをひとつのファンタジー世界で「実際に効果があるもの」として扱いたいとき、何が起こるか。
 そう、ともすれば「なんでもかんでも同じように扱ってしまって没個性的になる」という現象があると思うのです。

 僕の創作でも、これを大いに感じた瞬間がありました。
 カエル人の創作で、「魔法=神々の与える影響」という世界を創造していた際のことです。
 このとき僕は、、影響を与える神の種類ごとにひとつずつ魔法のあり方(魔術師のあり方)が変わるようにしようと決めました。
 例えば、蜘蛛の神を信仰する者が行使する魔法は自然魔法的なニュアンスがあり、使い手は「ドルイド」。
 骨の神を信仰する者が行使する魔法は死霊術のニュアンスがあり、使い手は「ネクロマンサー」。
 星の神を信仰する者が行使する魔法は天体魔法のニュアンスがあり、使い手は「シャーマン」……といった具合です。
 (キノコの神を信仰する「マッシュルームマスター」のような、よりオリジナルファンタジー色の強いものも設定しました)
 このとき、作ってみると魔術師を個性化することは「思っていた以上に困難だ」と感じたんです。
 全く違うテーマのはずなのに、呪文の効果についてのアイデアをしっかり練らないと自然と画一的になる(同じような性能の魔法が多くなる)傾向をしっかりと感じました。
 そう、原因はきっとアイデアの練りが足りなかったことにあるのだと思います。

 特にゲームとして遊べるファンタジー創作を考えるのであれば、「魔法使いはこれができる」というお約束を守らねばと思うあまり「この能力も加えておこう」とついしてしまいがちなようです。
 能力を加えすぎると、ゲームとしてバランスを調整しやすくなる代わりに全ての魔法において差異が生まれづらくなってしまう危険性を感じました。
 この経験を通じて個人的な意見では、共通部分はある程度明確に作りつつ「得意なこと」「まあまあこなせること」「不得意なこと」を物語性と共に描いていくのが良いと感じられました。
 多くの魔法を別々のものとして扱う場合、この「何ができて何ができないのか」をコンセプトとして定めることが差別化に寄与すると考えられます。

 一方で、もちろん「魔法使いは結構色々できる!一人の魔法使いが呪術も召喚術も錬金術も全部できる!」と設定するのもひとつの手だと感じました。
 このアプローチをする場合も、魔法がどんな背景を持っているか明確に設定しておくことが、物語に奥行きを出すのに効果的ではないでしょうか。

◆ 複数種の魔法が混在する状況によってもたらされるもの
 話をもう一度、例であるカエル人の創作に戻しましょう。
 実は創作の途中である重要な気づきに突き当たったので、そのことを共有しておこうと思ったのです。
 というのも、僕の作った世界で「ルーン」があまりにも異質な存在だと気づいた、というお話があるんです。

 神々の影響がそのまま魔法である世界で、「ルーン」(文字に宿った魔法)をどう扱うことができるでしょう。
 例えば、それは神々から与えられた特殊な文字であるとすることもできそうです。
 それゆえに魔法(神秘)の力を持つ、という設定です。

 お伝えしたいのはまさにこの部分で、「複数種類の魔法が混在するとき、それぞれの持つ背景が異なり、個別に物語を設定することができる」。
 そして「それぞれの魔法の持つ物語が重なることで、更なる物語を生み出せる可能性がある」。
 
 カエル人の創作では、実際ルーンのことを「神々から力を奪い取ろうと考えた過去の異端派が作り上げた古代の技術」と設定しました。
 ここに現れるのは、古代において一部のカエル人は神々に頼らない生き方を選んだという物語性です。
 もちろんこれはシナリオキャンペーンの中で重要な位置を占めるように使用しました。
 ルーンに限らず、これと同じような「意味の連なりが物語化していく現象」は意図的に仕掛けていけるものなのだと感じています。

◆ まとめ
 今回の記事では、まだまだ書き足りなかった魔法についての気づきを書いてみました。
 それでは、今日はそろそろこのあたりで。
 よきファンタジー・ライフを。


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