第1回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【戦場の風】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
●作品紹介
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ロング・ナリクの王から執務室に召喚を受けた君は、か細い声で王にこう告げられた。
「頼む。我が娘を助けてくれ。」
コーデリアの命も、国の未来も危ない。
この状況を打破すべく、君は王命を胸に刻み、夜明けと共に出発する。
ウォードレイクとの戦いや、人々の信頼を得るための様々な選択肢が待ち受ける。
誠実さと実利のバランスが、物語の鍵を握る!
(100パラグラフゲームブックシリーズ#8「戦場の風」(冊子版)表紙より)
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ぜろです。
今回挑戦する作品は、「戦場の風」です。
作者は丹野佑氏。
今回リプレイにこの作品を選んだのには理由がありまして。
ローグライクハーフの方でも本作品「戦場の風」が、d33シナリオとして公開されたのです。
それならば、両方の作品をプレイし比べてみるというのもリプレイ的に面白いかな、といったところです。
さらに、こちらの作品には、ロング・ナリクのコーデリア王女も登場します。
この王女は、ロング・ナリクと周辺地域が舞台となるときには、作品をまたいで登場してくるという人物でもあります。
私が以前リプレイにした「龍の王女と大釜の魔女」に登場する「龍の王女」も、作中に名前こそ登場しなかったものの、このコーデリア王女でした。
そんな、アランツァ世界の有名人が登場する作品なので、リプレイにするにも申し分ありません。
そんなわけで、まずはゲームブック版をプレイし、その後にd33シナリオの方をプレイしてみようと思います。
私はゲームブックのリプレイ連載をする際には、その作品が入手可能かどうかというところを意識しています。
私の手元には冊子版があり、私はそれに基づいてプレイします。
この冊子版は、発行がなんと2014年8月15日。10年以上経過しています。おそらく現在は入手困難になっていると思います。
でも大丈夫。本作品は、電子書籍で読むことができます。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://www.amazon.co.jp/dp/B00SSZ9D5C
どちらかというと、ローグライクハーフのd33シナリオ版「戦場の風」の方が、FT新聞上の連載のみなので、現在FT新聞読者以外には閲覧が難しい状態だったりするのですが。
いっそ、ローグライクハーフの冊子版サイズ準拠で、ゲームブックとローグライクハーフシナリオを同梱した「戦場の風」セットを販売してはいかがでしょう。
ゲームブックとローグライクハーフのコラボ商品は今までないでしょうから、ちょっと面白いかも。
売上予測に基づかずに外野から好き勝手に言い放っているだけなので、投げっぱなしておきます。
さあ、内容に入っていきましょうか。
FT書房お得意の、アランツァ世界を舞台にした作品です。
ロング・ナリクという国は、ここ最近の展開では特に脚光を浴びている地域になりますね。
ローグライクハーフ「廃城の秘宝」はまさにロング・ナリクが舞台となっております。
ローグライクハーフ「女王の肉」は、隣国ドラッツェンが舞台。
そしてこの「戦場の風」の「戦場」は、まさにロング・ナリクとドラッツェンが戦う「戦場」なのです。
私がプレイした作品ではほかにも「くさびらの森」がロング・ナリクに近く、ゆかりのある人物「鋼剣のリュカ」が登場していました。
さあ、それではそろそろルールの確認といきましょう。
●ルール確認とキャラクター作成
「戦場の風」は、オーソドックスな「ファイティングファンタジー」のシリーズを踏襲したものとなっています。
技術点、体力点、運点という3つのステイタスをサイコロを振って決定します。
技術点は戦闘の強さを含めた総合力の高さを示し、最も重要。
体力点はHP(ヒットポイント)。0点になったらなんまいだー。
運点は、運を天に任せるイベントで使用する。使うと減っちゃう。
だいたいこんな感じです。
では、キャラクターを作成しましょう。
ああ……ファイティングファンタジー系のキャラクター作成、久々で楽しい……!(うっとり)
そうして出来上がったのがこちらのキャラクターです。
【グレゴリー 技術点9 体力点22 運点8】
わからない方のために解説をつけるとすると、こんな感じ。
技術点=平均的
体力点=高い
運点=やや低い
こんなイメージです。
なおキャラクター名は、独自の名前決定表からサイコロを振って決めました。
私はゲームブックに挑戦するときには、名前だけつけています。
特に詳細な背景や設定を考えるわけでもありませんし、リプレイ上は主人公の一人称なので、名前が登場することも滅多にありません。
単に、気分の問題です。
持ち物の確認。
剣と荷物袋、食料は1食分だけとのこと。
加えて、主人公は馬を連れています。
馬に関しては、騎乗生物のルールを設けている作品もありますが、本作では特にルールはないようで、本文の記述に従えばいいようです。
それではここから本編に入っていきましょう。
リプレイの文中では、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。
あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。
【グレゴリー 技術点9 体力点22 運点8】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
●アタック01-1 グレゴリー、王命を受ける
「頼む。我が娘を助けてくれ」
物語は、王様が俺に頼み込む場面から始まる。
え? 俺、いきなり王様から頼られてる?
俺の立ち位置がどうなっているのかの把握ができず、しばし戸惑う。
王様とは、ロング・ナリク王だ。
王様のいう「我が娘」とはコーデリア王女。当年とって15歳。
15歳という年齢は、私の知るコーデリア王女が登場する作品の中では、もっとも若いのではないだろうか。
そんなコーデリア王女だが、ドラッツェンとロング・ナリクの国境紛争のため、指揮官として現地に赴いているのだ。
しかも、これがコーデリア王女にとっての初陣となる。
ロング・ナリクという国家の背景説明の後、私の立場の説明があった。
私はロング・ナリク軍の一員。騎兵である。未来の聖騎士として期待もされている。
そんな俺が、王に秘密裡に呼び出しを受けたのだ。
そして冒頭のあの台詞である。
「おぬしは先の戦いで、我が命を救ってくれたな。おぬしが退路を開いてくれねば、わしは今ごろここにはおらんかった」
なるほどそういうこともあったのね。
それで王は、個人的に俺を頼ってきた、というわけか。
さて、戦争に話を戻そう。
王が説明をする。戦場は「金牛の丘」。侵攻してきたのはドラッツェン側。
金牛か。黄金聖闘士かな。アルデバランかな。
だが不可解だ。
ロング・ナリクとドラッツェンは、地図で見るかぎり険しい山地によって分断されている。
侵攻するには山越えは必須となる。
よしんば都市をひとつふたつ落とせたとしても、この地形では奪い取った土地を維持し続けることも難しいだろう。
そのような未来が見えているのに、ドラッツェンはなぜこうも積極的なのか。
あるいはこれは領土紛争に留まらず、王都にまで侵攻し我が国を攻め滅ぼすつもりなのか。
「戦況は芳しくない。いや、危険とすら言える。先ほど、ウォーレンが名誉の戦死を遂げ、我が娘は丘に取り残されたという報告が入った」
ウォーレンは、当代一の聖騎士と呼ばれる人物だ。
将来の聖騎士を嘱望されている俺にとっても、目標であり、憧れでもある人物。
そのウォーレンが、戦死だって?!
それはこの戦だけではない。ロング・ナリク国にとって致命的とも言える損失ではないだろうか。
「ドラッツェンの本気度を見誤っていたようだ。おそらく我が軍は敗れるだろう」
敗れるだろうっていうか、王女が丘に取り残されているという時点で、すでに決着はついているのでは。
そして王が俺を秘密裏に呼んだ理由は理解した。こんな実情と敗退の予想、王が公式に口にできるはずもない。
で、コーデリア王女を戦場からお救いするというのが、俺に課せられた任務であるということか。
「戦局が見える指揮官なら、撤退を選択するところだ。だがコーデリアは、援軍を要請してきた。まだ戦いを続けようとしておる」
初陣でこの戦局。もっとも適切な助言ができるであろう聖騎士の戦死。
コーデリアは、なんとか軍を立て直そうと必死なのだろう。
撤退という判断は、初陣の15歳の少女には、なかなかできることではない。
ちょっと待って。それって……。
俺の使命って、単に王女様を戦場からお救いするってだけじゃなく、軍に撤退を選択させるってところも含まれてくるんじゃないのか。
「ドラッツェン軍の指揮官はジャルベッタという女だ。冷酷な軍人だという。コーデリアが捕虜になれば、それだけで我が国は詰む。王女の身柄と引き換えに多大な要求を呑んだとしても、見捨てたとしても、わしは暗愚のそしりを免れまい」
ちょっと国王。俺の疑問に答えないまま話を進めないで。
だがその国王の表情には、苦悩と、悲愴な覚悟が浮かんでいた。
「何より、あれは我が妻が遺した、たったひとりの娘だ……」
ロング・ナリク国には、後継者が1人しかいないのか。
それは、国内で後継者争いが起きるリスクは低いかもしれないが、他国から見たら致命的な弱点を抱えてはいないか。
いや、そうでもないか。王国の系譜というのは別に長子相続とは限らない。いざとなれば王弟の血脈であるとか、やりようはいくらでもある。
そして、ついに王は俺の疑問に答えてくれた。
「グレゴリーよ。戦場へ走り、我が娘に戦いを止めさせるのだ。そして、ドラッツェンに捕らえられるよりも早く、ナリクへとあれを連れ帰れ。わしの命を守ったように、もう一度我が国の未来を救いだしてくれ」
やはり王女の救出のためには、王女に戦いを止めさせることは必須ということだ。わかっていたことではあったが。
おそらく、戦いに敗れてはならぬと依怙地になっている王女を引き留めることの方が、撤退よりも困難なことになるのではないだろうか。
あるいは、本当の危機一髪にヒーローのように登場できれば、そんな危惧も払拭できるかもしれないが。
でも、できればそこまで危機的な状況に陥る前になんとかしたいところだ。
俺は王命を胸に刻み、夜明けとともに出発した。
●アタック01-2 グレゴリー、駐屯部隊に合流する
俺は丘に向かうまっすぐな街道に馬を進めている。
この道の先では、今もまだ我が軍の兵たちが戦っているはずだ。
夕刻になり、戦場の丘の目前にさしかかった。
そこには味方の軍旗が見える。金牛の丘の目前で、街道を守備している一隊だ。
丘からドラッツェン軍の侵攻を食い止めるための最終防衛ラインとも言える。
俺は彼らに合流し、この夜をそこで過ごすことにした。
俺が単騎でここに来た事情を、なにがしか察したのだろう。多くは聞かれず、受け入れてもらった。
まずはここで最低限の情報収集をし、明日一番に旅立とう。
そう思って眠りにつく。
だが、夜明けとともに、緊急事態の到来で起こされることとなった。
「ウォードレイクだ! こっちに向かってくる!!」
ウォードレイク!
ドラゴン的なアレだ。
ドラッツェン軍は、この恐るべき怪物を飼いならし、戦場に投入しているのだ。
並みの兵士が束になってかかってもまるで歯が立たない。硬い鱗に傷ひとつつけることさえも敵わないという。
こたびの戦いで、ロング・ナリク軍が劣勢に追い込まれたのは、このウォードレイクの投入が大きいのだろう。
「どどどどうする。迎え撃つべきか? 逃げるべきか?」
兵士たちにはどどど動揺が広がっている。行動を決めかねているのが手に取るようにわかる。
ここの部隊長はどうしたんだ。このまま手をこまねいているのが一番の悪手だ。
戦うにせよ逃げるにせよ、決断し、行動に移さねばなるまい。
ここはきっぱりとした意見を俺が述べることで、彼らの決断を後押しするしか。
さて、ここで選択肢だ。俺はどう意見すべきか。
・ウォードレイクを迎え撃つべき
・襲撃を受ける前に逃げるべき
最初からラスボス戦の勢いだが、ここは迎え撃つべきだろう。
ここを突破されたら、広大な国土をウォードレイクが蹂躙することになってしまう。
俺の言葉に兵士たちは奮い立った。
「いかな怪物が相手であろうと、誇り高きナリクの兵が退くことはない!」
あ。これはちょっと間違えちゃったかもしれない。
王女に対し「撤退は恥ではない」と伝えに行くべき俺が、率先して強敵との戦いに兵たちを差し向けている図になってしまった。
だが、ウォードレイクがどれほど強く、どのように立ち回るべきかを知ることができる良い機会でもある。
ここでウォードレイクと戦うことは、決して無駄にはならないはずだ。
次回、巨大なウォードレイクを前に死屍累々。
【グレゴリー 技術点9 体力点22 運点8】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
■登場人物
グレゴリー ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。主人公。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://www.amazon.co.jp/dp/B00SSZ9D5C
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